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第6章 風雲志太家編
30.人質奪還計画(1)
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家春との会談が終わった祐藤らは立天野城を後にし、志天城へ帰還。
貞勝を含める家臣たちに家春との会談内容について説明し、次なる攻略目標を柳家と定めた。
志天城に戻った祐藤は、柳家との戦いに向けての策を家老である貞勝と練っていた。
初めに祐藤が何かを思い出したかのように口を開いた。
祐藤
「まずは幸盛に釘を刺しておかねばならぬな。貞勝よ、早々にお触れを出すが良い。」
祐藤は、将軍をはじめとする全国の大名家たちにお触れを出すように命じた。
その内容は、次のようなものであった。
①秋庭家への討伐は志太家のみが行うものとする
②志太家以外の者が秋庭家に対して攻撃を与える事を禁ずる
③お触れに反した大名家は、いかなる者であろうとも今後の討伐の対象とする
今回、攻撃を受けた志太家が直々に秋庭家に対しての討伐を行って面子を保とうとするという「見栄」を全面に押し出したような内容であった。
もちろんこのお触れは表向きであり、志太家は秋庭家に協力するという意向は変わらない。
柳家が傘下の秋庭家の不始末を対象するという声明を未然に防ぐためにもこのようなお触れを出す必要があったのだ。
貞勝
「承知致しました。では早速、各国に対してお触れをお出ししましょう。」
貞勝は祐藤に頭を下げてそう言った。
そして祐藤が続けて今後の策についてさらに口を開いた。
祐藤
「しかし、幸盛の目をこれで欺いたとしてどのようにして攻撃をけしかけようかのう。人質がおる以上は下手には動けぬ。家春殿が申すに柳城の監獄は相当な警備が敷かれておると聞く故、救出は人縄筋ではいかぬであろうな…。」
祐藤は眉間にしわを寄せた悩ましい表情であった。
お触れを出すことによって幸盛による秋庭家の攻撃を防げたとして、こちらから攻撃を加える事は現状では難しい。
柳城には大勢の秋庭家の人質がいるからである。
貞勝
「万に一つ、幸盛が人質を返すような事がござれば良いのですが…無理な話でしょうな。」
貞勝は現実的では無い他力本願とも言える意見を述べた。
しかし、貞勝のその言葉に祐藤は何かが閃いた様子であった。
祐藤
「貞勝よ、それじゃ。それを行えば人質は皆無事に家春殿の元に返してやれるぞ。」
祐藤は声を上げていた。
貞勝
「祐藤様、相手は極悪非道とも名高い幸盛でございますぞ。果たしてかような事をされますでしょうか。」
貞勝は、きょとんとした表情であった。
自分が放った見当違いとも言える意見に祐藤が食いついたのだから無理も無い。
祐藤
「なに、それにはこちらが少し工作行う必要があるが上手くいくであろう。」
祐藤は自身に満ちた表情でそう言った。
貞勝を含める家臣たちに家春との会談内容について説明し、次なる攻略目標を柳家と定めた。
志天城に戻った祐藤は、柳家との戦いに向けての策を家老である貞勝と練っていた。
初めに祐藤が何かを思い出したかのように口を開いた。
祐藤
「まずは幸盛に釘を刺しておかねばならぬな。貞勝よ、早々にお触れを出すが良い。」
祐藤は、将軍をはじめとする全国の大名家たちにお触れを出すように命じた。
その内容は、次のようなものであった。
①秋庭家への討伐は志太家のみが行うものとする
②志太家以外の者が秋庭家に対して攻撃を与える事を禁ずる
③お触れに反した大名家は、いかなる者であろうとも今後の討伐の対象とする
今回、攻撃を受けた志太家が直々に秋庭家に対しての討伐を行って面子を保とうとするという「見栄」を全面に押し出したような内容であった。
もちろんこのお触れは表向きであり、志太家は秋庭家に協力するという意向は変わらない。
柳家が傘下の秋庭家の不始末を対象するという声明を未然に防ぐためにもこのようなお触れを出す必要があったのだ。
貞勝
「承知致しました。では早速、各国に対してお触れをお出ししましょう。」
貞勝は祐藤に頭を下げてそう言った。
そして祐藤が続けて今後の策についてさらに口を開いた。
祐藤
「しかし、幸盛の目をこれで欺いたとしてどのようにして攻撃をけしかけようかのう。人質がおる以上は下手には動けぬ。家春殿が申すに柳城の監獄は相当な警備が敷かれておると聞く故、救出は人縄筋ではいかぬであろうな…。」
祐藤は眉間にしわを寄せた悩ましい表情であった。
お触れを出すことによって幸盛による秋庭家の攻撃を防げたとして、こちらから攻撃を加える事は現状では難しい。
柳城には大勢の秋庭家の人質がいるからである。
貞勝
「万に一つ、幸盛が人質を返すような事がござれば良いのですが…無理な話でしょうな。」
貞勝は現実的では無い他力本願とも言える意見を述べた。
しかし、貞勝のその言葉に祐藤は何かが閃いた様子であった。
祐藤
「貞勝よ、それじゃ。それを行えば人質は皆無事に家春殿の元に返してやれるぞ。」
祐藤は声を上げていた。
貞勝
「祐藤様、相手は極悪非道とも名高い幸盛でございますぞ。果たしてかような事をされますでしょうか。」
貞勝は、きょとんとした表情であった。
自分が放った見当違いとも言える意見に祐藤が食いついたのだから無理も無い。
祐藤
「なに、それにはこちらが少し工作行う必要があるが上手くいくであろう。」
祐藤は自身に満ちた表情でそう言った。
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