Gender Transform Cream

第二章

美優と菜々子

美優は鏡の中に映る、男性の姿に変化しつつある自分を凝視していた。額の輪郭が少し角ばり、目の形もどことなく力強さを帯びている。そして、声を試しに出してみると、少し低く、落ち着いたトーンに変わっていた。  

「これは…本当に夢じゃないのね。」  

そうつぶやいた瞬間、スマホが鳴った。ディスプレイには友人の菜々子の名前が表示されている。少し躊躇しながらも、電話に出ることにした。  

「もしもし、菜々子？」  
「美優！ちょっと助けて！さっきネットで頼んだ怪しいクリームが届いて、使ってみたら…なんか変なことが起きたの！」  

菜々子の声はいつもと違って、驚きと焦りに満ちていた。美優はぎょっとして、すぐに問いかける。  
「もしかして、それって『性転換クリーム』とか書かれてた？」  
「そう！どうして知ってるの？もしかして美優も…？」  

お互いの状況を話し合ううちに、どうやら菜々子も同じクリームを使い、性別が変わりかけていることが判明した。美優は深く息を吸い込むと、菜々子に会って話をするために彼女の家に向かうことを決めた。  

しかし、自分の変わった姿で外に出るのは一大決心だった。すでに声は低く、顔の特徴も男性らしさが強調されている。何を着ていけばいいのか？どう振る舞えばいいのか？  

彼女はクローゼットを開け、慎重に選んだ中性的なシャツとパンツを身に着ける。これなら目立たないだろうと自分に言い聞かせる。  

「よし、行こう。」  

家を出ると、予想以上に周囲の視線が気になる。近所の人とすれ違うたびに冷や汗が流れるが、誰も特に声をかけてこない。心の中で少しほっとしながら、菜々子の家に到着する。  

ドアをノックすると、中から開けたのはなんと、男性の姿になった菜々子だった。  

「美優…あなただったのね。」  
「菜々子、その姿…まるで別人みたい。」  

二人はリビングに座り、クリームについてじっくり話し始める。どうやらこれが普通の商品ではないことは明らかだった。さらに調べるため、ネットで情報を探していくと、クリームを製造している会社の名前と住所が見つかった。  

「直接そこに行って、話を聞くしかないわね。」  
「でも、このままの姿で？目立ちすぎるんじゃない？」  

二人は変化した自分たちの姿に戸惑いながらも、決意を固める。性転換クリームの謎を解明し、元の姿に戻る方法を見つけるため、二人の冒険が始まるのだった…。