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第7章 天下分け目の大決戦編
10.国米の戦い(2)
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志太軍と堀内軍が国米の地で陣を敷き、一刻の時が過ぎようとしていた。
両軍共に攻撃の準備は万端のようであり、今にも兵たちが堀内軍目掛けて襲いかからんばかりの勢いであった。
やがて本陣の祐藤が立ち上がり、手にした軍配を高く掲げた。
祐藤
「よし、攻撃を開始せよ!」
祐藤は軍配を堀内軍へと勢いよく振りかざして叫んだ。
かくして、志太軍と堀内軍との戦いが始まった。
祐藤
「まずは崇数と祐宗で堀内軍を挟み撃ちにいたせ。」
祐藤は崇数と祐宗を前線に出し、堀内軍を迎え討つように命じた。
主要とも言える武将を最初から戦わせる事で堀内軍を圧倒させようという狙いである。
崇数
「はっ、仰せの通りに。」
祐宗
「承知致しました。父上、拙者の戦いぶりを見ていてくだされ。」
崇数と祐宗はそう言うと祐宗の本陣から離れ、堀内軍の軍勢目掛けて兵を進めた。
両軍の兵たちは瞬く間に堀内軍を取り囲んでいた。
祐宗
「崇数殿、準備はよろしゅうございますかな?」
祐宗が崇数の軍勢に対して確認を取っていた。
崇数
「我が軍も攻撃の準備は万全にございます!」
祐宗の確認に対して崇数は大声でそう答えた。
祐宗
「よし、それでは共に攻撃を開始せよ!」
祐宗は馬上で刀を抜き、堀内軍へ向けて大きく振りかざして戦闘開始を促した。
勢いを増した兵たちの攻撃は一斉に堀内軍へと向けられた。
為永
「志太軍が本格的に攻撃を始めおったな。我々も遅れを取ってはならぬ。行くぞ!」
為永がそう言うと堀内軍の兵たちも戦闘態勢に入り、志太軍と堀内軍の両軍が入り乱れての戦闘が本格化された。
国米の地は、戦によって凄まじいほどの喧騒に包まれていった。
それからやがて一刻ほどの時が経った。
戦況は、志太軍が変わらずの優勢であった。
為永
「ぐっ、やはり我が軍は押されておるか…」
現状で志太軍と堀内軍の兵力は倍以上の差がある。
為永は、堀内軍が圧倒的に不利であるという事実を改めて知らされるのであった。
さらに堀内軍は崇数と祐宗の挟み撃ちによる猛攻を受け、多数の被害が出始めていた。
このまま戦況が進めば間違いなく堀内軍は壊滅するであろう。
堀内軍にとっては非常に危険な状態と言っても良い。
為永
「うぬぅ…継晴様からの援軍が来られればかような兵たちなど屁では無いのじゃがな…」
為永は幕府からの援軍を心待ちにしている様子であった。
援軍さえ来れば助かる。
もし、このまま援軍が来なければ…などという最悪の事態も頭をよぎったが、今はそのような事を考えるべきでは無いと為永は考えていた。
必ず幕府からの援軍は来る。
それまでは耐えるのみである。
と、自分自身にひたすら言い聞かせていた。
すると、三浦宮御所の方角からこの戦場に向けて近付いて来る軍勢が確認された。
その軍勢の中には、将軍 三浦継晴とその家臣 黒松義成の姿があった。
どうやら為永の祈りは叶ったようである。
為永
「おぉ、継晴様じゃ!継晴様が兵を連れて来てくださった!皆の者!我らは助かったのじゃぞ!」
その様子を見た為永は、興奮した様子であった。
やがて幕府軍の援軍は志太連合軍に急接近。
継晴は馬上で為永に向けて声をかけた。
継晴
「為永殿よ、待たせたな。堀内軍の援軍に参った。共に志太軍を討伐致そうではないか。」
継晴は勇ましい表情であった。
両軍共に攻撃の準備は万端のようであり、今にも兵たちが堀内軍目掛けて襲いかからんばかりの勢いであった。
やがて本陣の祐藤が立ち上がり、手にした軍配を高く掲げた。
祐藤
「よし、攻撃を開始せよ!」
祐藤は軍配を堀内軍へと勢いよく振りかざして叫んだ。
かくして、志太軍と堀内軍との戦いが始まった。
祐藤
「まずは崇数と祐宗で堀内軍を挟み撃ちにいたせ。」
祐藤は崇数と祐宗を前線に出し、堀内軍を迎え討つように命じた。
主要とも言える武将を最初から戦わせる事で堀内軍を圧倒させようという狙いである。
崇数
「はっ、仰せの通りに。」
祐宗
「承知致しました。父上、拙者の戦いぶりを見ていてくだされ。」
崇数と祐宗はそう言うと祐宗の本陣から離れ、堀内軍の軍勢目掛けて兵を進めた。
両軍の兵たちは瞬く間に堀内軍を取り囲んでいた。
祐宗
「崇数殿、準備はよろしゅうございますかな?」
祐宗が崇数の軍勢に対して確認を取っていた。
崇数
「我が軍も攻撃の準備は万全にございます!」
祐宗の確認に対して崇数は大声でそう答えた。
祐宗
「よし、それでは共に攻撃を開始せよ!」
祐宗は馬上で刀を抜き、堀内軍へ向けて大きく振りかざして戦闘開始を促した。
勢いを増した兵たちの攻撃は一斉に堀内軍へと向けられた。
為永
「志太軍が本格的に攻撃を始めおったな。我々も遅れを取ってはならぬ。行くぞ!」
為永がそう言うと堀内軍の兵たちも戦闘態勢に入り、志太軍と堀内軍の両軍が入り乱れての戦闘が本格化された。
国米の地は、戦によって凄まじいほどの喧騒に包まれていった。
それからやがて一刻ほどの時が経った。
戦況は、志太軍が変わらずの優勢であった。
為永
「ぐっ、やはり我が軍は押されておるか…」
現状で志太軍と堀内軍の兵力は倍以上の差がある。
為永は、堀内軍が圧倒的に不利であるという事実を改めて知らされるのであった。
さらに堀内軍は崇数と祐宗の挟み撃ちによる猛攻を受け、多数の被害が出始めていた。
このまま戦況が進めば間違いなく堀内軍は壊滅するであろう。
堀内軍にとっては非常に危険な状態と言っても良い。
為永
「うぬぅ…継晴様からの援軍が来られればかような兵たちなど屁では無いのじゃがな…」
為永は幕府からの援軍を心待ちにしている様子であった。
援軍さえ来れば助かる。
もし、このまま援軍が来なければ…などという最悪の事態も頭をよぎったが、今はそのような事を考えるべきでは無いと為永は考えていた。
必ず幕府からの援軍は来る。
それまでは耐えるのみである。
と、自分自身にひたすら言い聞かせていた。
すると、三浦宮御所の方角からこの戦場に向けて近付いて来る軍勢が確認された。
その軍勢の中には、将軍 三浦継晴とその家臣 黒松義成の姿があった。
どうやら為永の祈りは叶ったようである。
為永
「おぉ、継晴様じゃ!継晴様が兵を連れて来てくださった!皆の者!我らは助かったのじゃぞ!」
その様子を見た為永は、興奮した様子であった。
やがて幕府軍の援軍は志太連合軍に急接近。
継晴は馬上で為永に向けて声をかけた。
継晴
「為永殿よ、待たせたな。堀内軍の援軍に参った。共に志太軍を討伐致そうではないか。」
継晴は勇ましい表情であった。
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