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第7章 天下分け目の大決戦編
76.三浦宮御所の戦い(29)
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志太軍は御所内において幕府軍による強襲を受けていた。
さらに退路を断たれた事により、祐宗らは絶体絶命の危機に瀕していた。
幕府軍の攻撃を受けるがままの志太軍は壊滅するかのように思われていた。
だが、ここで思わぬ事態が発生する。
口崇数率いる口羽軍が御所の門を突破し、継晴の前に現れたのであった。
崇数
「口羽軍 総大将 口羽崇数、将軍 継晴殿の首を貰いに参った!」
崇数は凛々しい表情でそう叫んでいた。
祐宗
「よもや…夢ではあるまいな…」
祐永
「天の助け…またしても我らは救われましたな…」
政豊
「ふっ、遅いぞ!もう少しで儂は二度目の地獄へと参るところじゃったぞ!」
祐宗たちは皆それぞれが崇数の援軍に対して恩に着る様子でそう声をかけていた。
崇数
「遅れて申し訳ございませぬ。御所の門が思いのほかに堅固なものでございましたので…」
口羽軍は御所の門壊に手間取り、御所内への侵入が遅れたと言う。
これは、名軍師と名高い崇数の力を持ってしても苦戦を強いられた事からもあるように、いかに御所の防御力が高かったかが伺い知れる。
継晴
「口羽崇数!貴様は景綱と戦っておったはずであろう…何故ここにおるのじゃ?景綱は?鳥居景綱はどうしたというのじゃ?」
継晴は混乱した様子であった。
それもそのはず、幕府軍は志太家に深い恨みを持つ鳥居景綱を前線に出して攻撃を命じており、その戦況は景綱の軍勢が優勢である事を継晴も幾度か周知していたからである。
しかし木内政豊の援軍参戦や幕府軍の寝返りなど、様々な事態が発生した事によって景綱の戦況の確認が以後は疎かになってしまう。
それ故に口羽軍による攻撃を受けて景綱が討たれた事を継晴はこの時に初めて知る事となった。
崇数
「景綱殿は、我ら口羽軍との戦に負け申した。」
景綱は、口羽崇数が率いる口羽軍に敗北した事を継晴に説明していた。
継晴
「何じゃと!それでは景綱が…景綱が討たれたというのか…」
継晴は呆然として目が点になっていた。
崇数
「景綱殿は武士として立派に戦い、武士として立派に散ってゆかれました。」
口羽軍と鳥居軍は共に一進一退の攻防を繰り返していた。
そして戦いも終盤に差し掛かった頃、突如として鳥居軍の勢いが増し始める。
鳥居軍の総大将である景綱は危険を顧みず、数人の部下を引き連れて口羽軍の本陣にまで斬り込みを入れたのである。
この時、景綱は崇数と遭った後に言葉を二、三ほど交わした後に一騎討ちを行ったと言われている。
そして崇数の猛攻を受けた景綱は戦いに破れ、鳥居軍は総崩れとなり結果的に全軍が壊滅した。
口羽軍に捕らえられて最期を迎えようとする景綱の態度は、終始一貫して非常に潔い態度であったという。
その堂々たる態度に口羽軍の武将たちは心をひどく打たれた。
崇冬
「それにしても鳥居景綱殿は、武士の中の武士でございましたな…」
崇数
「うむ、鳥居景綱殿こそ真の武士であろうな。」
貞道
「武士というものは、かくありたいものにござる。」
義道
「最もじゃ。儂らはこの戦で、真に良きものを見させてもろうたのぅ。」
崇数を始めとする口羽家の武将たちは皆が景綱に対して称賛の声を上げていた。
だがその声に継晴は強い憤りを覚え、やがて鬼のような形相へと切り替わった。
継晴
