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第4章 家督相続編

02.密談

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宴の後、政景は祐信の屋敷を訪れた。

祐信
「政景よ、良い考えというのはどういうものじゃ。言うてみよ。」

政景は、以下のような計画を立てていた。

①祐村の死後に祐藤が当主になった後、居城を移すよう政景が提案する
②政景が棟梁となって新しい居城の築城を行うように仕向ける
③築城の際に、外から本丸への抜け道を極秘であらかじめ作っておく
④この抜け道の事を知っているのは祐信と政景の二人だけにする

これら計画が全て完了した時、祐信の軍勢を祐藤の居城へ攻め込ませるのだ。
そして、城攻めを行う兵たちにこの抜け道の存在を知らせて一気に本丸まで突入すればあとは本丸に構えている祐藤を討ち取るのみである。

祐信
「なるほどのう。しかし本当に上手くいくものか。それに今の志太家は領地が少ないゆえに新しい居城を作るというのはちと不自然ではないか。」

政景
「その点ですが、志太家がこれから周辺の城を奪って領地を拡大する必要がございます。祐信様、ここはひとつ今後の独立の為にもしばらくは祐藤殿に協力いたしましょう。」

祐信
「うむう、悔しいがお前の言う通りにするのがどうやら得策のようじゃの。致し方あるまい。」

こうして二人の密談は終了した。
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