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大学で
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「運命のパンスト」
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大学生の夏休みのある日、陽介(ようすけ)は友人の洸太(こうた)から面白い話を聞いた。
「なあ、陽介。これ、知ってるか?『性転換パンスト』っていうパンストを履くと性別が変わるんだってよ!」
洸太は冗談半分で笑いながら、陽介に何かの広告を見せた。そこには「性別が一時的に変わる奇跡のパンスト!」と書かれた文字が躍っていた。
「嘘だろ?そんなのありえないよ」
陽介は苦笑したが、洸太は「面白そうじゃん?試してみろよ」とからかいながらパンストを渡してきた。
その夜、陽介はその話を思い出し、冗談半分でパンストを履いてみた。「まさか」と思いつつ、でもどこか好奇心にかられていたのだ。
パンストを履いた瞬間、体が急激に熱くなり、次の瞬間、鏡を見た陽介は自分の姿に驚愕した。彼は、目の前にいる美しい女性を見つめていた。長い髪、しなやかな体、細い腰。紛れもなく「自分」だが、女性の姿になっていたのだ。
「なんだ、これ……!」
戸惑いながらも、陽介は新しい自分の姿をしばらく観察し、何とか冷静さを取り戻した。「パンストを脱げば元に戻るはずだ」と思い、パンストを脱いでみると、確かに元の自分に戻った。
それから数日後、陽介は大学の帰り道で、ある女性と出会った。彼女は美月(みつき)という名前で、何か不思議なオーラをまとっていた。二人は偶然にも同じ道を歩くことが多くなり、次第に親しくなった。話をしてみると、彼女もまた「性転換パンスト」の話を知っているという。
「実は、私も試したことがあるの。パンストを履いたら、男になったのよ」
美月の言葉に、陽介は驚いた。自分と同じ経験をした人がいるなんて、思いもしなかったのだ。しかも、彼女はその「男の自分」で、陽介と同じ大学のキャンパスで出会ったことがあったという。
「もしかして……あの時の君が?」
お互いの記憶をたどるうちに、二人はその「異性の姿」で何度も出会っていたことが分かり、思わず笑い合った。
「なんだか運命みたいね」と美月が笑顔で言った。
それから、二人はますます親しくなり、いつしか付き合うようになった。性別が変わるという奇妙な体験を共有していることが、二人の絆を深めていった。
ある日、陽介は美月にプロポーズした。
「君といると、どんな自分でも幸せでいられる。僕と結婚してくれないか?」
美月は涙を浮かべながら頷いた。「もちろん。私も同じ気持ちよ」
二人は結婚し、性別がどう変わっても、お互いを愛し続けることを誓った。
結婚式の日、二人は小さな秘密を共有していた。それは、パンストをお守りとしていつも手元に置いていること。いつかまた、お互いの性別が変わるかもしれない。でも、二人にとってはそれが問題ではなかった。
性別が変わろうと変わるまいと、二人の絆は変わらないのだ。
---
**終わり**
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大学生の夏休みのある日、陽介(ようすけ)は友人の洸太(こうた)から面白い話を聞いた。
「なあ、陽介。これ、知ってるか?『性転換パンスト』っていうパンストを履くと性別が変わるんだってよ!」
洸太は冗談半分で笑いながら、陽介に何かの広告を見せた。そこには「性別が一時的に変わる奇跡のパンスト!」と書かれた文字が躍っていた。
「嘘だろ?そんなのありえないよ」
陽介は苦笑したが、洸太は「面白そうじゃん?試してみろよ」とからかいながらパンストを渡してきた。
その夜、陽介はその話を思い出し、冗談半分でパンストを履いてみた。「まさか」と思いつつ、でもどこか好奇心にかられていたのだ。
パンストを履いた瞬間、体が急激に熱くなり、次の瞬間、鏡を見た陽介は自分の姿に驚愕した。彼は、目の前にいる美しい女性を見つめていた。長い髪、しなやかな体、細い腰。紛れもなく「自分」だが、女性の姿になっていたのだ。
「なんだ、これ……!」
戸惑いながらも、陽介は新しい自分の姿をしばらく観察し、何とか冷静さを取り戻した。「パンストを脱げば元に戻るはずだ」と思い、パンストを脱いでみると、確かに元の自分に戻った。
それから数日後、陽介は大学の帰り道で、ある女性と出会った。彼女は美月(みつき)という名前で、何か不思議なオーラをまとっていた。二人は偶然にも同じ道を歩くことが多くなり、次第に親しくなった。話をしてみると、彼女もまた「性転換パンスト」の話を知っているという。
「実は、私も試したことがあるの。パンストを履いたら、男になったのよ」
美月の言葉に、陽介は驚いた。自分と同じ経験をした人がいるなんて、思いもしなかったのだ。しかも、彼女はその「男の自分」で、陽介と同じ大学のキャンパスで出会ったことがあったという。
「もしかして……あの時の君が?」
お互いの記憶をたどるうちに、二人はその「異性の姿」で何度も出会っていたことが分かり、思わず笑い合った。
「なんだか運命みたいね」と美月が笑顔で言った。
それから、二人はますます親しくなり、いつしか付き合うようになった。性別が変わるという奇妙な体験を共有していることが、二人の絆を深めていった。
ある日、陽介は美月にプロポーズした。
「君といると、どんな自分でも幸せでいられる。僕と結婚してくれないか?」
美月は涙を浮かべながら頷いた。「もちろん。私も同じ気持ちよ」
二人は結婚し、性別がどう変わっても、お互いを愛し続けることを誓った。
結婚式の日、二人は小さな秘密を共有していた。それは、パンストをお守りとしていつも手元に置いていること。いつかまた、お互いの性別が変わるかもしれない。でも、二人にとってはそれが問題ではなかった。
性別が変わろうと変わるまいと、二人の絆は変わらないのだ。
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**終わり**
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