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第2章 群雄割拠編

08.発明家登場

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村上家の領主である長馬には、野望があった。
領地を村上島だけではなく、本土を侵略してあわよくば天下を自分の物にしようと。
しかし三浦幕府が存在している以上、それを滅ばしたうえでは無いと実現できない。
直接、村上家が手を下さなくても勝手に幕府が滅びる方法は無いのだろうか、日々考えていた。

そんな中、家臣で発明家である九条信常が長馬に提案を持ちかけて来た。

・九条信常(くじょう のぶつね)
村上家家臣。
村上家お抱えの発明家でもある。
元は領内の商人であり、片手間で発明を行っていたところ長馬の先代である村上長虎(むらかみ ちょうこ)よりその才能を見出されて家臣として士官した。
革新的な農具の発明から兵器の発明など様々な発明品を排出し、村上家の国力増強を担っている。
また、信常の発明品は村上島より持ち出す事を固く禁じており、違反した場合は即日処刑という厳しい取り締まりを行っている為、国外の大名家はその発明品はおろか信常の存在すら知らない。

それは、兵器の発明を今まで以上に力を注いでそれを使用して一気に本土へ進出するというものだ。
それも幕府に対しての侵略ではなく、まずは将軍守護職である白河家を一気に制圧することで村上家が実力ある存在であることを幕府に知らしめるのだ。
そうすることで幕府も村上家を認めざるを得ない状態に持っていき、将軍守護職に就任する。
将軍守護職に就任すれば幕府からの支援も受ける事ができ、討伐という名目で他の大名家も滅ぼす。
大名家を滅ぼすとはあるが、実際には取り潰すことはせずに臣従を要求して傘下に収めるに留めておく。
傘下の大名家には、発明品を自由に使って良いというお触れを出すことで国力の増強を促す。
こうして傘下の領地を拡大化していくことで大名たちは村上家を支持するようになるであろう。
指示される大名家が増えることで現在の幕府の存在価値が疑われ始められた時には決戦をけしかける。
といった壮大な提案を信常は持ちかけてきた。

長馬
「面白い、では当家が天下を統一する為の第一歩の革新的な兵器の発明をまずはしてみよ。」

信常は翌日より屋敷に籠もり、発明作業に没頭するのであった。
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