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第4章 家督相続編

05.侵略の大義名分

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祐村が出兵の準備に明け暮れている最中、祐藤は将軍家を訪れて祐晴に謁見した。
近日に鳥居領へ出兵する際の大義名分を得る為だ。
祐藤は次のように祐晴に伝えた。

①鳥居家は、周辺大名国への交渉には一切応じない姿勢である
②鳥居家領内では飢饉に備えて兵糧の備蓄が存在するが、自国でも十分の余裕はあっても他国が飢饉に陥った際にも協力する姿勢が全く見られない
③あくまで自国の富国強兵のみを考慮しており、着々と国力の増強に力を注いでいる
④このまま放置を続けるとやがては将軍家を乗っ取る脅威ともなりうる

など、半分脅しとも取れる内容で祐晴を納得させた。

祐晴
「よう分かった。このまま置いておっては脅威になるとは儂も考えてはおったのじゃ。悪しきと思われる芽は早めに摘むのが良かろう。討伐を許そうぞ。」

こうして将軍家公認で鳥居家への侵略の大義名分を得ることができたのである。

話が纏まった後、扇山城へ帰還する際に祐藤は一人つぶやいた。

祐藤
「しかしあの将軍家も今の代で終わるだろうな。乱世の世を終わらせるという覚悟が祐晴殿には全く見られぬ。これからは志太家、いや儂がこの乱世を終わらせてやろう。」

祐藤は天下統一の野望に燃えていた。
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