架空戦国伝

第３章 立身出世編

03.志太家歓迎の宴

義藤は祐村と共に居城の扇山城に入城し、すぐさま家臣を集めて義藤を家臣に登用したことを報告した。

祐村
「本日より当家の家臣となった大村義藤じゃ。まだ右も左も分からぬ若造で苦労をかけるかも知れぬが皆よろしく頼むぞ。」

義藤は家臣たちと挨拶を交わし、領内では歓迎の宴が催された。
宴の中で義藤は家臣たちと交流を深めていくと同時に、自身の中でも出世して国を動かせるような存在になろうという野望が湧き上がってきたようである。

しかし、こういった強引な祐村の登用には疑問を抱く家臣も少なくはなかった。
祐村の家臣であり、軍師の松永国輝（まつなが くにてる）もそのうちの一人であった。

・松永国輝（まつなが くにてる）
志太家家臣。
元は領内で組織していた野党である松永党の頭であったが自身の力を試すべく志太家に士官し、採用される。
戦に関しての才能を数年間で発揮し、現在では軍師として志太家を支えている存在である。
ここ最近の祐村の政策や戦略の考えが国輝の考えと異なるため疑問を抱いており、義藤の登用に関しても消極的な態度を見せる。

国輝
「一体、上様は何を考えておるのじゃ。上様が強引な手を下して家臣に迎えたいほどの何かがこやつには有るのか。そうじゃ、次に会った時は奴を少し試してやろうじゃないか。」

酒を呑みながら少し意地悪な表情で国輝は言った。