性転換タイムマシーン

未来のプロポーズ

### 「彼女と未来」

大学生の悠真（ゆうま）は、研究室で実験好きの友人、拓海（たくみ）が開発したタイムマシンのテストに巻き込まれることになる。拓海は自分の開発したタイムマシンが異常な動作をして、なぜか時空を超えるたびに乗った人の性別が逆転してしまうバグがあることを最近発見した。

「まぁ、男に戻れるんなら別に大した問題じゃないでしょ？」と拓海は悪びれることなく笑うが、悠真は内心で不安を覚えた。しかし、好奇心に負け、友人に促されるまま、実験に参加することにした。

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**時空の彼方・数年後**

タイムマシンを使い、未来へと到着した悠真は驚愕する。そこには鏡に映ったことがない見知らぬ女性が立っていたのだ。

「……これが俺？」

自分の声が妙に高く、女らしい響きであることにまた驚く。見知らぬ女性になっていることに戸惑いながらも、どうにか未来の街へと足を踏み出した。見慣れたはずの景色もどこか違い、少し緊張して歩いていると、ふと人混みの中から一人の青年が彼に声をかけてきた。

「こんにちは、ひょっとして君も迷子かな？」

その青年の顔を見て悠真は凍りつく。それは、未来の自分に違いなかった。年齢を重ねた顔には落ち着きがあり、少し頼りがいのある雰囲気さえ漂っている。

「え、ええ……ちょっと道に迷っちゃって……」悠真は自分でも驚くくらい自然な演技をしてしまった。青年、つまり未来の自分は優しく微笑んで彼を導くようにしてカフェに誘った。

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**未来の自分とのデート**

未来の自分と二人きりでカフェで過ごすうちに、悠真は次第に心がときめくのを感じ始めた。未来の自分はとても魅力的で、彼が楽しそうに話す姿を見ると、なぜか胸が高鳴ってしまう。

「こんな風に気軽に話せる人、なかなかいなくてね……」未来の自分はそう言って彼女、つまり悠真の「今」の姿を見つめる。「君といると、なんだか心が落ち着くんだよ」

その言葉に、悠真は動揺しつつも不思議な安心感を覚えた。しかし、この関係がただの偶然であること、そして時間が来れば元の自分に戻ってしまうことも分かっている。名残惜しい気持ちを感じながら、悠真は自分の未来のことを少しずつ聞き出していった。恋人のこと、夢のこと、幸せだった瞬間の話──それはどれも悠真にとって刺激的な未来の可能性の話だった。

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**プロポーズ**

数時間が過ぎ、未来の自分がためらいがちに話し始めた。「君と、これからも一緒にいたいんだ。結婚しよう」

その言葉に、悠真の心は揺れた。なぜか涙が浮かんできて、けれどもどう答えていいのか分からない。

「でも……私、あなたの未来の人じゃないの。過去から来た、ただの訪問者で……」

未来の自分は困ったように笑い、悠真の手を優しく握った。「君が誰だろうと、俺は君に恋をしたんだ。未来も過去も関係ない。だから、いつかまた会えるなら、俺はそれを待ちたい」

悠真は目を閉じ、最後のキスをした。涙が流れるのを感じながらも、胸に深い幸福感が満ちていくのを感じた。

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**現在に戻ると**

タイムマシンの時間が来て、悠真は現代に戻った。体も元の自分の姿に戻っている。しかし、胸には彼と過ごした未来での思い出が残っていた。

拓海は戻ってきた悠真の顔を見て、ニヤリと笑う。「どうだった？未来は面白かった？」

悠真は苦笑しながら首を振る。「お前のバグのおかげで、すごい経験をしたよ。でも……ありがとう。最高のデートだった」

それ以来、悠真は未来の自分に再び会える日を心待ちにしながら、日々を少しずつ大切に生きるようになったのだった。