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第6章 風雲志太家編
32.人質奪還計画(3)
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数日後、志太家は各国の大名家にお触れを出した。
その内容は先日に祐藤が話した通り、郷田家の討伐は志太家のみで行うというものだ。
お触れによって各国が我こそはと郷田家の討伐に名乗りを上げる者は誰としていなかった。
こうして郷田家が他国、特に柳家から攻められるというリスクは回避できたようである。
また、このお触れは将軍家にも周知をされた為、三浦将軍家もこのお触れを守らなければならなかった。
国を治める将軍家が将軍守護職という役職を持っているとは言え、数年前までは一介の小大名に過ぎなかった志太家の命令に従う事には抵抗を感じていたようである。
しかし、ここ数年の志太家による勢力拡大によって国力は急成長。
将軍家との国力差は大きく引き離されていた。
三浦将軍家は最早志太家の傀儡勢力に過ぎない存在に成り下がっていたのである。
更に今回の一件でその事が顕著に現れたと言えよう。
そして数日後、徳葉城の宮本宗重が志天城を訪れていた。
祐藤
「宗重よ、よくぞ遠路はるばると参った。長旅ご苦労であったな。」
祐藤は、労いの言葉を宗重にかけた。
宗重
「祐藤様から直々に主命がございますと聞かされた故、急いで参った次第にございます。して、どのような内容にございますか。」
宗重は恐縮した様子で祐藤に頭を下げてそう言った。
祐藤
「現在、当家が攻略目標としておる柳家に対しての工作活動をそなたに任せる。」
宗重
「なんと、拙者が此度の柳家に対して工作をですか。かような重大な任務を行うのであらば、竹呉島の実重殿の忍衆でなくてよろしいのでございますか。」
宗重は驚いた様子であった。
忍びの世界では竹呉島の忍衆が国内において有名であり、憧れの存在として崇められていたという。
宗重もまたそのうちの一人であり、自身は竹呉島の忍者と比べると遠く及ばないとすら感じていた。
それ故、祐藤によって攻略目標とする敵国相手に工作活動を行うという重大な主命を与えられるなど思っておらず寝耳に水であった。
祐藤
「此度の工作活動は、そなたが相応しいと儂は考えた結果じゃ。それに、そなたは幼少の頃より忍術の鍛錬に励んでおった聞く。その力、儂らに見せてみよ。」
祐藤は真剣な目つきで宗重に言った。
宗重
「祐藤様、それほどまでに拙者を買って頂けるとは、誠に有難きお話にございます。それならばこの宮本宗重、喜んでお引き受け致します。」
宗重は興奮した様子であった。
自身の実力が主君に認められたという事による嬉しさで胸が一杯になっていた。
祐藤
「うむ、良き返事じゃ。それではこれより工作内容について説明致そう。」
祐藤は宗重にこれから行う工作内容について説明を始めた。
その内容は先日に祐藤が話した通り、郷田家の討伐は志太家のみで行うというものだ。
お触れによって各国が我こそはと郷田家の討伐に名乗りを上げる者は誰としていなかった。
こうして郷田家が他国、特に柳家から攻められるというリスクは回避できたようである。
また、このお触れは将軍家にも周知をされた為、三浦将軍家もこのお触れを守らなければならなかった。
国を治める将軍家が将軍守護職という役職を持っているとは言え、数年前までは一介の小大名に過ぎなかった志太家の命令に従う事には抵抗を感じていたようである。
しかし、ここ数年の志太家による勢力拡大によって国力は急成長。
将軍家との国力差は大きく引き離されていた。
三浦将軍家は最早志太家の傀儡勢力に過ぎない存在に成り下がっていたのである。
更に今回の一件でその事が顕著に現れたと言えよう。
そして数日後、徳葉城の宮本宗重が志天城を訪れていた。
祐藤
「宗重よ、よくぞ遠路はるばると参った。長旅ご苦労であったな。」
祐藤は、労いの言葉を宗重にかけた。
宗重
「祐藤様から直々に主命がございますと聞かされた故、急いで参った次第にございます。して、どのような内容にございますか。」
宗重は恐縮した様子で祐藤に頭を下げてそう言った。
祐藤
「現在、当家が攻略目標としておる柳家に対しての工作活動をそなたに任せる。」
宗重
「なんと、拙者が此度の柳家に対して工作をですか。かような重大な任務を行うのであらば、竹呉島の実重殿の忍衆でなくてよろしいのでございますか。」
宗重は驚いた様子であった。
忍びの世界では竹呉島の忍衆が国内において有名であり、憧れの存在として崇められていたという。
宗重もまたそのうちの一人であり、自身は竹呉島の忍者と比べると遠く及ばないとすら感じていた。
それ故、祐藤によって攻略目標とする敵国相手に工作活動を行うという重大な主命を与えられるなど思っておらず寝耳に水であった。
祐藤
「此度の工作活動は、そなたが相応しいと儂は考えた結果じゃ。それに、そなたは幼少の頃より忍術の鍛錬に励んでおった聞く。その力、儂らに見せてみよ。」
祐藤は真剣な目つきで宗重に言った。
宗重
「祐藤様、それほどまでに拙者を買って頂けるとは、誠に有難きお話にございます。それならばこの宮本宗重、喜んでお引き受け致します。」
宗重は興奮した様子であった。
自身の実力が主君に認められたという事による嬉しさで胸が一杯になっていた。
祐藤
「うむ、良き返事じゃ。それではこれより工作内容について説明致そう。」
祐藤は宗重にこれから行う工作内容について説明を始めた。
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