135 / 549
第5章 祐藤の野望編
68.村上城攻め(8)
しおりを挟む
村上軍による攻撃を受けて壊滅寸前であった崇数と貞道の軍勢に思いがけない救いの手が現れた。
崇数の嫡男で今回の村上城攻めで初陣を飾らんとする崇冬の援軍であった。
崇数
「崇冬、お前は祐藤様本隊の護衛に回っておるはずじゃろう。何故にここまで来たというのじゃ。」
崇数は、この場に崇冬がいるということに違和感を覚えている様子であった。
崇冬
「祐藤様からの命によって拙者が参った次第にございます。」
崇冬は堂々とした態度で答えた。
崇数
「では、祐藤様が直々に我らの軍勢に力添えするように命を受けたと申すのか。」
崇冬は今回の戦いが初陣であり、実戦での経験は全く無い。
その為、祐藤本隊の護衛を行うように祐藤本人が命令を下していた。
しかしその命令は撤回され、崇数らの軍勢への加勢を新たに命ぜられたというのだ。
崇数は、この朝令暮改とも言える祐藤の采配に対して理解できずにいた。
そこで貞道が口を開いた。
貞道
「どうやら祐藤様は崇冬殿のことを試しておったのじゃろう。軍師である崇数殿のご嫡男とあらば、たとえ初陣であったとしても任務を遂行できるであろうと考えておられたのではござらんか。」
志太家の軍師を務める崇数の嫡男の崇冬は、どれほどの器量の持ち主であるかを試す為、祐藤はそのような命令を下したのでは無いかと貞道は考えていた。
崇数
「なるほどな、儂ら親子はそこまで期待されておるということか。まことに有難き話じゃ。そうとあらば、その期待には何が何でも応えねばならぬな。崇冬よ、気を引き締めて参るぞ。」
崇数は、ぴしりと背筋を伸ばし直してそう言った。
崇数の嫡男で今回の村上城攻めで初陣を飾らんとする崇冬の援軍であった。
崇数
「崇冬、お前は祐藤様本隊の護衛に回っておるはずじゃろう。何故にここまで来たというのじゃ。」
崇数は、この場に崇冬がいるということに違和感を覚えている様子であった。
崇冬
「祐藤様からの命によって拙者が参った次第にございます。」
崇冬は堂々とした態度で答えた。
崇数
「では、祐藤様が直々に我らの軍勢に力添えするように命を受けたと申すのか。」
崇冬は今回の戦いが初陣であり、実戦での経験は全く無い。
その為、祐藤本隊の護衛を行うように祐藤本人が命令を下していた。
しかしその命令は撤回され、崇数らの軍勢への加勢を新たに命ぜられたというのだ。
崇数は、この朝令暮改とも言える祐藤の采配に対して理解できずにいた。
そこで貞道が口を開いた。
貞道
「どうやら祐藤様は崇冬殿のことを試しておったのじゃろう。軍師である崇数殿のご嫡男とあらば、たとえ初陣であったとしても任務を遂行できるであろうと考えておられたのではござらんか。」
志太家の軍師を務める崇数の嫡男の崇冬は、どれほどの器量の持ち主であるかを試す為、祐藤はそのような命令を下したのでは無いかと貞道は考えていた。
崇数
「なるほどな、儂ら親子はそこまで期待されておるということか。まことに有難き話じゃ。そうとあらば、その期待には何が何でも応えねばならぬな。崇冬よ、気を引き締めて参るぞ。」
崇数は、ぴしりと背筋を伸ばし直してそう言った。
0
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説
信長の秘書
たも吉
歴史・時代
右筆(ゆうひつ)。
それは、武家の秘書役を行う文官のことである。
文章の代筆が本来の職務であったが、時代が進むにつれて公文書や記録の作成などを行い、事務官僚としての役目を担うようになった。
この物語は、とある男が武家に右筆として仕官し、無自覚に主家を動かし、戦国乱世を生き抜く物語である。
などと格好つけてしまいましたが、実際はただのゆる~いお話です。
婚約破棄?貴方程度がわたくしと結婚出来ると本気で思ったの?
三条桜子
恋愛
王都に久しぶりにやって来た。楽しみにしていた舞踏会で突如、婚約破棄を突きつけられた。腕に女性を抱いてる。ん?その子、誰?わたくしがいじめたですって?わたくしなら、そんな平民殺しちゃうわ。ふふふ。ねえ?本気で貴方程度がわたくしと結婚出来ると思っていたの?可笑しい! ◎短いお話。文字数も少なく読みやすいかと思います。全6話。
イラスト/ノーコピーライトガール
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
歴史改変日記
佐村孫千(サムラ マゴセン)
SF
時代は22世紀の未来。
21世紀初頭に生まれたVR技術は目まぐるしい発展を遂げた。
その中でも歴史上の出来事が3Dホログラムの箱庭で鑑賞する事ができ、更に歴史の改変が思うがままに行えるというシミュレーションVR「歴史改変日記」が大ブームを巻き起こしていた。
この「歴史改変日記」を手にした歴史オタクの中学生 佐村大輝(さむら ひろき)は歴史改変を行い、彼が描く理想の歴史を造ろうとしていた。
無職ニートの俺は気が付くと聯合艦隊司令長官になっていた
中七七三
ファンタジー
■■アルファポリス 第1回歴史・時代小説大賞 読者賞受賞■■
無職ニートで軍ヲタの俺が太平洋戦争時の聯合艦隊司令長官となっていた。
これは、別次元から来た女神のせいだった。
その次元では日本が勝利していたのだった。
女神は、神国日本が負けた歴史の世界が許せない。
なぜか、俺を真珠湾攻撃直前の時代に転移させ、聯合艦隊司令長官にした。
軍ヲタ知識で、歴史をどーにかできるのか?
日本勝たせるなんて、無理ゲーじゃねと思いつつ、このままでは自分が死ぬ。
ブーゲンビルで機上戦死か、戦争終わって、戦犯で死刑だ。
この運命を回避するため、必死の戦いが始まった。
参考文献は、各話の最後に掲載しています。完結後に纏めようかと思います。
使用している地図・画像は自作か、ライセンスで再利用可のものを検索し使用しています。
表紙イラストは、ヤングマガジンで賞をとった方が画いたものです。
信濃の大空
ypaaaaaaa
歴史・時代
空母信濃、それは大和型3番艦として建造されたものの戦術の変化により空母に改装され、一度も戦わず沈んだ巨艦である。
そんな信濃がもし、マリアナ沖海戦に間に合っていたらその後はどうなっていただろう。
この小説はそんな妄想を書き綴ったものです!
前作同じく、こんなことがあったらいいなと思いながら読んでいただけると幸いです!
(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)
青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。
ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。
さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。
青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる