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第7章 天下分け目の大決戦編
74.三浦宮御所の戦い(27)
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祐宗らが御所内に通じる抜け穴に入り、数刻の時が経っていた。
やがて一行は、行き止まりと思われる場所に辿り着いた。
祐宗
「うむ?教晴殿、ここは行き止まりではござらんか?」
祐宗は首を傾げてそう言った。
すると教晴が振り向いて祐宗に言う。
教晴
「いえ、ここが抜け穴の出口にございます。すぐに御所内へとご案内いたします故、お待ちくだされ。」
そこは一見すると行き止まりのように見えるが、壁の間からはわずかに光が差しているのが分かった。
教晴はおもむろにその壁を押し出すと壁はゆっくりと動き出した。
壁の後ろには光が広がり、目の前には御所内の景色が見えていた。
祐宗
「ほぅ、これが御所の中か…」
教晴は御所の様子を見て圧倒されていた。
御所内の要所々々は、城とは違った綺羅びやかな造りであったからだ。
祐宗のように武将として戦いに明け暮れる者にとって、こうした造りの建造物は非常に魅力的に見えていたようである。
祐永
「流石は我ら武家を束ねし者に相応しき構えにござるな。」
祐永もまた、御所内の様子に対して感服している様子である。
政豊
「ふん、贅の限りを尽くしておるただの愚かな者の住処であろうが。くだらぬわ!」
一方、政豊は呆れ果てた様子でそう言っていた。
政豊の発言は半ば僻みのように聞こえるが、庶民としての言葉を代弁しているようにも思えた。
そうして祐宗らが抜け穴の出口から御所内の侵入に成功した頃、継晴らの軍勢はその近くに身を潜めていた。
継晴
「来たぞ…教晴じゃな。それに、志太祐宗…志太祐永…木内政豊もおるではないか…」
継晴は志太軍の軍勢の中に祐宗らの姿が見えた事を確認していた。
継晴
「正に今が好機であるな。よし!ではお前たちよ、一気に攻撃を仕掛けよ!」
継晴がそう声を上げるやいなや、兵たちは一斉に志太軍に対して弓を弾いた。
兵たちが放った矢は、たちまち志太軍に豪雨のように降り注いだ。
その様子にいち早く気付き、声を上げたのは政豊であった。
政豊
「ぐわっ!何じゃ貴様らは!」
幕府軍の放った矢は政豊の顔をかすめ、頬からは血が流れていた。
この継晴らによる不意の攻撃により、多くの志太軍の兵たちが負傷した模様である。
そして兵たちはたちまち混乱状態へと陥った。
教晴
「やはり父上が待ち構えておったか…」
教晴は唇を噛んで俯きながらそう言っていた。
継晴
「はっはっは!教晴よ、お前のその浅はかな考えが命取りとなったようじゃな!」
継晴は教晴の作戦に対して嘲笑いながらそう言った。
そして続けて継晴が祐宗たちに対して声を上げる。
継晴
「ここは貴様らのような身分の卑しき者には相応しき場所にはござらん!」
継晴は怒りの表情を見せていた。
そして幕府軍の兵たちによる志太軍の攻撃は手を止める事無く続いている。
祐宗
「いっ、いかん!ここは一旦、引き返すのじゃ!」
幕府軍による攻撃を一方的に受け続ける事に危険を感じた祐宗は慌てた様子で声を上げた。
その様子を見た継晴がさらなる追い打ちをかけるように叫ぶ。
継晴
「おぉっと!そうやすやすと簡単にお前たちを逃しはせぬぞ!覚悟いたせ!」
そう言うと幕府軍は志太軍の後ろに回り込み、抜け穴の出口を兵たちで塞いだ。
継晴
「ふはははは!これで貴様らは袋の鼠ぞ!余の断り無しに御所に入ったことを後悔せよ!」
継晴は声高らかに下品な笑い声を上げていた。
どうやら祐宗らを御所内に封じ込めて追い込みをかけるようである。
祐永
「兄者、こうなればこの幕府軍を我らが撃破するしか無さそうにございますな…」
祐宗
「やるしか無い、ということか…行くぞ!」
