性転換パンスト※学生編

廣瀬純七

文字の大きさ
7 / 7

大学で

しおりを挟む
「運命のパンスト」

---

大学生の夏休みのある日、陽介(ようすけ)は友人の洸太(こうた)から面白い話を聞いた。

「なあ、陽介。これ、知ってるか?『性転換パンスト』っていうパンストを履くと性別が変わるんだってよ!」

洸太は冗談半分で笑いながら、陽介に何かの広告を見せた。そこには「性別が一時的に変わる奇跡のパンスト!」と書かれた文字が躍っていた。

「嘘だろ?そんなのありえないよ」

陽介は苦笑したが、洸太は「面白そうじゃん?試してみろよ」とからかいながらパンストを渡してきた。

その夜、陽介はその話を思い出し、冗談半分でパンストを履いてみた。「まさか」と思いつつ、でもどこか好奇心にかられていたのだ。

パンストを履いた瞬間、体が急激に熱くなり、次の瞬間、鏡を見た陽介は自分の姿に驚愕した。彼は、目の前にいる美しい女性を見つめていた。長い髪、しなやかな体、細い腰。紛れもなく「自分」だが、女性の姿になっていたのだ。

「なんだ、これ……!」

戸惑いながらも、陽介は新しい自分の姿をしばらく観察し、何とか冷静さを取り戻した。「パンストを脱げば元に戻るはずだ」と思い、パンストを脱いでみると、確かに元の自分に戻った。

それから数日後、陽介は大学の帰り道で、ある女性と出会った。彼女は美月(みつき)という名前で、何か不思議なオーラをまとっていた。二人は偶然にも同じ道を歩くことが多くなり、次第に親しくなった。話をしてみると、彼女もまた「性転換パンスト」の話を知っているという。

「実は、私も試したことがあるの。パンストを履いたら、男になったのよ」

美月の言葉に、陽介は驚いた。自分と同じ経験をした人がいるなんて、思いもしなかったのだ。しかも、彼女はその「男の自分」で、陽介と同じ大学のキャンパスで出会ったことがあったという。

「もしかして……あの時の君が?」

お互いの記憶をたどるうちに、二人はその「異性の姿」で何度も出会っていたことが分かり、思わず笑い合った。

「なんだか運命みたいね」と美月が笑顔で言った。

それから、二人はますます親しくなり、いつしか付き合うようになった。性別が変わるという奇妙な体験を共有していることが、二人の絆を深めていった。

ある日、陽介は美月にプロポーズした。

「君といると、どんな自分でも幸せでいられる。僕と結婚してくれないか?」

美月は涙を浮かべながら頷いた。「もちろん。私も同じ気持ちよ」

二人は結婚し、性別がどう変わっても、お互いを愛し続けることを誓った。

結婚式の日、二人は小さな秘密を共有していた。それは、パンストをお守りとしていつも手元に置いていること。いつかまた、お互いの性別が変わるかもしれない。でも、二人にとってはそれが問題ではなかった。

性別が変わろうと変わるまいと、二人の絆は変わらないのだ。

---

**終わり**


しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

兄になった姉

廣瀬純七
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

BODY SWAP

廣瀬純七
大衆娯楽
ある日突然に体が入れ替わった純と拓也の話

兄の悪戯

廣瀬純七
大衆娯楽
悪戯好きな兄が弟と妹に催眠術をかける話

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

バーチャル女子高生

廣瀬純七
大衆娯楽
バーチャルの世界で女子高生になるサラリーマンの話

処理中です...