1 / 4
プロローグ
しおりを挟む
昨夜は先日、世界の建築家たちがデザインや機能美などを競う世界大会で優勝して貰ったトロフィーを抱きしめながらお酒を飲み満足感に包まれながら寝た。
6時半にかけた目覚ましで目を覚まし身だしなみを整えたあと、もう日課となった近所の道端にある神像の掃除をする。
「見かけてからはずっとほぼ毎日手入れをしてるけど、どんな神様なんだろう……」
呟きながらも慣れた手つきで神像と自分で作った社を奇麗にする。
初めて見つけたときは苔に覆われ蔦を巻きはたから見ると少し大きな石が道路脇に置かれている様にしか見えない。17の夏休みに何故か引き寄せられる様に石が気になり掃除をしてみたら徐々に手足が見え始め奇麗にした時には神像だと分かりとりあえず一祈りしたのが謎の神像との出会いだった。
日課の掃除も終わり汗を拭う。
そろそろこの社も作り直そうかな……高校生の時に作ったにしては頑張ってるけど流石にあれから10年も経つし世界一にもなって仕事も増えそうだしその前につくるか。
「せんぱーい。そんなところでなにやってんですか」
部下の男が会社への迎えに来る。
「ああ……日課をちょっとな!荷物取ってくるからちょっと待っててくれ」
ご飯を食べ忘れてた事を思い出し出勤途中にコンビニにでも寄ってもらう事を決める。
「今日は早出だから迎えを頼んだのは先輩でしょ!急いでください遅刻しますよ」
ジャケットを羽織りゆっくり車に歩いてくる先輩をみてせかす。
「分かった分かったからそんな朝からガミガミ言わないでくれよ……まだ少し頭が痛いんだ」
昨日の飲みすぎによって若干の二日酔いを引きずっている事もあってせかされても急ぐ気になれず軽く謝りながら車に乗り込む。
「先輩は朝からこんな道端でなにしてたんですか?そんなに二日酔いが辛いならギリギリまで寝てたらいいでしょう」
小さな社を前にボーっとして立ってる先輩をみて気になって仕方がない。
「あれは俺が高校2年の夏に偶然見つけて社を造ったんだよ。それ以来朝の掃除や定期的なメンテナンスを出来るだけ欠かさずやってるんだ」
これだけ凝り性で飽き性なのに何でこれだけ継続して続けられているんだろう?
思わず考え込むが答えは出なさそうなので諦める。
「先輩の運が異常にいいのはそのおかげかもしれないですね。この間の大会でもトラブルが連発したのになんだかんだ解決できて上手くいきましたし」
資料の紛失やデータがバグったり飛行機が緊急点検により欠航になりかけたりと多くのトラブルをこなしながらフォローした先輩の世界大会を思い出して今でも身震いがする。一つでも掛け合わせが狂ったら参加すら出来なかった可能性すらあった。
「馬鹿か!それは運じゃねぇよ……お前のフォローと俺の実力があったからだろ。運と言えば予定の飛行機がギリギリで離陸できるようになったことくらいだ」
なんでこいつは自己評価がこんなに低いんだ?あれだけの事を乗り切ったんだもっと自慢してもいいくらいだろ。
そんな話をしていると眠気に襲われてきたので安全運転を頼み今日の仕事場まで仮眠をとることにした。
「ガハハハハハ……今日も、ウェっ……平和だなぁ。今日も掃除してくれてるぞアレク」
お酒の入った小さな壺を片手に地球を見下ろしながら掃除をしている護を肴に酒を飲みふける。
「ランドロス!仕事中に酒を飲むんじゃない。間違って酒壺を落としたらどうするんだ」
酔っぱらってる守護神ランドロスを呆れながらも注意する。
「そんな怒ることないだろう。俺は守護神だぞ……ウィッ……仕事はしてるさ。アレクお気に入りの護を見守ってるよ」
それにしても護は調子悪そうだが大丈夫なのか?創造神にばれないようにこっそりてをかせないものか?
「ランドロス、君が守る者は個人じゃなくて世界だろう……まぁ確かに護君は良くしてくれて嬉しいけどね。それにしても護君は相変わらず働き者だねぇ。ほとんど毎朝神像の手入れをしてくれて祈ってくれる……何もしてあげられないのが心苦しいくらいだよ」
ランドロスの奴何か考え込んでるみたいだけど護君に手を加えようなんてかんがえてないだろうな?
アレクは酔ったランドロスを怪しみ目を離さないよう心に決める。
「アレクも少し休憩にして飲もうぜ!」
ガハハハハハ!と笑いながらアレクを酒に誘う。
「確かに最近問題が続いて働きづめだし休憩するかな」
ランドロスは新しい酒壺をアレクに渡し護の出勤を見送る。
「それじゃあ良いつまみもあるし始めるぞ」
なんだかんだ言いつつアレクも休みたかったんだな。最近忙しそうだったし息抜きにはちょうどいいだろ。
「「かんぱーーーーい」」
壺が割れそうな勢いで二つの酒壺を当てて乾杯し車で眠った護をみて飲み始める。
6時半にかけた目覚ましで目を覚まし身だしなみを整えたあと、もう日課となった近所の道端にある神像の掃除をする。
「見かけてからはずっとほぼ毎日手入れをしてるけど、どんな神様なんだろう……」
呟きながらも慣れた手つきで神像と自分で作った社を奇麗にする。
初めて見つけたときは苔に覆われ蔦を巻きはたから見ると少し大きな石が道路脇に置かれている様にしか見えない。17の夏休みに何故か引き寄せられる様に石が気になり掃除をしてみたら徐々に手足が見え始め奇麗にした時には神像だと分かりとりあえず一祈りしたのが謎の神像との出会いだった。
日課の掃除も終わり汗を拭う。
