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第8章 将軍への道程編
72.第二次墨山の戦い(12)
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信常の発明した雨雲を発生させる装置である「雷神」によって墨山城の上空に異常なまでに発達した積乱雲を形成。
やがてその積乱雲から墨山城内を目掛けて激しい落雷が何度も発生。
外河軍の兵たちに甚大な被害をもたらしていた。
城内に留まれば全軍が壊滅するという危機を感じた国輝が意を決して声を上げる。
国輝
「この戦、負けるわけにはいかぬ!何が何でも志太の奴らを返り討ちにしてやるのじゃ!」
国時
「こうなった以上は我らに逃げ場は無き故、心してかからねばなりますまいな…」
国時は、背水の陣の覚悟で志太軍と戦う事を決意していた。
そんな二人を見た頼信は立ち上がって刀を抜いた。
頼信
「皆の者よ、このまま城に留まって敗北するは末代までの恥。国輝殿と国時殿に続いて余も出撃いたす!志太軍を退けるのじゃ!」
頼信の抜いた刀は、志太軍の方角を指していた。
そうして外河軍は、再び墨山城からの出撃を開始。
その様子に気付いた貞道が口を開く。
貞道
「どうやら外河軍に動きがあったようじゃな。討って出ることを選ばれたか。」
すると信常が淡々とした口調で言う。
信常
「墨山城内は雷の集中砲火を受けておる故、全軍は城から出ざるを得んであろうな。」
発生した積乱雲は衰える気配を見せようとしない現状である故に、雷による攻撃はもうしばらくは続くようだ。
こうした中に置かれた外河軍は、止む無く城からの出撃をするしか無いであろう。
信常は、雷神を使う事で外河軍を城の外におびき出させてとどめを刺す、と言った展開を予想していた。
その予想が、今まさに現実の物になろうとしている事に対して非常に満足げな様子であった。
崇冬
「むっ、外河軍が出撃とな?我らと再び刀を交えるつもりにござるか。良かろう、相手になってやろうぞ!」
康龍
「国時殿よ、今度こそ決着をつけてくれよう!覚悟いたすが良い!」
外河軍の再出撃の動きを察知した崇冬と康龍は、共に勇ましい表情をしていた。
再び開門した墨山城の城門からは兵たちがぞろぞろと出始める。
国輝
「お前たちよ、ここが踏ん張りどころぞ!この墨山の地、志太などの奴らに取られてたまるものか!」
そう言うと国輝は、決死の覚悟で崇冬の軍勢に対して突進を始める。
この凄まじい勢いに崇冬の軍勢は、たじろぎ気味の様子を見せる。
崇冬
「おぉ、流石は志太家の元軍師だけのことはあるな。やはり腐っても軍師は軍師よの。」
崇冬は、明らかに不利な状況に置かれながらも諦める事無く果敢に相手に立ち向かう国輝の姿勢に対して感嘆の声を漏らしていた。
どうやら国輝らの軍勢の士気は、崇冬の軍勢よりも遥かに上回っているようである。
しかし、士気があったとて志太軍が優勢である事には何ら変わりは無い。
始めの方こそは気迫ある国輝の軍勢を前に次々と倒されていく崇冬の兵たちの姿が見られたが、次第にその勢いも衰えを見せ始める。
やはり、形勢を逆転するには無理があったのであろうか…
外河軍の者たちがそう思い始めた頃、国時が目を見開いて声を上げる。
国時
「ややっ、もしやあれは…国輝様!あちらを、あちらをご覧くだされ!」
国時は墨山城の東の方角を指差していた。
その先には、数千はいるであろう軍勢が確認できた。
国輝
「ほう、ようやくか…国時よ、どうやら儂らは命拾いをしたようじゃな。」
国輝は、落ち着いた様子でそう言っていた。
やがてその積乱雲から墨山城内を目掛けて激しい落雷が何度も発生。
外河軍の兵たちに甚大な被害をもたらしていた。
城内に留まれば全軍が壊滅するという危機を感じた国輝が意を決して声を上げる。
国輝
「この戦、負けるわけにはいかぬ!何が何でも志太の奴らを返り討ちにしてやるのじゃ!」
国時
「こうなった以上は我らに逃げ場は無き故、心してかからねばなりますまいな…」
国時は、背水の陣の覚悟で志太軍と戦う事を決意していた。
そんな二人を見た頼信は立ち上がって刀を抜いた。
頼信
「皆の者よ、このまま城に留まって敗北するは末代までの恥。国輝殿と国時殿に続いて余も出撃いたす!志太軍を退けるのじゃ!」
頼信の抜いた刀は、志太軍の方角を指していた。
そうして外河軍は、再び墨山城からの出撃を開始。
その様子に気付いた貞道が口を開く。
貞道
「どうやら外河軍に動きがあったようじゃな。討って出ることを選ばれたか。」
すると信常が淡々とした口調で言う。
信常
「墨山城内は雷の集中砲火を受けておる故、全軍は城から出ざるを得んであろうな。」
発生した積乱雲は衰える気配を見せようとしない現状である故に、雷による攻撃はもうしばらくは続くようだ。
こうした中に置かれた外河軍は、止む無く城からの出撃をするしか無いであろう。
信常は、雷神を使う事で外河軍を城の外におびき出させてとどめを刺す、と言った展開を予想していた。
その予想が、今まさに現実の物になろうとしている事に対して非常に満足げな様子であった。
崇冬
「むっ、外河軍が出撃とな?我らと再び刀を交えるつもりにござるか。良かろう、相手になってやろうぞ!」
康龍
「国時殿よ、今度こそ決着をつけてくれよう!覚悟いたすが良い!」
外河軍の再出撃の動きを察知した崇冬と康龍は、共に勇ましい表情をしていた。
再び開門した墨山城の城門からは兵たちがぞろぞろと出始める。
国輝
「お前たちよ、ここが踏ん張りどころぞ!この墨山の地、志太などの奴らに取られてたまるものか!」
そう言うと国輝は、決死の覚悟で崇冬の軍勢に対して突進を始める。
この凄まじい勢いに崇冬の軍勢は、たじろぎ気味の様子を見せる。
崇冬
「おぉ、流石は志太家の元軍師だけのことはあるな。やはり腐っても軍師は軍師よの。」
崇冬は、明らかに不利な状況に置かれながらも諦める事無く果敢に相手に立ち向かう国輝の姿勢に対して感嘆の声を漏らしていた。
どうやら国輝らの軍勢の士気は、崇冬の軍勢よりも遥かに上回っているようである。
しかし、士気があったとて志太軍が優勢である事には何ら変わりは無い。
始めの方こそは気迫ある国輝の軍勢を前に次々と倒されていく崇冬の兵たちの姿が見られたが、次第にその勢いも衰えを見せ始める。
やはり、形勢を逆転するには無理があったのであろうか…
外河軍の者たちがそう思い始めた頃、国時が目を見開いて声を上げる。
国時
「ややっ、もしやあれは…国輝様!あちらを、あちらをご覧くだされ!」
国時は墨山城の東の方角を指差していた。
その先には、数千はいるであろう軍勢が確認できた。
国輝
「ほう、ようやくか…国時よ、どうやら儂らは命拾いをしたようじゃな。」
国輝は、落ち着いた様子でそう言っていた。
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