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第6章 風雲志太家編
42.工作成功
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宗重が行った柳家への工作は無事に成功。
その結果を聞いた祐藤は一安心した表情であった。
祐藤
「宗重よ、此度の柳家への工作の件、真にご苦労であった。」
宗重
「ははっ、拙者も何事も無く事が進みました故、安心致しました。」
宗重は、畏まった表情で祐藤の前に跪いていた。
祐藤
「これでひとまずは家春殿もご安心でござろう。さて、後は柳家への侵攻に向けての工作を残すのみじゃな。どうじゃ宗重よ、捗ってはおるのか。」
祐藤は柳家への本工作の進捗状況が気になっていた。
緊急で幸盛との接触を命じた為、恐らくこちらの工作は一旦は手を休めているであろう。
それ故に柳家の制圧時期は少し延びるであろうか。
これには何か策を練らねばならぬな、と祐藤はそう考えている様子であった。
しかし、宗重は顔を上げて自信げに言った。
宗重
「殿、工作は順調に進んでおります故にご安心くださいませ。拙者が幸盛との工作に注力している間、部下たちがしっかりと工作を進めて参りました。」
忍びを務める宗重の部下たちは非常に優秀であった。
その実力や、竹呉島の忍衆たちとも肩を並べるほどであったとも言われている。
宗重の忍びとしての実力も相まって、部下たちの能力も相当なものであったと言えよう。
この思いもよらぬ宗重の回答に祐藤は驚きの表情を見せた。
そしてすぐに綻んだ表情へと切り替わり、宗重に声をかけた。
祐藤
「ほう、お主の部下たちがか。それでは工作が成功した暁にはその者たちにも褒美を取らせる故、引き続き工作に注力致すが良い。」
宗重の報告を聞いた祐藤は、その部下たちに対しての感謝の念で胸が一杯になっていた。
しかも、それらを「褒美」という形のある物によって最大限の感謝の意を表す事を約束するとまで言わしめたのだ。
これには宗重も驚きの色を隠せなかった。
宗重
「ははっ、真に有り難きお言葉にございます。部下たちも喜びましょうぞ。拙者もかような部下たちを持った事を誇りに思います。」
宗重は、恐縮した様子で祐藤に頭を深く下げて感謝の言葉を述べていた。
祐藤
「うむ、良き事じゃ。宗重よ、その気持ちを決して忘れるでないぞ。お主の器量によってこれからの部下たちの力も大きく変わる。生かすも殺すもそれは宗重、お主次第じゃ。良く覚えておけ。これからもせいぜい励まれよ。」
良き部下を持った宗重は非常に幸せ者である。
部下の能力は、上の者の実力に比例すると考えていた祐藤は、宗重に対してさらなる飛躍を遂げて共に成長せよと激励の言葉を送った。
宗重
「ははっ、殿の仰せの通りこの宗重め、いかなる時も怠らずに日々精進して参る次第にございます。」
宗重の目は眩いほどに輝いていた。
その結果を聞いた祐藤は一安心した表情であった。
祐藤
「宗重よ、此度の柳家への工作の件、真にご苦労であった。」
宗重
「ははっ、拙者も何事も無く事が進みました故、安心致しました。」
宗重は、畏まった表情で祐藤の前に跪いていた。
祐藤
「これでひとまずは家春殿もご安心でござろう。さて、後は柳家への侵攻に向けての工作を残すのみじゃな。どうじゃ宗重よ、捗ってはおるのか。」
祐藤は柳家への本工作の進捗状況が気になっていた。
緊急で幸盛との接触を命じた為、恐らくこちらの工作は一旦は手を休めているであろう。
それ故に柳家の制圧時期は少し延びるであろうか。
これには何か策を練らねばならぬな、と祐藤はそう考えている様子であった。
しかし、宗重は顔を上げて自信げに言った。
宗重
「殿、工作は順調に進んでおります故にご安心くださいませ。拙者が幸盛との工作に注力している間、部下たちがしっかりと工作を進めて参りました。」
忍びを務める宗重の部下たちは非常に優秀であった。
その実力や、竹呉島の忍衆たちとも肩を並べるほどであったとも言われている。
宗重の忍びとしての実力も相まって、部下たちの能力も相当なものであったと言えよう。
この思いもよらぬ宗重の回答に祐藤は驚きの表情を見せた。
そしてすぐに綻んだ表情へと切り替わり、宗重に声をかけた。
祐藤
「ほう、お主の部下たちがか。それでは工作が成功した暁にはその者たちにも褒美を取らせる故、引き続き工作に注力致すが良い。」
宗重の報告を聞いた祐藤は、その部下たちに対しての感謝の念で胸が一杯になっていた。
しかも、それらを「褒美」という形のある物によって最大限の感謝の意を表す事を約束するとまで言わしめたのだ。
これには宗重も驚きの色を隠せなかった。
宗重
「ははっ、真に有り難きお言葉にございます。部下たちも喜びましょうぞ。拙者もかような部下たちを持った事を誇りに思います。」
宗重は、恐縮した様子で祐藤に頭を深く下げて感謝の言葉を述べていた。
祐藤
「うむ、良き事じゃ。宗重よ、その気持ちを決して忘れるでないぞ。お主の器量によってこれからの部下たちの力も大きく変わる。生かすも殺すもそれは宗重、お主次第じゃ。良く覚えておけ。これからもせいぜい励まれよ。」
良き部下を持った宗重は非常に幸せ者である。
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宗重
「ははっ、殿の仰せの通りこの宗重め、いかなる時も怠らずに日々精進して参る次第にございます。」
宗重の目は眩いほどに輝いていた。
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