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第5章 祐藤の野望編
69.村上城攻め(9)
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村上城内において窮地に立たされていた崇数と貞道の軍勢に崇冬の軍勢が合流。
これにより、志太軍の士気は一気に向上していた。
崇数
「皆の者よ、今こそ志太軍の底力を見せつけてやる時である。遅れを取るでないぞ。」
そう崇数が言うと、軍勢は村上軍目掛けて一斉に突撃を開始した。
村上軍の兵たちは、志太軍の底知れぬ気合いに恐れおののいていた。
この状況を天守より見ていた長継は、動揺した様子で言った。
長継
「我が軍の作戦で志太軍を追い詰めたはずじゃろう。何を恐れる必要があるというのじゃ。」
村上軍による罠に陥れて追い詰めた志太軍が巻き返す様子に長継は苛立ちを隠せないでいた。
やがて形勢は逆転し、志太軍が優勢となった。
村上軍の兵たちの士気は著しく低下し、城内へ退避する者や投降する者などが現れ始めた。
貞道
「やりましたな、崇数殿。この調子で天守の長継を討ちに参りましょうぞ。」
崇数
「いや、その前に幸龍丸殿の救出を行わねばならぬ。長継の首はその後に頂こうではないか。」
興奮した様子であった貞道を遮って崇数は言った。
貞道
「おぉ、そうであった。じゃが、どこに捕らえられておるのか我らでは見当がつかぬな。」
幸龍丸。
謀叛の画策という無実の罪によって長継に処刑された康虎の嫡男であり、現在は村上城の地下牢に幽閉されているという。
しかし、地下牢の場所が志太軍には依然として掴めていない状況である。
救出するには城内をくまなく調べる必要があるが、この戦の中でそのような余裕があるだろうか。
崇数たちは頭を悩ませていた。
その時、先刻の戦いに敗れて志太軍に投降した一人の兵が口を開いた。
兵
「幸龍丸様は天守から離れた井戸の奥深くにおられます。拙者が案内致します故、ついて来てくだされ。」
兵の名は、吾助と言った。
・吾助(ごすけ)
村上軍足軽兵。
康虎直属の兵を束ねる足軽頭として戦で活躍する。
康虎の死後、足軽頭を解任されて長継の足軽兵となる 。
村上城攻めにおいて志太軍に敗れた後に投降した。
これにより、志太軍の士気は一気に向上していた。
崇数
「皆の者よ、今こそ志太軍の底力を見せつけてやる時である。遅れを取るでないぞ。」
そう崇数が言うと、軍勢は村上軍目掛けて一斉に突撃を開始した。
村上軍の兵たちは、志太軍の底知れぬ気合いに恐れおののいていた。
この状況を天守より見ていた長継は、動揺した様子で言った。
長継
「我が軍の作戦で志太軍を追い詰めたはずじゃろう。何を恐れる必要があるというのじゃ。」
村上軍による罠に陥れて追い詰めた志太軍が巻き返す様子に長継は苛立ちを隠せないでいた。
やがて形勢は逆転し、志太軍が優勢となった。
村上軍の兵たちの士気は著しく低下し、城内へ退避する者や投降する者などが現れ始めた。
貞道
「やりましたな、崇数殿。この調子で天守の長継を討ちに参りましょうぞ。」
崇数
「いや、その前に幸龍丸殿の救出を行わねばならぬ。長継の首はその後に頂こうではないか。」
興奮した様子であった貞道を遮って崇数は言った。
貞道
「おぉ、そうであった。じゃが、どこに捕らえられておるのか我らでは見当がつかぬな。」
幸龍丸。
謀叛の画策という無実の罪によって長継に処刑された康虎の嫡男であり、現在は村上城の地下牢に幽閉されているという。
しかし、地下牢の場所が志太軍には依然として掴めていない状況である。
救出するには城内をくまなく調べる必要があるが、この戦の中でそのような余裕があるだろうか。
崇数たちは頭を悩ませていた。
その時、先刻の戦いに敗れて志太軍に投降した一人の兵が口を開いた。
兵
「幸龍丸様は天守から離れた井戸の奥深くにおられます。拙者が案内致します故、ついて来てくだされ。」
兵の名は、吾助と言った。
・吾助(ごすけ)
村上軍足軽兵。
康虎直属の兵を束ねる足軽頭として戦で活躍する。
康虎の死後、足軽頭を解任されて長継の足軽兵となる 。
村上城攻めにおいて志太軍に敗れた後に投降した。
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