そろそろこの社も作り直そうかな……高校生の時に作ったにしては頑張ってるけど流石にあれから10年も経つし世界一にもなって仕事も増えそうだしその前につくるか。
「せんぱーい。そんなところでなにやってんですか」
部下の男が会社への迎えに来る。
「ああ……日課をちょっとな!荷物取ってくるからちょっと待っててくれ」
ご飯を食べ忘れてた事を思い出し出勤途中にコンビニにでも寄ってもらう事を決める。
「今日は早出だから迎えを頼んだのは先輩でしょ!急いでください遅刻しますよ」
ジャケットを羽織りゆっくり車に歩いてくる先輩をみてせかす。
「分かった分かったからそんな朝からガミガミ言わないでくれよ……まだ少し頭が痛いんだ」
昨日の飲みすぎによって若干の二日酔いを引きずっている事もあってせかされても急ぐ気になれず軽く謝りながら車に乗り込む。
「先輩は朝からこんな道端でなにしてたんですか?そんなに二日酔いが辛いならギリギリまで寝てたらいいでしょう」
小さな社を前にボーっとして立ってる先輩をみて気になって仕方がない。
「あれは俺が高校2年の夏に偶然見つけて社を造ったんだよ。それ以来朝の掃除や定期的なメンテナンスを出来るだけ欠かさずやってるんだ」
これだけ凝り性で飽き性なのに何でこれだけ継続して続けられているんだろう?
思わず考え込むが答えは出なさそうなので諦める。
「先輩の運が異常にいいのはそのおかげかもしれないですね。この間の大会でもトラブルが連発したのになんだかんだ解決できて上手くいきましたし」
資料の紛失やデータがバグったり飛行機が緊急点検により欠航になりかけたりと多くのトラブルをこなしながらフォローした先輩の世界大会を思い出して今でも身震いがする。一つでも掛け合わせが狂ったら参加すら出来なかった可能性すらあった。
「馬鹿か!それは運じゃねぇよ……お前のフォローと俺の実力があったからだろ。運と言えば予定の飛行機がギリギリで離陸できるようになったことくらいだ」
なんでこいつは自己評価がこんなに低いんだ?あれだけの事を乗り切ったんだもっと自慢してもいいくらいだろ。
そんな話をしていると眠気に襲われてきたので安全運転を頼み今日の仕事場まで仮眠をとることにした。
「ガハハハハハ……今日も、ウェっ……平和だなぁ。今日も掃除してくれてるぞアレク」
お酒の入った小さな壺を片手に地球を見下ろしながら掃除をしている護を肴に酒を飲みふける。
「ランドロス!仕事中に酒を飲むんじゃない。間違って酒壺を落としたらどうするんだ」
酔っぱらってる守護神ランドロスを呆れながらも注意する。
「そんな怒ることないだろう。俺は守護神だぞ……ウィッ……仕事はしてるさ。アレクお気に入りの護を見守ってるよ」
それにしても護は調子悪そうだが大丈夫なのか?創造神にばれないようにこっそりてをかせないものか?
「ランドロス、君が守る者は個人じゃなくて世界だろう……まぁ確かに護君は良くしてくれて嬉しいけどね。それにしても護君は相変わらず働き者だねぇ。ほとんど毎朝神像の手入れをしてくれて祈ってくれる……何もしてあげられないのが心苦しいくらいだよ」
ランドロスの奴何か考え込んでるみたいだけど護君に手を加えようなんてかんがえてないだろうな?
アレクは酔ったランドロスを怪しみ目を離さないよう心に決める。
「アレクも少し休憩にして飲もうぜ!」
ガハハハハハ!と笑いながらアレクを酒に誘う。
「確かに最近問題が続いて働きづめだし休憩するかな」
ランドロスは新しい酒壺をアレクに渡し護の出勤を見送る。
「それじゃあ良いつまみもあるし始めるぞ」
なんだかんだ言いつつアレクも休みたかったんだな。最近忙しそうだったし息抜きにはちょうどいいだろ。
「「かんぱーーーーい」」
壺が割れそうな勢いで二つの酒壺を当てて乾杯し車で眠った護をみて飲み始める。
1
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

オタクな母娘が異世界転生しちゃいました
yanako
ファンタジー
中学生のオタクな娘とアラフィフオタク母が異世界転生しちゃいました。
二人合わせて読んだ異世界転生小説は一体何冊なのか!転生しちゃった世界は一体どの話なのか!
ごく普通の一般日本人が転生したら、どうなる?どうする?

転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします



ディープラーニングから始まる青魔道士の快進撃
平尾正和/ほーち
ファンタジー
魔物からの攻撃を受けて〈ラーニング〉することでのみ成長できる希少ジョブ【青魔道士】のラークは、実力不足を理由に自らパーティーを離脱した。
元メンバーの栄達を祈りつつ、ラーク自身はジョブチェンジができるレアアイテム『ジョブペディア』獲得を目指してダンジョンにこもる。
長く苦しい戦いの末ジョブペディアを手に入れたラークは、ジョブチェンジ自体には失敗したものの〈ディープラーニング〉という新たなスキルを得た。
学んだことから、新たな学びを得る。
そんな効果のある〈ディープラーニング〉を得たラークは飛躍的に強くなり、ここから彼の快進撃がはじまるのだった。
不遇職が覚醒して活躍する王道の物語です。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる