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第4章 家督相続編
24.同盟破棄
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祐村の命により祐藤と貞勝は池山城を訪れていた。
先日、広秀が死去したことにより家督相続した広氏と対談し、今後の同盟関係についての意向を確認する為であった。
二人は池山城に到着後、広氏のいる天守へ招かれた。
やがて六尺五寸もあろう体格の持ち主が現れた。
広氏
「拙者が白河家当主の広氏である。志太家の使者というのはお前たち二人か。して、用件は何であるか。」
広氏は横柄な態度で祐藤と貞勝に向かって言い放った。
弱冠16歳ということもあってか、世間知らずの部分もあるのだろうか口の聞き方が非常に悪いという印象を二人は持った。
祐藤
「先代の広秀殿には非常にお世話になった故、お悔やみの言葉を申し上げます。そして当主となられた広氏殿へのご挨拶も兼ねて本日は参らせて頂きました。」
祐藤は丁寧な言葉遣いで広氏に言った。
広氏
「おう、そうかそうか。親父の弔いに来たとはそれはご苦労なことだ。親父はお前たち志太家に良いように使われておったようじゃが拙者は違うぞよ。そこのところを良く知っておけ。分かったか。」
貞勝
「つまり、それは志太家に対して広氏殿は敵意を持たれているということでしょうか。」
広氏
「そう思われたのならそれで良い。いずれにせよ今後はお前たちの好きにはさせぬ。祐村殿にもそう伝えるが良い。」
こうして白河家との会談は終了し、事実上白河家との同盟関係が破棄されたのである。
先日、広秀が死去したことにより家督相続した広氏と対談し、今後の同盟関係についての意向を確認する為であった。
二人は池山城に到着後、広氏のいる天守へ招かれた。
やがて六尺五寸もあろう体格の持ち主が現れた。
広氏
「拙者が白河家当主の広氏である。志太家の使者というのはお前たち二人か。して、用件は何であるか。」
広氏は横柄な態度で祐藤と貞勝に向かって言い放った。
弱冠16歳ということもあってか、世間知らずの部分もあるのだろうか口の聞き方が非常に悪いという印象を二人は持った。
祐藤
「先代の広秀殿には非常にお世話になった故、お悔やみの言葉を申し上げます。そして当主となられた広氏殿へのご挨拶も兼ねて本日は参らせて頂きました。」
祐藤は丁寧な言葉遣いで広氏に言った。
広氏
「おう、そうかそうか。親父の弔いに来たとはそれはご苦労なことだ。親父はお前たち志太家に良いように使われておったようじゃが拙者は違うぞよ。そこのところを良く知っておけ。分かったか。」
貞勝
「つまり、それは志太家に対して広氏殿は敵意を持たれているということでしょうか。」
広氏
「そう思われたのならそれで良い。いずれにせよ今後はお前たちの好きにはさせぬ。祐村殿にもそう伝えるが良い。」
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