「えぇい!どいつもこいつも余の邪魔をしおってからに!もう許さぬぞ!おいお前たち、こやつらをやってしまえ!」
継晴は熱り立った様子でそう叫んでいた。
さらに退路を断たれた事により、祐宗らは絶体絶命の危機に瀕していた。
幕府軍の攻撃を受けるがままの志太軍は壊滅するかのように思われていた。
だが、ここで思わぬ事態が発生する。
口崇数率いる口羽軍が御所の門を突破し、継晴の前に現れたのであった。
崇数
「口羽軍 総大将 口羽崇数、将軍 継晴殿の首を貰いに参った!」
崇数は凛々しい表情でそう叫んでいた。
祐宗
「よもや…夢ではあるまいな…」
祐永
「天の助け…またしても我らは救われましたな…」
政豊
「ふっ、遅いぞ!もう少しで儂は二度目の地獄へと参るところじゃったぞ!」
祐宗たちは皆それぞれが崇数の援軍に対して恩に着る様子でそう声をかけていた。
崇数
「遅れて申し訳ございませぬ。御所の門が思いのほかに堅固なものでございましたので…」
口羽軍は御所の門壊に手間取り、御所内への侵入が遅れたと言う。
これは、名軍師と名高い崇数の力を持ってしても苦戦を強いられた事からもあるように、いかに御所の防御力が高かったかが伺い知れる。
継晴
「口羽崇数!貴様は景綱と戦っておったはずであろう…何故ここにおるのじゃ?景綱は?鳥居景綱はどうしたというのじゃ?」
継晴は混乱した様子であった。
それもそのはず、幕府軍は志太家に深い恨みを持つ鳥居景綱を前線に出して攻撃を命じており、その戦況は景綱の軍勢が優勢である事を継晴も幾度か周知していたからである。
しかし木内政豊の援軍参戦や幕府軍の寝返りなど、様々な事態が発生した事によって景綱の戦況の確認が以後は疎かになってしまう。
それ故に口羽軍による攻撃を受けて景綱が討たれた事を継晴はこの時に初めて知る事となった。
崇数
「景綱殿は、我ら口羽軍との戦に負け申した。」
景綱は、口羽崇数が率いる口羽軍に敗北した事を継晴に説明していた。
継晴
「何じゃと!それでは景綱が…景綱が討たれたというのか…」
継晴は呆然として目が点になっていた。
崇数
「景綱殿は武士として立派に戦い、武士として立派に散ってゆかれました。」
口羽軍と鳥居軍は共に一進一退の攻防を繰り返していた。
そして戦いも終盤に差し掛かった頃、突如として鳥居軍の勢いが増し始める。
鳥居軍の総大将である景綱は危険を顧みず、数人の部下を引き連れて口羽軍の本陣にまで斬り込みを入れたのである。
この時、景綱は崇数と遭った後に言葉を二、三ほど交わした後に一騎討ちを行ったと言われている。
そして崇数の猛攻を受けた景綱は戦いに破れ、鳥居軍は総崩れとなり結果的に全軍が壊滅した。
口羽軍に捕らえられて最期を迎えようとする景綱の態度は、終始一貫して非常に潔い態度であったという。
その堂々たる態度に口羽軍の武将たちは心をひどく打たれた。
崇冬
「それにしても鳥居景綱殿は、武士の中の武士でございましたな…」
崇数
「うむ、鳥居景綱殿こそ真の武士であろうな。」
貞道
「武士というものは、かくありたいものにござる。」
義道
「最もじゃ。儂らはこの戦で、真に良きものを見させてもろうたのぅ。」
崇数を始めとする口羽家の武将たちは皆が景綱に対して称賛の声を上げていた。
だがその声に継晴は強い憤りを覚え、やがて鬼のような形相へと切り替わった。
継晴
「えぇい!どいつもこいつも余の邪魔をしおってからに!もう許さぬぞ!おいお前たち、こやつらをやってしまえ!」
継晴は熱り立った様子でそう叫んでいた。
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