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第6章 風雲志太家編
44.柳城へと…
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時刻は夜になり、辺りは闇に包まれていた。
そんな中、宗重とその部下たちが工作を実行すべく柳城を目指していた。
宗重
「良いかお前たち、柳家は油断のならぬ相手故に気を抜くでないぞ。」
部下たちは皆真剣な顔つきで宗重からの忠告に耳を傾けていた 。
宗重の部下たちは年齢、性別を問わず老若男女が存在していた。
身寄りの無い子供から始まり、他家を追放された武士や、果ては世捨て人となった老人など、宗重はそんな彼らを引き取って忍者へと育て上げていたという。
この戦国の世の時代背景もあってか、一般的に忍者は上下関係が非常に厳しかったとされている。
その厳しさや、忍者の部下たちは任務を遂行させる為だけの道具にしか過ぎず、使い捨てされる運命にあるとまで言われるほどである。
宗重はこれらの思想を強く批判しており、部下たちを大事にしていたという。
この事は、過去からの事例にも顕著に見られていた。
宗重が村上家に所属していた時代に、徳葉城下において一揆が発生した。(徳葉一揆)
この騒ぎは、宗重の忍衆が前線に出て鎮圧にあたった。
しかし、その際に宗重らの軍勢が一度窮地に立たされて絶体絶命の戦況に陥りかけた事があった。
宗重は、我が身を犠牲にしてまで部下を守り通すという信念を貫き通し、毅然とした態度をとっていた。
それを見た部下たちは、互いに鼓舞し合って士気は上昇。
かくして一揆は宗重たちの手によって鎮圧させる事が出来たのである。
そのような事もあり、部下たちの宗重への信頼は非常に厚かったと言えよう。
宗重
「それとじゃな、祐藤様がお前たちを志太家の家臣として認めてくださったぞ。必ず全員、生きて帰って家臣としての務めを果たそうぞ。」
ーー 家臣
その言葉を聞いた部下たちは驚いた様子であった。
同時に、忍衆に所属している自身が志太家の家臣として認められたという喜びも湧き上がるように出ていた。
やがて宗重らは柳城に到着した。
宗重は部下たちの前に立ち、口を開いた。
宗重
「では、当初の作戦通りの工作を行う。拙者は幸盛のいる天守を目指す。お前たちは監獄での工作の準備に取り掛かるのじゃ。良いな。」
どうやら宗重は単身で柳城の天守を目指し、部下たちは監獄においての工作準備を行うようである。
宗重
「お前たちの健闘を拙者も祈っておるぞ。天守での工作が終われば拙者もお前たちと合流致す。では、また後ほど会おうぞ。」
そう言うと宗重は部下の前から素早く去り、天守を目指し始めていた。
そんな中、宗重とその部下たちが工作を実行すべく柳城を目指していた。
宗重
「良いかお前たち、柳家は油断のならぬ相手故に気を抜くでないぞ。」
部下たちは皆真剣な顔つきで宗重からの忠告に耳を傾けていた 。
宗重の部下たちは年齢、性別を問わず老若男女が存在していた。
身寄りの無い子供から始まり、他家を追放された武士や、果ては世捨て人となった老人など、宗重はそんな彼らを引き取って忍者へと育て上げていたという。
この戦国の世の時代背景もあってか、一般的に忍者は上下関係が非常に厳しかったとされている。
その厳しさや、忍者の部下たちは任務を遂行させる為だけの道具にしか過ぎず、使い捨てされる運命にあるとまで言われるほどである。
宗重はこれらの思想を強く批判しており、部下たちを大事にしていたという。
この事は、過去からの事例にも顕著に見られていた。
宗重が村上家に所属していた時代に、徳葉城下において一揆が発生した。(徳葉一揆)
この騒ぎは、宗重の忍衆が前線に出て鎮圧にあたった。
しかし、その際に宗重らの軍勢が一度窮地に立たされて絶体絶命の戦況に陥りかけた事があった。
宗重は、我が身を犠牲にしてまで部下を守り通すという信念を貫き通し、毅然とした態度をとっていた。
それを見た部下たちは、互いに鼓舞し合って士気は上昇。
かくして一揆は宗重たちの手によって鎮圧させる事が出来たのである。
そのような事もあり、部下たちの宗重への信頼は非常に厚かったと言えよう。
宗重
「それとじゃな、祐藤様がお前たちを志太家の家臣として認めてくださったぞ。必ず全員、生きて帰って家臣としての務めを果たそうぞ。」
ーー 家臣
その言葉を聞いた部下たちは驚いた様子であった。
同時に、忍衆に所属している自身が志太家の家臣として認められたという喜びも湧き上がるように出ていた。
やがて宗重らは柳城に到着した。
宗重は部下たちの前に立ち、口を開いた。
宗重
「では、当初の作戦通りの工作を行う。拙者は幸盛のいる天守を目指す。お前たちは監獄での工作の準備に取り掛かるのじゃ。良いな。」
どうやら宗重は単身で柳城の天守を目指し、部下たちは監獄においての工作準備を行うようである。
宗重
「お前たちの健闘を拙者も祈っておるぞ。天守での工作が終われば拙者もお前たちと合流致す。では、また後ほど会おうぞ。」
そう言うと宗重は部下の前から素早く去り、天守を目指し始めていた。
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