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第6章 風雲志太家編
63.柳城攻め(10)
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秋庭軍は必死の突撃によって木内政豊の陣に斬り込む事に成功。
家春らは軍勢の大将である政豊と顔を合わせる事となった。
政豊
「よくぞここまで辿り着けたものじゃな。敵ながら真に天晴であるぞ。」
政豊は、自身の構えた陣にまで辿り着いた家春らに対して称賛の声をあげていた。
家春
「木内政豊殿よ、我らといざ尋常に勝負致せ。」
家春は刀を抜き、刃を政豊に向けた。
政豊
「この木内政豊、お主らが束になっても敵では無いわ。我が首、取れるものなら取ってみるが良い。」
政豊は余裕げな表情で薄ら笑いを浮かべてそう言った。
こうして家春らと政豊との真剣勝負が始まった。
秋庭軍は大名の家春と家臣の晴正が直々に参戦しているのに対し、柊軍としては指揮官である政豊ただ一人の武将での応戦といった状況である。
この状況から見ても、秋庭軍が有利であろう。
誰もがそう思っていたが、それは違ったようである。
もちろん政豊一人が全ての秋庭軍の軍勢を相手にしたわけでは無く、部下たちも応戦していたのではあったが、それでも政豊は一人で数十人もの秋庭軍の兵たちを次々となぎ倒していったと言う。
盗賊出身の経験からか政豊は、一対多の戦いに非常に慣れていたようである。
政豊の圧倒的な強さがこの戦いにおいて全面的に出ていた。
一方、家春らは柊軍の攻撃を防ぎながらやっとの思いで政豊の陣まで辿り着いた事もあってか、皆が疲弊しきっている状態であった。
万全の体調では無かったという事も今回の戦況に大きく影響していたであろう。
やがて秋庭軍の軍勢の疲労が最高潮に達し、柊軍の攻撃を受けて次々とやられていった。
家春や晴正も政豊の攻撃を受けて負傷し、戦意は著しく低下。
反撃出来る気力は最早どこにも残っていなかった。
晴正
「ぐっ、つ…強い…木内政豊、真に恐るべし男にございますな…」
晴正は、政豊の尋常でない強さに参ってしまっている様子であった。
家春
「最早これまでか…拙者としたことが不覚でござった。皆の者よ、すまぬ…」
家春は、自身の采配を誤った事に対して後悔すると同時に、犠牲となった兵たちに対して申し訳無い様子であった。
政豊
「ふむ、もう少し楽しませてもらえるかと思ったのじゃがな。」
政豊は残念そうな表情を浮かべてそう言った。
さらにそうしていると政豊は家春らの前に立ち、二人を見下しながら言った。
政豊
「どうやらお別れの時が来たようじゃな。家春殿と晴正殿よ、何か言い残すことはござらぬかな。」
政豊は不気味な笑みを浮かべていた。
家春
「お主のようにこれほどにまで強き男がいるとはな。我らの完敗じゃ。こうなってしまえば仕方あるまい。早う斬って拙者を地獄でもどこでも送るが良い。」
家春は全てを諦めたような表情で政豊に向かってそう言った。
晴正
「家春様、拙者もお供いたしますぞ。例え行き先は地獄であろうとも、家春様のお側に仕えさせていただきとうございます。」
覚悟を決めた家春の様子を見て、晴正もまた潔い態度を見せていた。
政豊
「うむ、二人共良き覚悟じゃ。それではお望み通り、これよりお主らを地獄に送り届けてやろうぞ。」
政豊はギラギラと光った刀を家春らに向けてそう言った。
家春らは軍勢の大将である政豊と顔を合わせる事となった。
政豊
「よくぞここまで辿り着けたものじゃな。敵ながら真に天晴であるぞ。」
政豊は、自身の構えた陣にまで辿り着いた家春らに対して称賛の声をあげていた。
家春
「木内政豊殿よ、我らといざ尋常に勝負致せ。」
家春は刀を抜き、刃を政豊に向けた。
政豊
「この木内政豊、お主らが束になっても敵では無いわ。我が首、取れるものなら取ってみるが良い。」
政豊は余裕げな表情で薄ら笑いを浮かべてそう言った。
こうして家春らと政豊との真剣勝負が始まった。
秋庭軍は大名の家春と家臣の晴正が直々に参戦しているのに対し、柊軍としては指揮官である政豊ただ一人の武将での応戦といった状況である。
この状況から見ても、秋庭軍が有利であろう。
誰もがそう思っていたが、それは違ったようである。
もちろん政豊一人が全ての秋庭軍の軍勢を相手にしたわけでは無く、部下たちも応戦していたのではあったが、それでも政豊は一人で数十人もの秋庭軍の兵たちを次々となぎ倒していったと言う。
盗賊出身の経験からか政豊は、一対多の戦いに非常に慣れていたようである。
政豊の圧倒的な強さがこの戦いにおいて全面的に出ていた。
一方、家春らは柊軍の攻撃を防ぎながらやっとの思いで政豊の陣まで辿り着いた事もあってか、皆が疲弊しきっている状態であった。
万全の体調では無かったという事も今回の戦況に大きく影響していたであろう。
やがて秋庭軍の軍勢の疲労が最高潮に達し、柊軍の攻撃を受けて次々とやられていった。
家春や晴正も政豊の攻撃を受けて負傷し、戦意は著しく低下。
反撃出来る気力は最早どこにも残っていなかった。
晴正
「ぐっ、つ…強い…木内政豊、真に恐るべし男にございますな…」
晴正は、政豊の尋常でない強さに参ってしまっている様子であった。
家春
「最早これまでか…拙者としたことが不覚でござった。皆の者よ、すまぬ…」
家春は、自身の采配を誤った事に対して後悔すると同時に、犠牲となった兵たちに対して申し訳無い様子であった。
政豊
「ふむ、もう少し楽しませてもらえるかと思ったのじゃがな。」
政豊は残念そうな表情を浮かべてそう言った。
さらにそうしていると政豊は家春らの前に立ち、二人を見下しながら言った。
政豊
「どうやらお別れの時が来たようじゃな。家春殿と晴正殿よ、何か言い残すことはござらぬかな。」
政豊は不気味な笑みを浮かべていた。
家春
「お主のようにこれほどにまで強き男がいるとはな。我らの完敗じゃ。こうなってしまえば仕方あるまい。早う斬って拙者を地獄でもどこでも送るが良い。」
家春は全てを諦めたような表情で政豊に向かってそう言った。
晴正
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覚悟を決めた家春の様子を見て、晴正もまた潔い態度を見せていた。
政豊
「うむ、二人共良き覚悟じゃ。それではお望み通り、これよりお主らを地獄に送り届けてやろうぞ。」
政豊はギラギラと光った刀を家春らに向けてそう言った。
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