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第5章 祐藤の野望編

48.米村山の戦い(5)

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長継ら率いる村上軍は、米村山を目指して進軍を始めた。

長継
「この戦、お主が頼りじゃ。何としても志太軍を村上島より追い出すのじゃ。」

米村山までの道中で長継は、一人の武将に対して言った。

武将
「ははっ、この杉康虎、村上家の為に死力を尽くす覚悟にございます。」

・杉康虎(すぎ やすとら)
村上家参謀。
村上家初代当主である村上長龍の家臣の杉康親(すぎ やすちか)を祖とする。
杉氏は村上家の参謀として代々仕える譜代衆である。
長馬の代に杉家の家督を相続し、水軍の統制や信常の発明を奨励するなど村上の国力増強に貢献する。

やがて長継の兵は米村山の麓に布陣している志太軍の軍勢を発見した。

長継
「皆の者よ、村上軍の底力を今こそ志太軍に見せつけてやるのじゃ。」

そう長継が言うと村上軍は一斉に志太軍の本陣目掛けて兵を進めた。
志太軍の本陣には祐藤と義道が布陣しており、長継らの軍と戦闘態勢に入ろうとしていた。

長継
「拙者が村上家当主、村上長継である。当家が家臣、坂上元兵衛の援軍に村上城より参った。」

長継は、志太軍の本陣に向けて声を張り上げて叫んだ。

義道
「どうやら村上家ご当主のお出ましのじゃな。どれ、お手並み拝見といこうかな。」

義道は久々の戦場での戦いに張り切った様子であった。
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