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第8章 将軍への道程編
48.傀儡化の準備
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それから数日後、外河家も墨山城で評定が開かれていた。
家臣たちが集まった中で頼信が口を開いた。
頼信
「皆の者、先日の志太軍との戦いは真にご苦労であった。」
頼信は、先の墨山の戦いにおいて自軍を勝利に導いた家臣たちに対して労いの言葉をかけていた。
そうしてすぐに神妙な顔つきをして言う。
頼信
「こたびの戦は我が外河家の勝利には終わった。じゃがしかし、奴らは再び我らに戦いを挑むであろう。それ故、何か策を練らねばならぬ…」
外河軍は志太軍に勝利したという事は事実だ。
しかし、これで外河家への侵略を志太家は簡単に諦めるであろうか。
志太家は天下統一の為に外河家を完全に支配下に置くまで何度でも戦争をけしかけるであろう。
そう考えていた頼信は頭を悩ませている様子であった。
すると国輝が堂々とした態度で頼信に対して声をかける。
国輝
「頼信様、そのことですが拙者から一つ良き策がございます。」
どうやら志太家の脅威に対抗する為の策が国輝にはあると言う。
頼信は国輝の顔を見つめて問いかける。
頼信
「ほう、良かろう。国輝殿よ、その良き策というものを聞かせてくれぬか?」
国輝
「頼信様の申される通り、我が外河家はこれからも志太家に狙い続けられることは間違いございませぬ。」
頼信が先程に話した内容について国輝も同様の事を考えていると述べていた。
そして続けて喋り始める。
国輝
「奴らはこの墨山国において防御が手薄なところなどを血眼になって探し出し、そこを突こうと考えておるでしょう。」
国輝は、志太家によって墨山国の弱点を突かれる事を懸念していると語った。
国輝
「そこで、拙者が従えし者どもを墨山国の警備にあたらせようかと考えております。」
国輝が提案する策。
それは、墨山国の警備役を自身の部下たちに任せて欲しいと言った内容であった。
頼信
「ほう、この墨山国の警備とな?」
国輝
「はい、墨山国をその者どもにお守りさせていただきたく存じます。おいお前たち、顔を見せよ。」
そう言うと国輝の後ろにぞろそろと数十人の男たちが現れた。
その男たちは、かつて国輝が野党(松永党)を構成していた頃に従えていた者たちであった。
傷だらけの者、人相の悪い者、冷酷な目つきをしている者などどれも一癖も二癖もありそうな男たちばかりだ。
頼信
「はぁ…何ともまぁ…確かに強そうな者たちにござるな…」
男たちを見た頼信は、面を食らった様子でそう言っていた。
すると国輝がさらに続けて言う。
国輝
「そしてただの警備だけではなく、墨山国の治安を守る役目もこの者たちに果たしてもらうつもりにございます。」
外部からの脅威だけではなく内部、すなわち家臣たちの裏切りなどの脅威にも対応する為に国内の治安維持が必要であると国輝は説いていた。
この思い切った内容の策に対して頼信や他の家臣たちは困惑した様子であったが、強引に押し通すべく国輝がすかさず声を上げる。
国輝
「皆の者、これも志太家の脅威から我が外河家を守る為である故、どうかどうか御理解願いたい!」
すると男たちもどすの利いた声を上げながら一斉に頼信に向かって頭を下げていた。
その様子に頼信は、たじろいだ様子で口を開く。
頼信
「墨山国の警備にこの者たちをか?う、うむ…分かった…で、ではよろしく頼もうとするか…」
頼信は声を詰まらせながらそう言っていた。
半ば強引な手段で男たちによる無言の圧力を感じた頼信は、首を縦に振るしか無かったのである。
こうして外河家の評定では国輝の策を実行するという事に決定した。
評定が終わり、家臣たちが解散した後に国輝と国時が会話を交わしていた。
国時
「国輝様、先刻に申しておったことが例の策にございますか?」
国輝
「うむ、そうじゃ。あやつらを使えば外河家はこれで我らのものも同然。これで心置きなく志太家と戦えようぞ。」
部下たちを使い、治安維持の名の下において外河家を自身の思い通りに操る事。
それこそが国輝の狙いであったのだ。
国時
「なるほど、そういうことにございましたか。流石は国輝様にございますな。外河家を我らが操る、良い話ではございませぬか。ふふふ…」
国輝と国時は二人して不気味な笑みを浮かべていた。
家臣たちが集まった中で頼信が口を開いた。
頼信
「皆の者、先日の志太軍との戦いは真にご苦労であった。」
頼信は、先の墨山の戦いにおいて自軍を勝利に導いた家臣たちに対して労いの言葉をかけていた。
そうしてすぐに神妙な顔つきをして言う。
頼信
「こたびの戦は我が外河家の勝利には終わった。じゃがしかし、奴らは再び我らに戦いを挑むであろう。それ故、何か策を練らねばならぬ…」
外河軍は志太軍に勝利したという事は事実だ。
しかし、これで外河家への侵略を志太家は簡単に諦めるであろうか。
志太家は天下統一の為に外河家を完全に支配下に置くまで何度でも戦争をけしかけるであろう。
そう考えていた頼信は頭を悩ませている様子であった。
すると国輝が堂々とした態度で頼信に対して声をかける。
国輝
「頼信様、そのことですが拙者から一つ良き策がございます。」
どうやら志太家の脅威に対抗する為の策が国輝にはあると言う。
頼信は国輝の顔を見つめて問いかける。
頼信
「ほう、良かろう。国輝殿よ、その良き策というものを聞かせてくれぬか?」
国輝
「頼信様の申される通り、我が外河家はこれからも志太家に狙い続けられることは間違いございませぬ。」
頼信が先程に話した内容について国輝も同様の事を考えていると述べていた。
そして続けて喋り始める。
国輝
「奴らはこの墨山国において防御が手薄なところなどを血眼になって探し出し、そこを突こうと考えておるでしょう。」
国輝は、志太家によって墨山国の弱点を突かれる事を懸念していると語った。
国輝
「そこで、拙者が従えし者どもを墨山国の警備にあたらせようかと考えております。」
国輝が提案する策。
それは、墨山国の警備役を自身の部下たちに任せて欲しいと言った内容であった。
頼信
「ほう、この墨山国の警備とな?」
国輝
「はい、墨山国をその者どもにお守りさせていただきたく存じます。おいお前たち、顔を見せよ。」
そう言うと国輝の後ろにぞろそろと数十人の男たちが現れた。
その男たちは、かつて国輝が野党(松永党)を構成していた頃に従えていた者たちであった。
傷だらけの者、人相の悪い者、冷酷な目つきをしている者などどれも一癖も二癖もありそうな男たちばかりだ。
頼信
「はぁ…何ともまぁ…確かに強そうな者たちにござるな…」
男たちを見た頼信は、面を食らった様子でそう言っていた。
すると国輝がさらに続けて言う。
国輝
「そしてただの警備だけではなく、墨山国の治安を守る役目もこの者たちに果たしてもらうつもりにございます。」
外部からの脅威だけではなく内部、すなわち家臣たちの裏切りなどの脅威にも対応する為に国内の治安維持が必要であると国輝は説いていた。
この思い切った内容の策に対して頼信や他の家臣たちは困惑した様子であったが、強引に押し通すべく国輝がすかさず声を上げる。
国輝
「皆の者、これも志太家の脅威から我が外河家を守る為である故、どうかどうか御理解願いたい!」
すると男たちもどすの利いた声を上げながら一斉に頼信に向かって頭を下げていた。
その様子に頼信は、たじろいだ様子で口を開く。
頼信
「墨山国の警備にこの者たちをか?う、うむ…分かった…で、ではよろしく頼もうとするか…」
頼信は声を詰まらせながらそう言っていた。
半ば強引な手段で男たちによる無言の圧力を感じた頼信は、首を縦に振るしか無かったのである。
こうして外河家の評定では国輝の策を実行するという事に決定した。
評定が終わり、家臣たちが解散した後に国輝と国時が会話を交わしていた。
国時
「国輝様、先刻に申しておったことが例の策にございますか?」
国輝
「うむ、そうじゃ。あやつらを使えば外河家はこれで我らのものも同然。これで心置きなく志太家と戦えようぞ。」
部下たちを使い、治安維持の名の下において外河家を自身の思い通りに操る事。
それこそが国輝の狙いであったのだ。
国時
「なるほど、そういうことにございましたか。流石は国輝様にございますな。外河家を我らが操る、良い話ではございませぬか。ふふふ…」
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