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真実の告白
しおりを挟む入れ替わりの秘密を抱えたままの葵と悠。しかし、鋭い観察力を持つ凛の存在が二人の心を重くしていた。凛は大切な親友だ。これ以上嘘をつき続けるのは辛いと、二人はようやく真実を伝える決心をする。
***
### 屋上での相談
放課後の屋上。心地よい風が吹く中、葵(悠の体)と悠(葵の体)は顔を見合わせて話し合っていた。
「凛には、もう隠しきれないよな。」
悠が先に切り出した。
「うん…。凛がずっと疑ってるのも分かるし、あんなに真剣な目で追及されると胸が痛くなる。」
葵は俯きながら言った。
「でも、これって普通の話じゃないんだぞ。信じてもらえるかな?」
「信じてもらえなかったら、それはそれで仕方ないよ。でも、凛なら…たぶん大丈夫だと思う。」
葵の言葉には確信があった。凛はどんな時でも真剣に話を聞いてくれる存在だったからだ。
悠はしばらく考え込んでから頷いた。
「よし。じゃあ、凛を呼んで話そう。今度こそ正直に。」
***
### 凛への告白
翌日、放課後の教室にて。凛を呼び出した二人は、緊張した面持ちで彼女を待っていた。やがて凛が現れると、葵が切り出した。
「凛、私たち、どうしても話さなきゃいけないことがあるの。」
「何よ、改まって。」
凛はいつものように鋭い目で二人を見つめたが、その視線の奥には親友を思う優しさがあった。
「実はね…私と悠、数ヶ月前から体が入れ替わってるの。」
葵が一気に話すと、凛の表情が一瞬硬直した。
「入れ替わってる…って、何それ?」
凛は半信半疑の様子だったが、悠が続けて説明した。
「信じられないのは分かる。でも、これが本当なんだ。最初はどうしてこんなことが起きたのか分からなかったけど、ある日突然、目が覚めたら入れ替わってたんだ。」
凛はしばらく黙ったまま二人の顔を見比べていたが、やがて深く息をついた。
「…本当なの?」
「本当だよ。最近の私たちが変だと思ってたでしょ?それは入れ替わってたからなの。」
葵は凛を真剣に見つめながら言った。
***
### 凛のリアクション
凛はしばらく沈黙した後、ふいに笑い出した。
「最初は冗談だと思ったけど…二人とも真剣な顔してるし、なんだか納得しちゃう。不思議だね。」
「えっ、信じてくれるの?」
悠は驚いて聞き返した。
「まあ、説明がつかないことが多すぎるし、これで合点がいくこともたくさんあるからね。でも、もっと早く言ってよ!」
凛は少し頬を膨らませたが、その表情には親友への信頼がにじんでいた。
「ごめんね。言えなくて。怖かったんだ…。」
葵が謝ると、凛は優しく微笑んだ。
「いいよ。でも、こんなことが起きてたなんて…びっくりだわ。でも面白そう!」
***
### 秘密を共有する安心感
凛は二人の秘密を共有することを喜んでくれた。
「でも、二人が入れ替わったままだと色々大変でしょ?何か手伝えることがあったら言ってね。」
「本当にありがとう、凛。正直、誰かに打ち明けるのは怖かったけど、やっぱりあんたなら信じてくれると思ってた。」
葵は安心した様子で言った。
悠も感謝の気持ちを伝えた。
「これからも色々相談させてくれよな。お前、やっぱ頼りになるよ。」
「任せときなさい!」
凛は力強く頷き、三人は笑い合った。
***
### 新たな日常の始まり
それからというもの、凛は二人の秘密をしっかり守りつつ、相談役として頼もしい存在となった。秘密を共有したことで、三人の絆はさらに深まっていく。
「やっぱり凛に話してよかったな。」
悠と葵はそう言い合いながら、奇妙な日常を支え合い、乗り越えていくのだった。
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