この絶体絶命とも言える状況に置かれた祐宗らは、共に覚悟を決めた表情であった。
やがて一行は、行き止まりと思われる場所に辿り着いた。
祐宗
「うむ?教晴殿、ここは行き止まりではござらんか?」
祐宗は首を傾げてそう言った。
すると教晴が振り向いて祐宗に言う。
教晴
「いえ、ここが抜け穴の出口にございます。すぐに御所内へとご案内いたします故、お待ちくだされ。」
そこは一見すると行き止まりのように見えるが、壁の間からはわずかに光が差しているのが分かった。
教晴はおもむろにその壁を押し出すと壁はゆっくりと動き出した。
壁の後ろには光が広がり、目の前には御所内の景色が見えていた。
祐宗
「ほぅ、これが御所の中か…」
教晴は御所の様子を見て圧倒されていた。
御所内の要所々々は、城とは違った綺羅びやかな造りであったからだ。
祐宗のように武将として戦いに明け暮れる者にとって、こうした造りの建造物は非常に魅力的に見えていたようである。
祐永
「流石は我ら武家を束ねし者に相応しき構えにござるな。」
祐永もまた、御所内の様子に対して感服している様子である。
政豊
「ふん、贅の限りを尽くしておるただの愚かな者の住処であろうが。くだらぬわ!」
一方、政豊は呆れ果てた様子でそう言っていた。
政豊の発言は半ば僻みのように聞こえるが、庶民としての言葉を代弁しているようにも思えた。
そうして祐宗らが抜け穴の出口から御所内の侵入に成功した頃、継晴らの軍勢はその近くに身を潜めていた。
継晴
「来たぞ…教晴じゃな。それに、志太祐宗…志太祐永…木内政豊もおるではないか…」
継晴は志太軍の軍勢の中に祐宗らの姿が見えた事を確認していた。
継晴
「正に今が好機であるな。よし!ではお前たちよ、一気に攻撃を仕掛けよ!」
継晴がそう声を上げるやいなや、兵たちは一斉に志太軍に対して弓を弾いた。
兵たちが放った矢は、たちまち志太軍に豪雨のように降り注いだ。
その様子にいち早く気付き、声を上げたのは政豊であった。
政豊
「ぐわっ!何じゃ貴様らは!」
幕府軍の放った矢は政豊の顔をかすめ、頬からは血が流れていた。
この継晴らによる不意の攻撃により、多くの志太軍の兵たちが負傷した模様である。
そして兵たちはたちまち混乱状態へと陥った。
教晴
「やはり父上が待ち構えておったか…」
教晴は唇を噛んで俯きながらそう言っていた。
継晴
「はっはっは!教晴よ、お前のその浅はかな考えが命取りとなったようじゃな!」
継晴は教晴の作戦に対して嘲笑いながらそう言った。
そして続けて継晴が祐宗たちに対して声を上げる。
継晴
「ここは貴様らのような身分の卑しき者には相応しき場所にはござらん!」
継晴は怒りの表情を見せていた。
そして幕府軍の兵たちによる志太軍の攻撃は手を止める事無く続いている。
祐宗
「いっ、いかん!ここは一旦、引き返すのじゃ!」
幕府軍による攻撃を一方的に受け続ける事に危険を感じた祐宗は慌てた様子で声を上げた。
その様子を見た継晴がさらなる追い打ちをかけるように叫ぶ。
継晴
「おぉっと!そうやすやすと簡単にお前たちを逃しはせぬぞ!覚悟いたせ!」
そう言うと幕府軍は志太軍の後ろに回り込み、抜け穴の出口を兵たちで塞いだ。
継晴
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継晴は声高らかに下品な笑い声を上げていた。
どうやら祐宗らを御所内に封じ込めて追い込みをかけるようである。
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祐宗
「やるしか無い、ということか…行くぞ!」
この絶体絶命とも言える状況に置かれた祐宗らは、共に覚悟を決めた表情であった。
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