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第6章 風雲志太家編
25.方針決定の評定
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立天野の夜襲戦の翌日、祐藤は志天城に家臣たちを集めて緊急で評定が開かれた。
議題は今後の秋庭家に対する振る舞いをどのようにするかというものであった。
評定が開始してすぐさまに直胤が口を開いた。
直胤
「祐藤様、拙者は昨日の失態を取り戻したくございます。どうか拙者に秋庭家攻略の命を下してはいただけませぬでしょうか。」
直胤は食い気味に祐藤に言った。
祐藤
「と、まあ直胤殿は申してはおるがお主らはどのように考えておるかの。」
祐藤は家臣たちに問いかけていた。
すると、崇数と義道がこれに対して述べ始めた。
崇数
「直胤殿が必死になられるのは分かるが、今は感情が昂ぶられておる故に逆に秋庭家に足元をすくわれる恐れが十分にありまする。直胤殿よ、ここは我らにお任せ下され。」
義道
「俺も同じ崇数殿と同じ意見じゃな。ここは兄者や我らで秋庭家を攻略いたす故に直胤殿は一線を退いてもらわぬと危険じゃぞ。」
直胤は、ばつが悪そうな表情をしていた。
今回の件は、自身の不注意と怠慢さが引き起こした結果である。
まさに身から出た錆と言うべき事象に家臣たちが気を遣っている姿を見て直胤は申し訳ない気持ちで一杯であった。
そんな中、祐藤が家臣たちの前で口を開いた。
祐藤
「いかにも、今回の件の責任は郷田家にあろう。じゃが、それは同盟に限りなく近き関係を築いていた秋庭家の裏切りとも言える行為によって引き起こされた事でもあり、郷田家を一方的に責めるのも違うと儂は思っておる。そこで、秋庭家は何故我らを攻めるに至ったかの原因を知りたいのじゃがな。」
直胤
「それは…そうせざるを得られぬ理由があったと拙者たちが捕らえられた際に家春殿は確かに申されてはおりましたが、今思うに秋庭家が存続するうえで我らが邪魔になった故の方便では無いかと存じます。」
今回の戦は秋庭家が一方的に攻めて来た事に対して思い当たる事は無かったが、家臣たちが打倒秋庭家の色に染まっている様子を見てそう言わざるを得られなかったようだ。
祐藤
「うむ、それが真かどうかは我らが調べてみれば良い事よ。そこで儂が一度、家春殿と合って話を聞こうと思っておる。秋庭家を攻めるのはその時の返答次第で決めるのも遅くは無かろう。」
なんと、大胆にも祐藤は敵である秋庭家と直々に対談すると言った。
これには家臣たちも驚きの表情を隠せずにいた。
貞勝
「祐藤様、本気で申されておるのですか。もし、祐藤様の身に何か起これば志太家は今後どうされるおつもりですか。」
貞勝は祐藤に対して強い口調で言った。
あまりにも軽率とも思える祐藤の意見に誰もが反対している様子であった。
しかし祐藤はその意見を聞き入れる事無く、続いて家臣たちに次のように語りかけた。
祐藤
「そうなれば儂はそこまでの運命であったという事じゃ。かような事は遅かれ早かれ今後も必ず起こるであろう。危険を冒さずして天下は取れぬぞ。心配を致すでない。良いな。」
終始真剣な眼差しで強引に答える祐藤を見て、家臣たちは首を縦に振らざるを得なかった。
議題は今後の秋庭家に対する振る舞いをどのようにするかというものであった。
評定が開始してすぐさまに直胤が口を開いた。
直胤
「祐藤様、拙者は昨日の失態を取り戻したくございます。どうか拙者に秋庭家攻略の命を下してはいただけませぬでしょうか。」
直胤は食い気味に祐藤に言った。
祐藤
「と、まあ直胤殿は申してはおるがお主らはどのように考えておるかの。」
祐藤は家臣たちに問いかけていた。
すると、崇数と義道がこれに対して述べ始めた。
崇数
「直胤殿が必死になられるのは分かるが、今は感情が昂ぶられておる故に逆に秋庭家に足元をすくわれる恐れが十分にありまする。直胤殿よ、ここは我らにお任せ下され。」
義道
「俺も同じ崇数殿と同じ意見じゃな。ここは兄者や我らで秋庭家を攻略いたす故に直胤殿は一線を退いてもらわぬと危険じゃぞ。」
直胤は、ばつが悪そうな表情をしていた。
今回の件は、自身の不注意と怠慢さが引き起こした結果である。
まさに身から出た錆と言うべき事象に家臣たちが気を遣っている姿を見て直胤は申し訳ない気持ちで一杯であった。
そんな中、祐藤が家臣たちの前で口を開いた。
祐藤
「いかにも、今回の件の責任は郷田家にあろう。じゃが、それは同盟に限りなく近き関係を築いていた秋庭家の裏切りとも言える行為によって引き起こされた事でもあり、郷田家を一方的に責めるのも違うと儂は思っておる。そこで、秋庭家は何故我らを攻めるに至ったかの原因を知りたいのじゃがな。」
直胤
「それは…そうせざるを得られぬ理由があったと拙者たちが捕らえられた際に家春殿は確かに申されてはおりましたが、今思うに秋庭家が存続するうえで我らが邪魔になった故の方便では無いかと存じます。」
今回の戦は秋庭家が一方的に攻めて来た事に対して思い当たる事は無かったが、家臣たちが打倒秋庭家の色に染まっている様子を見てそう言わざるを得られなかったようだ。
祐藤
「うむ、それが真かどうかは我らが調べてみれば良い事よ。そこで儂が一度、家春殿と合って話を聞こうと思っておる。秋庭家を攻めるのはその時の返答次第で決めるのも遅くは無かろう。」
なんと、大胆にも祐藤は敵である秋庭家と直々に対談すると言った。
これには家臣たちも驚きの表情を隠せずにいた。
貞勝
「祐藤様、本気で申されておるのですか。もし、祐藤様の身に何か起これば志太家は今後どうされるおつもりですか。」
貞勝は祐藤に対して強い口調で言った。
あまりにも軽率とも思える祐藤の意見に誰もが反対している様子であった。
しかし祐藤はその意見を聞き入れる事無く、続いて家臣たちに次のように語りかけた。
祐藤
「そうなれば儂はそこまでの運命であったという事じゃ。かような事は遅かれ早かれ今後も必ず起こるであろう。危険を冒さずして天下は取れぬぞ。心配を致すでない。良いな。」
終始真剣な眼差しで強引に答える祐藤を見て、家臣たちは首を縦に振らざるを得なかった。
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