宇宙人へのレポート

夏休み

夏休みに入ると、大学の友人たちから「みんなで海に行こう！」という誘いがあり、直人と紗栄子も一緒に行くことに決まった。二人は互いの体のままで一緒に出かけるのは初めてのことだったので、楽しみながらも少し緊張を感じていた。

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**出発前のやり取り**

出発当日、紗栄子は自分の体になった直人からのメッセージを受け取った。

**直人**：「紗栄子、あの…君の水着選んでみたけど、どれがいいのかわからなくて…」

**紗栄子**：「え、そうだったの？おしゃれなビキニもあるけど、たぶんワンピースタイプの方が無難かな。日焼けも気になるし」

**直人**：「そうだな、なるほど…ありがとう！あと、日焼け止めの塗り方とかも教えてくれる？」

彼女の体になった直人が、細かい準備に戸惑っている様子が伝わり、紗栄子は思わず微笑んだ。

一方で、直人の体のまま海水浴に行くことにした紗栄子も、彼の水着にどれを選べばいいのか迷っていた。男性の水着を着るのは初めてだったので、トランクスの形を気にしたり、何を持って行けばいいかを細かく確認しながら支度を進めた。

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**海岸に到着**

海岸に着くと、青い海と白い砂浜が広がり、友人たちも大興奮で波打ち際に駆け出していった。紗栄子は、直人の体になった自分が少し日差しに当たると日焼けしやすいことを心配しつつも、普段の自分とは違った体で感じる海の雰囲気を楽しんでいた。

一方、直人は紗栄子の体のまま水着姿で周囲の友人たちと過ごすことに、最初は少し居心地の悪さを感じていた。しかし、紗栄子がアドバイスしてくれたおかげで何とか気を取り直し、友人たちとの会話を楽しむうちに緊張がほぐれていった。

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**波と遊ぶ二人**

午後、二人は一緒に波打ち際で遊ぶことにした。直人は「体が女性だと、思った以上に波にのまれやすい」と感じ、何度かバランスを崩しそうになりながらも、すぐそばで笑う紗栄子の姿に思わず笑みがこぼれた。

「思った以上に大変だな、これ」と直人が苦笑いを浮かべると、紗栄子は少し意地悪な笑みを見せて返した。

「でしょ？だから体を支える力とか、バランスって意外と大事なんだよ。今度は思いっきり泳いでみて！」

二人は波に負けないように泳ぎを試し、互いに違った視点での感覚を楽しんだ。紗栄子は直人の体で感じる力強さやスピードに驚きつつ、「自分とは違う性別の体で遊ぶって、こういうことなんだ…」と不思議な感覚を抱いていた。

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**夕暮れの砂浜**

日が傾くころ、二人は砂浜に腰を下ろし、夕暮れの海を眺めながらそれぞれの感想を話し合った。

「今日は色々と驚いたよ。体の違いで、海の遊び方や感じ方まで変わるんだな」と直人はしみじみとつぶやいた。

「うん、私も同じ。海で遊ぶのがこんなに新鮮だなんて思わなかった」と紗栄子も笑顔で答えた。

お互いの立場や体の違いを実感する中で、これまで気づかなかった小さなことに目を向け、相手への理解が少しずつ深まっていくのを感じた。

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**その夜のレポート**

帰宅後、直人と紗栄子は今日の体験について宇宙人にレポートを送るため、それぞれ感じたことを記録した。

**直人のレポート**：

> 今日は海水浴に行き、普段の生活では気づかない体の違いを強く実感しました。波にのまれやすさやバランスの取り方も異なり、体の性別によって感覚や遊び方が変わることがわかりました。

**紗栄子のレポート**：

> 男性の体で海を泳いでみたところ、力強さとスピードに驚きました。また、日焼け対策や服装についても異なる準備が必要だと感じました。これにより、互いの異なる生活習慣に対する理解が深まりました。

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こうして、また一つ「相手の体で過ごす新しい一日」が終わった。普段の生活とは少し違う夏の思い出が、二人の間に新たな絆として刻まれていくのだった。