217 / 549
第6章 風雲志太家編
69.柳城攻め(16)
しおりを挟む
柳城では祐藤と崇数の軍勢が柊軍による攻撃に手を焼いていた 。
そんな中、二人の武将が軍勢を率いて志太軍と合流。
その二人の武将は、祐藤の嫡男である志太祐宗と庶子の志太祐永であった。
祐宗
「志太祐藤が嫡男、志太祐宗にござる。当家の危機をお救い致すべく駆け付けた次第にございます。」
祐永
「拙者は祐宗が弟、志太祐永にござる。我らがこの柊軍を蹴散らして見せましょう。」
二人は志太軍の前でそれぞれが口上を述べていた。
祐藤
「お前たちよ、よくぞ来てくれた。さぁさぁ、早うこの柳城を共に攻め落としに参ろうぞ。」
祐藤は援軍として軍勢に合流した祐宗と祐永を大歓迎していた。
合流した軍勢は、合わせて約2,000名ほどいたと言われている。
崇数
「これはこれは、何とも頼もしい援軍ではござらぬか。これほどの人数を持ってすれば柳城も落とせましょうぞ。」
崇数は、新たに増員した祐宗と祐永の率いる大勢の軍勢を見てそう言った。
兵たちは皆が活き活きした表情であり、まるで獲物を捕らえんとする獣のような闘争心を崇数は感じていた。
一方、天守では実幸がその様子に気付いていた。
実幸
「晴清様、どうやら志太軍に援軍が到着したようにございますぞ。何やら祐藤の子と申す者どもが兵を束ねておるようです。」
晴清
「何じゃと?援軍とな?えぇい、こざかしい奴らめ。貴様らが何人束になろうとも我が軍は一歩も退かぬぞ。」
晴清は実幸の報告を物ともせず、一貫して軍の士気を保つべくどっしりと構えている様子であった。
しかし、現状では籠城している柊軍の兵たちにも疲れの色が出始めている。
晴清自身が弱気な態度を見せれば軍の士気はたちまち下がるであろう。
そうした事もあってか晴清は表面では平静を保ってはいたが、内心は不安に感じているようであった。
やがて城外では祐永が口火を切るように口を開いた。
祐永
「では、早速ですが我らも参りましょう。兄者、ここはお先に行かせていただきますぞ。」
そう言うと祐永は果敢にも柊軍の兵たちに向けて突撃を開始した。
非常に恵まれた六尺五寸ほどもあろう体型に甲冑を纏ったその姿は、たいそう勇ましく見えた。
祐宗
「やれやれ、祐永は相変わらず勇敢な奴よのう。拙者も見習わねばならぬな。」
祐宗は間髪入れずに敵軍へ突撃する祐永を見てそう言った。
同時に、そんな勇猛果敢な祐永を祐宗は頼もしく思っていた。
祐藤
「よし、儂らも祐永の後に続くぞ!皆の者よ、遅れを取るでないぞ!」
祐藤の号令により、再び志太軍は柊軍への攻撃を開始した。
祐宗と祐永という援軍を得たおかげもあり、兵たちの士気は上昇していた。
やがて柊軍に押されていた志太軍は徐々に体勢を立て直し、ついには立場が逆転するまでに至った。
志太軍が柊軍を圧倒する形となり、次々と柳城の城内は志太軍の手に落ちていったのである。
実幸
「晴清様、我が軍が…我が軍が次々と志太軍の攻撃を受けておりますぞ。」
実幸は柊軍の兵たちが次々とやられていく様子に焦り始めていた。
晴清
「くそっ、真に根性の無き奴らめ。かくなる上は拙者らが直々に討って出て士気を立て直すのじゃ!」
晴清は最終手段として、総大将である自らが応戦すべく立ち上がった。
幸晴
「ははっ、拙者 柳幸晴も父上と共に戦いましょうぞ。」
晴清の嫡男である幸晴もそんな父を見て声を上げた。
だが戦の経験が皆無に等しい事もあってか、緊張の余りに幸晴の体は震えているようであった。
実幸
「承知致しました。ここは何としてでも我らで持ち堪えて志太軍を参らせましょうぞ。」
晴清
「志太軍との決着をつけるは今ぞ。者ども、突撃するのじゃ!」
三人は天守を飛び出して行った。
そんな中、二人の武将が軍勢を率いて志太軍と合流。
その二人の武将は、祐藤の嫡男である志太祐宗と庶子の志太祐永であった。
祐宗
「志太祐藤が嫡男、志太祐宗にござる。当家の危機をお救い致すべく駆け付けた次第にございます。」
祐永
