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第4章 家督相続編

15.第二次黒子の戦い(4)

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先刻の連合軍による城内の兵糧を備蓄していた蔵を全て焼き払われたことにより鳥居軍の士気は大幅に低下していた。
このまま籠城戦を続けたところで戦況は益々不利になると判断した景望は城から打って出ることを決断した。

背水の陣の構えで出撃した鳥居軍は次第に士気を取り戻していき、戦況は連合軍と互角にやり合えるかのように思えた。

祐村
「よし、ここで全軍鉄砲を構えよ。」

祐村の号令により、連合軍の砲撃が始まった。
今回は志太軍のみならず白河軍、大月軍の全兵士に志太九条式小型連射鉄砲を配備させており、鉄砲玉の雨が鳥居軍目掛けて降り注いだ。
これにより鳥居軍は取り戻しつつあった式が再び低下していき、逃亡する者や連合軍に投降する者などが相次いだ。
さらに前線で奮闘していた軍師の景孝は、鉄砲の砲弾を浴びたことにより討死にした。

景望
「ええい、怯むな怯むな。皆の者よ、何としても持ちこたえるのじゃ。」

黒子城では景望が叫び声をあげていたが混乱している兵たちの悲鳴でかき消されていった。

次第に連合軍は城内に侵入し、最後の本丸への侵入を残すのみとなった。

祐村
「いよいよ鳥居攻めも大詰めのようじゃな。皆の者よ、最後まで油断無きように全力を尽くそうぞ。」

連合軍の士気は益々激しく上がり、本丸への攻撃を開始した。
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