架空戦国伝

佐村孫千(サムラ マゴセン)

文字の大きさ
上 下
64 / 549
第4章 家督相続編

34.池山の戦い(3)

しおりを挟む
連合軍の猛攻に遭った白河軍は、総大将の広氏を先頭に池山城への退却を行い、籠城戦を開始した。

・現在の状況
志太・大月連合軍(総兵数8,000人)

白河軍(総兵数7,000人)

祐藤
「よしよし、籠城戦を始めたようじゃな。では白河軍が鉄砲を使用させるように仕向けるのじゃ。」

そう言うと祐藤は志太の軍勢を城の狭間から近い場所に移動させた。

広氏
「何じゃあの兵どもは。あれではまるで鉄砲で撃ってくださいと言わんばかりの配置ではないか。良かろう、お望み通り鉄砲をお見舞いしてやれ。」

広氏が鉄砲の発射命令を下した。

その瞬間、城内では激しい爆発が相次いで発生した。
原因は鉄砲の暴発によるものであり、凄まじい爆発によりかなりの死傷者が出たようである。

祐藤
「かかったな。城内の鉄砲を使えぬようにしておいたのじゃ。」

祐藤は、池山城の流言とは別に城内での備蓄していた鉄砲に泥を詰めて暴発させるよう忍に工作を行わせていたのである。
これにより白河家の士気は著しく低下した。

鉄砲という最後の望みを無くした白河軍は最早連合軍の敵では無かった。
混乱により戦意喪失した白河軍は連合軍のやられるがまま攻撃を受けて甚大な被害を受けていた。
そして兵たちが城門を壊し、突破しようとした時に崇数が祐藤に言った。

崇数
「祐藤殿、池山城への侵入は元家臣であった拙者にお任せくだされ。抜け穴など全ての設計は拙者が知り尽くしております故、広氏殿を必ずや討ち取りましょうぞ。」

崇数のあとに続いた連合軍勢は、池山城内の隅々まで侵入していき全ての逃げ場を埋め尽くしていった。
やがて白河軍では自害する者や連合軍に投降する者などが相次ぎ池山城が落城するのも時間の問題であった。

池山城内では、抜け道を使用して逃亡を図ろうとしていた広氏を連合軍が発見。
広氏は連合軍に捕らえらた後に処刑された。
白河軍との戦いは総大将である広氏の死により連合軍の勝利となったのである。
しおりを挟む
佐村孫千Webサイト
https://samuramagosen.themedia.jp/
感想 18

あなたにおすすめの小説

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

無職ニートの俺は気が付くと聯合艦隊司令長官になっていた

中七七三
ファンタジー
■■アルファポリス 第1回歴史・時代小説大賞 読者賞受賞■■ 無職ニートで軍ヲタの俺が太平洋戦争時の聯合艦隊司令長官となっていた。 これは、別次元から来た女神のせいだった。 その次元では日本が勝利していたのだった。 女神は、神国日本が負けた歴史の世界が許せない。 なぜか、俺を真珠湾攻撃直前の時代に転移させ、聯合艦隊司令長官にした。 軍ヲタ知識で、歴史をどーにかできるのか? 日本勝たせるなんて、無理ゲーじゃねと思いつつ、このままでは自分が死ぬ。 ブーゲンビルで機上戦死か、戦争終わって、戦犯で死刑だ。 この運命を回避するため、必死の戦いが始まった。 参考文献は、各話の最後に掲載しています。完結後に纏めようかと思います。 使用している地図・画像は自作か、ライセンスで再利用可のものを検索し使用しています。 表紙イラストは、ヤングマガジンで賞をとった方が画いたものです。

旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます

竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論 東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで… ※超注意書き※ 1.政治的な主張をする目的は一切ありません 2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります 3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です 4.そこら中に無茶苦茶が含まれています 5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません 6.カクヨムとマルチ投稿 以上をご理解の上でお読みください

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...