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第7章 天下分け目の大決戦編
09.国米の戦い(1)
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軍議の数日後、志太家は早々に兵を集めて国米の地に集結していた。
そしてその情報を素早く察知した幕府は、堀内家に対してこれを迎撃する事を命じた。
幕府からの主命を受けた為永は早急に陣触れを出し、志太軍の前に布陣。
たちまち両軍共に睨み合いとなった。
・国米の戦い
志太・口羽・大月連合軍 対 堀内軍
志太軍(総兵数 14,000人)
志太家総大将「志太 祐藤」
志太家武将「志太 祐宗」
志太家武将「志太 祐永」
計 6,000人
口羽軍
口羽家総大将「口羽 崇数」
口羽家武将「口羽 崇冬」
口羽家武将「大村 義道」
計 6,000人
大月軍
大月家総大将「大月 長包」
計 2,000人
堀内軍(総兵数 5,000人)
堀内家総大将「堀内 為永」
計 5,000人
崇数
「堀内軍の兵数は、ざっと五千人といったところですかな。兵数で勝る我が軍がこのまま押し切ってしまえば全軍は総崩れとなりましょうぞ。」
崇数は堀内軍の軍勢の数を見積もり、自軍が有利な状況である事を分析していた。
しかし、祐藤はそんな崇数の言葉を遮るように口を開いた。
祐藤
「いや、恐らくはこの後に幕府軍が援軍として参戦し、兵数は今よりは増えるであろう。皆の者よ、決して油断するでないぞ。」
幕府がこのまま黙って堀内軍を見殺しにするような真似をするであろうか。
必ず援軍を送り込むなどして志太軍を迎え討つ行動に出るであろう。
たとえ今の状況で志太軍が優勢と考える事は危険であると祐藤は考えていたようである。
祐宗
「さすれば、幕府軍の援軍がどれほどの数かによって戦況は変わりますな。我ら志太家の力がどこまで及ぶことやら…」
祐藤の言葉を聞いた祐宗は不安げな表情を浮かべていた。
するとその様子を見た祐藤がすかさず言う。
祐藤
「祐宗よ、そう弱気なことを申すでない。お前は儂の後を継ぐ者ぞ。もっと自信を持たれよ。」
祐宗
「はっ、拙者としたことが…申し訳ございませぬ。我が軍の力を信じましょう!」
祐藤の叱咤激励を受けた祐宗は我に返っていた。
やがて祐藤は手にした軍配を高く掲げ、開戦の合図を出そうとしていた。
しかしその時にふと何かを思いついたようであり、祐藤は掲げた軍配を下ろして長包に対して声をかけた。
祐藤
「そうじゃ長包よ、お主には後方守備を任せる。そこで伏兵がおらぬか儂らの後ろでしっかりと見張られるが良い。」
長包
「御意にございます。我が大月軍が祐藤様をお守り致しましょうぞ。」
祐藤は長包の軍勢に対して本陣の後方支援を命じた。
これは、三浦将軍家と縁戚であるが故に身内同士の戦いを極力避けさせようとした祐藤なりの配慮であったという。
一方、堀内軍は祐藤が率いる大軍を前に戦々恐々としていた。
為永
「むぅ…向こうは我が軍をも上回る兵数であるな…」
為永は自軍の倍以上はいるであろう志太軍の兵たちを見て圧倒されている様子だ。
為永
「志太家には何の恨みはござらぬが、こうなってしまった以上は仕方あるまい。」
堀内家は、代々が他国と波風を立てる事なく中立を保ち続けて無難に国を治めてきた。
しかし、その均衡が今まさに崩されようとしているのだ。
この想定外とも言える状況に為永は戸惑いの色を隠せなかったようである。
やがて為永は、目を大きく見開いて声をあげた。
為永
「継晴様からの援軍が到着するまでは何としても持ち堪えるのじゃ!!良いな?!」
間もなく国米の戦いが開戦しようとしている…
そしてその情報を素早く察知した幕府は、堀内家に対してこれを迎撃する事を命じた。
幕府からの主命を受けた為永は早急に陣触れを出し、志太軍の前に布陣。
たちまち両軍共に睨み合いとなった。
・国米の戦い
志太・口羽・大月連合軍 対 堀内軍
志太軍(総兵数 14,000人)
志太家総大将「志太 祐藤」
志太家武将「志太 祐宗」
志太家武将「志太 祐永」
計 6,000人
口羽軍
口羽家総大将「口羽 崇数」
口羽家武将「口羽 崇冬」
口羽家武将「大村 義道」
計 6,000人
大月軍
大月家総大将「大月 長包」
計 2,000人
堀内軍(総兵数 5,000人)
堀内家総大将「堀内 為永」
計 5,000人
崇数
「堀内軍の兵数は、ざっと五千人といったところですかな。兵数で勝る我が軍がこのまま押し切ってしまえば全軍は総崩れとなりましょうぞ。」
崇数は堀内軍の軍勢の数を見積もり、自軍が有利な状況である事を分析していた。
しかし、祐藤はそんな崇数の言葉を遮るように口を開いた。
祐藤
「いや、恐らくはこの後に幕府軍が援軍として参戦し、兵数は今よりは増えるであろう。皆の者よ、決して油断するでないぞ。」
幕府がこのまま黙って堀内軍を見殺しにするような真似をするであろうか。
必ず援軍を送り込むなどして志太軍を迎え討つ行動に出るであろう。
たとえ今の状況で志太軍が優勢と考える事は危険であると祐藤は考えていたようである。
祐宗
「さすれば、幕府軍の援軍がどれほどの数かによって戦況は変わりますな。我ら志太家の力がどこまで及ぶことやら…」
祐藤の言葉を聞いた祐宗は不安げな表情を浮かべていた。
するとその様子を見た祐藤がすかさず言う。
祐藤
「祐宗よ、そう弱気なことを申すでない。お前は儂の後を継ぐ者ぞ。もっと自信を持たれよ。」
祐宗
「はっ、拙者としたことが…申し訳ございませぬ。我が軍の力を信じましょう!」
祐藤の叱咤激励を受けた祐宗は我に返っていた。
やがて祐藤は手にした軍配を高く掲げ、開戦の合図を出そうとしていた。
しかしその時にふと何かを思いついたようであり、祐藤は掲げた軍配を下ろして長包に対して声をかけた。
祐藤
「そうじゃ長包よ、お主には後方守備を任せる。そこで伏兵がおらぬか儂らの後ろでしっかりと見張られるが良い。」
長包
「御意にございます。我が大月軍が祐藤様をお守り致しましょうぞ。」
祐藤は長包の軍勢に対して本陣の後方支援を命じた。
これは、三浦将軍家と縁戚であるが故に身内同士の戦いを極力避けさせようとした祐藤なりの配慮であったという。
一方、堀内軍は祐藤が率いる大軍を前に戦々恐々としていた。
為永
「むぅ…向こうは我が軍をも上回る兵数であるな…」
為永は自軍の倍以上はいるであろう志太軍の兵たちを見て圧倒されている様子だ。
為永
「志太家には何の恨みはござらぬが、こうなってしまった以上は仕方あるまい。」
堀内家は、代々が他国と波風を立てる事なく中立を保ち続けて無難に国を治めてきた。
しかし、その均衡が今まさに崩されようとしているのだ。
この想定外とも言える状況に為永は戸惑いの色を隠せなかったようである。
やがて為永は、目を大きく見開いて声をあげた。
為永
「継晴様からの援軍が到着するまでは何としても持ち堪えるのじゃ!!良いな?!」
間もなく国米の戦いが開戦しようとしている…
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https://samuramagosen.themedia.jp/
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