「拙者は祐宗が弟、志太祐永にござる。我らがこの柊軍を蹴散らして見せましょう。」
二人は志太軍の前でそれぞれが口上を述べていた。
祐藤
「お前たちよ、よくぞ来てくれた。さぁさぁ、早うこの柳城を共に攻め落としに参ろうぞ。」
祐藤は援軍として軍勢に合流した祐宗と祐永を大歓迎していた。
合流した軍勢は、合わせて約2,000名ほどいたと言われている。
崇数
「これはこれは、何とも頼もしい援軍ではござらぬか。これほどの人数を持ってすれば柳城も落とせましょうぞ。」
崇数は、新たに増員した祐宗と祐永の率いる大勢の軍勢を見てそう言った。
兵たちは皆が活き活きした表情であり、まるで獲物を捕らえんとする獣のような闘争心を崇数は感じていた。
一方、天守では実幸がその様子に気付いていた。
実幸
「晴清様、どうやら志太軍に援軍が到着したようにございますぞ。何やら祐藤の子と申す者どもが兵を束ねておるようです。」
晴清
「何じゃと?援軍とな?えぇい、こざかしい奴らめ。貴様らが何人束になろうとも我が軍は一歩も退かぬぞ。」
晴清は実幸の報告を物ともせず、一貫して軍の士気を保つべくどっしりと構えている様子であった。
しかし、現状では籠城している柊軍の兵たちにも疲れの色が出始めている。
晴清自身が弱気な態度を見せれば軍の士気はたちまち下がるであろう。
そうした事もあってか晴清は表面では平静を保ってはいたが、内心は不安に感じているようであった。
やがて城外では祐永が口火を切るように口を開いた。
祐永
「では、早速ですが我らも参りましょう。兄者、ここはお先に行かせていただきますぞ。」
そう言うと祐永は果敢にも柊軍の兵たちに向けて突撃を開始した。
非常に恵まれた六尺五寸ほどもあろう体型に甲冑を纏ったその姿は、たいそう勇ましく見えた。
祐宗
「やれやれ、祐永は相変わらず勇敢な奴よのう。拙者も見習わねばならぬな。」
祐宗は間髪入れずに敵軍へ突撃する祐永を見てそう言った。
同時に、そんな勇猛果敢な祐永を祐宗は頼もしく思っていた。
祐藤
「よし、儂らも祐永の後に続くぞ!皆の者よ、遅れを取るでないぞ!」
祐藤の号令により、再び志太軍は柊軍への攻撃を開始した。
祐宗と祐永という援軍を得たおかげもあり、兵たちの士気は上昇していた。
やがて柊軍に押されていた志太軍は徐々に体勢を立て直し、ついには立場が逆転するまでに至った。
志太軍が柊軍を圧倒する形となり、次々と柳城の城内は志太軍の手に落ちていったのである。
実幸
「晴清様、我が軍が…我が軍が次々と志太軍の攻撃を受けておりますぞ。」
実幸は柊軍の兵たちが次々とやられていく様子に焦り始めていた。
晴清
「くそっ、真に根性の無き奴らめ。かくなる上は拙者らが直々に討って出て士気を立て直すのじゃ!」
晴清は最終手段として、総大将である自らが応戦すべく立ち上がった。
幸晴
「ははっ、拙者 柳幸晴も父上と共に戦いましょうぞ。」
晴清の嫡男である幸晴もそんな父を見て声を上げた。
だが戦の経験が皆無に等しい事もあってか、緊張の余りに幸晴の体は震えているようであった。
実幸
「承知致しました。ここは何としてでも我らで持ち堪えて志太軍を参らせましょうぞ。」
晴清
「志太軍との決着をつけるは今ぞ。者ども、突撃するのじゃ!」
三人は天守を飛び出して行った。
0
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
婚約破棄?貴方程度がわたくしと結婚出来ると本気で思ったの?
三条桜子
恋愛
王都に久しぶりにやって来た。楽しみにしていた舞踏会で突如、婚約破棄を突きつけられた。腕に女性を抱いてる。ん?その子、誰?わたくしがいじめたですって?わたくしなら、そんな平民殺しちゃうわ。ふふふ。ねえ?本気で貴方程度がわたくしと結婚出来ると思っていたの?可笑しい! ◎短いお話。文字数も少なく読みやすいかと思います。全6話。
イラスト/ノーコピーライトガール
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる