架空戦国伝

佐村孫千(サムラ マゴセン)

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第5章 祐藤の野望編

01.家督相続の裏で

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志太家当主であった祐村が亡くなったことに伴い、家督は祐村の娘婿である祐藤が家督を相続した。

祐藤
「今日よりこの儂が志太家の当主となった。祐村様の果たせなかった天下統一を成し遂げる為には儂だけではなく皆の力が必要じゃ。これからもよろしく頼んだぞ。」

祐藤は堂々たる態度で家臣たちの前で言った。

そして祐藤が家督を相続した夜は盛大な宴が行われ、家臣たちは天下統一の決意を新たに一致団結するのであった。

しかし、今回の祐藤の家督相続に対して不満を抱く家臣がいた。
祐村の弟である志太祐信と家臣の東浦政景であった。

祐信は以前、祐村の世継ぎとして祐藤が任命された際に異を唱えようとしたが、家臣である政景に時期を待つように諭されていた。
祐村が亡くなった後に祐藤が家督を相続するまでは反旗を翻す動きを見せぬことを。
その時期がようやく訪れたのである。

政景は宴が終わると早々に祐信の元へ出向き、謀反の計画を立てようとしていた。

政景
「ようやく祐藤が家督を相続しましたな。まずは拙者が祐藤に居城を池山城に移すように説得いたします。」

政景は当初、新しい居城を築城するように提案するとあったが、白河家の居城であった池山城を改築する内容に変更をした。
理由としては、政景が池山城を調査の為に訪れたところ、抜け道が容易に作りやすい構造をしていることが判明したからだ。

祐信
「ほう、城作りの名手である政景がそう言うのであれば間違い無いな。ではよろしく頼んだぞよ。」

政景
「承知いたしました。祐信様が当主として君臨なされる為にもこの政景は粉骨砕身の覚悟でございます。」

二人は不敵な笑みを浮かべていた。
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