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第8章 将軍への道程編
75.第二次墨山の戦い(15)
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志太軍の攻撃を受けて次々と倒れていく外河軍。
そんな中、十部義継ら率いる十部軍が援軍として墨山に到着。
援軍として来た十部軍により、外河軍は壊滅の危機を逃れたかのように思われた。
しかし、義継は志太軍への寝返りを宣言し、外河軍を攻撃し始めていた。
この突然の出来事により、外河軍はさらに大混乱の状態に陥る。
混乱し、士気も低下している外河軍の現状に焦る国輝らではあったが、次第に墨山城付近の天候が回復しつつある状況に意を決した表情を見せる。
どうやら墨山城に戻って籠城戦を再開させるつもりであった。
信常
「うむぅ、思うておったよりも天候の回復が早かったようじゃな…」
先刻までは一寸先が見えぬほどの濃い霧に包まれていたが、それが徐々に視界が開け始めて来た様子に信常が口を開いていた。
早く天気の崩れが回復した事はどうやら想定外だったようである。
すると祐宗は勝ち誇った様子で言う。
祐宗
「しかし、あれほどの雷が墨山城に落ちれば流石の外河軍も堪えたであろう。」
祐永
「全くにござる。ここまで外河軍を追い詰めれば、もう怖いものはござらぬでしょう。」
雷は容赦なく墨山城に何度も何度も落ちていた。
それはまるで天の神が怒り狂ったかのような様子であったという。
このような凄まじい攻撃を受けた事で外河軍も十分に恐れをなしたであろう。
祐宗らはそう思っているようであった。
一方、外河軍の陣営では国輝が空を指差して頼信に対して声を上げる。
国輝
「殿!あれをご覧くだされ!空が晴れてまいりましたぞ!」
墨山城上空にあった真っ黒な積乱雲は、雷を打ち尽くした事によって分解。
闇に包まれていた城内には、間もなく陽の光が差し込もうとしていた。
これからの外河軍の華麗なる反撃を予告しているかのような様子であった…
国時
「どうやら次は我らに味方されるようにございますな。全く、自然の力と申すものは真に気まぐれというかなんというか…」
国時もまた空を見上げ、真剣な表情でそう言っていた。
我が外河軍にも天のはからいによって運が回ってきた。
敗北の色が見えかけていた外河軍にとってこれはまさに好機。
動き出す時は今である。
すると頼信が静かに口を開く。
頼信
「天が…我らに味方…か…ふっ、真に…天というものは気まぐれでいたずらなものであるよのう…」
頼信は先程までの覇気のない表情から一変して勇ましい様子を見せ、軍勢に対して声を上げる。
頼信
「よし、皆の者よ!この機を逃してはならぬぞ!我ら外河軍は、再び墨山城に戻って籠城いたす!急ぐのじゃ!」
この頼信の一声により、混乱していた外河軍の兵たちも平静を取り戻して再び墨山城へと戻り始めるのであった。
そして志太軍の陣営では、新たに志太軍の味方となった十部軍の兵たちを眺めながら頼隆が口を開く。
頼隆
「十部軍は義継殿に、松竹梅三人衆の武の三梅殿が戦に出られておるのか。」
そう言った後に頼隆が首を傾げ始める。
頼隆
「おや?そういえば、政長殿の軍勢が見当たらぬな。これまた一体、どうしてなのでござろうかのう?」
東浦政長。
類稀なる才能を十部家において発揮した事で若くして家老の座に就いた智勇兼備とも言える家臣である。
そうした優秀な家臣が今回のような戦に出陣していない事に対し、頼隆は疑問を抱いていた。
そんな中、十部義継ら率いる十部軍が援軍として墨山に到着。
援軍として来た十部軍により、外河軍は壊滅の危機を逃れたかのように思われた。
しかし、義継は志太軍への寝返りを宣言し、外河軍を攻撃し始めていた。
この突然の出来事により、外河軍はさらに大混乱の状態に陥る。
混乱し、士気も低下している外河軍の現状に焦る国輝らではあったが、次第に墨山城付近の天候が回復しつつある状況に意を決した表情を見せる。
どうやら墨山城に戻って籠城戦を再開させるつもりであった。
信常
「うむぅ、思うておったよりも天候の回復が早かったようじゃな…」
先刻までは一寸先が見えぬほどの濃い霧に包まれていたが、それが徐々に視界が開け始めて来た様子に信常が口を開いていた。
早く天気の崩れが回復した事はどうやら想定外だったようである。
すると祐宗は勝ち誇った様子で言う。
祐宗
「しかし、あれほどの雷が墨山城に落ちれば流石の外河軍も堪えたであろう。」
祐永
「全くにござる。ここまで外河軍を追い詰めれば、もう怖いものはござらぬでしょう。」
雷は容赦なく墨山城に何度も何度も落ちていた。
それはまるで天の神が怒り狂ったかのような様子であったという。
このような凄まじい攻撃を受けた事で外河軍も十分に恐れをなしたであろう。
祐宗らはそう思っているようであった。
一方、外河軍の陣営では国輝が空を指差して頼信に対して声を上げる。
国輝
「殿!あれをご覧くだされ!空が晴れてまいりましたぞ!」
墨山城上空にあった真っ黒な積乱雲は、雷を打ち尽くした事によって分解。
闇に包まれていた城内には、間もなく陽の光が差し込もうとしていた。
これからの外河軍の華麗なる反撃を予告しているかのような様子であった…
国時
「どうやら次は我らに味方されるようにございますな。全く、自然の力と申すものは真に気まぐれというかなんというか…」
国時もまた空を見上げ、真剣な表情でそう言っていた。
我が外河軍にも天のはからいによって運が回ってきた。
敗北の色が見えかけていた外河軍にとってこれはまさに好機。
動き出す時は今である。
すると頼信が静かに口を開く。
頼信
「天が…我らに味方…か…ふっ、真に…天というものは気まぐれでいたずらなものであるよのう…」
頼信は先程までの覇気のない表情から一変して勇ましい様子を見せ、軍勢に対して声を上げる。
頼信
「よし、皆の者よ!この機を逃してはならぬぞ!我ら外河軍は、再び墨山城に戻って籠城いたす!急ぐのじゃ!」
この頼信の一声により、混乱していた外河軍の兵たちも平静を取り戻して再び墨山城へと戻り始めるのであった。
そして志太軍の陣営では、新たに志太軍の味方となった十部軍の兵たちを眺めながら頼隆が口を開く。
頼隆
「十部軍は義継殿に、松竹梅三人衆の武の三梅殿が戦に出られておるのか。」
そう言った後に頼隆が首を傾げ始める。
頼隆
「おや?そういえば、政長殿の軍勢が見当たらぬな。これまた一体、どうしてなのでござろうかのう?」
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