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デート服、どうする?
しおりを挟む「ねえっ、デートに着ていく服はどうするの?」
玲奈先輩がニヤニヤしながら結衣の顔を覗き込んできた。
「えっ……服?」
「そうよ! 女の子にとってデートの服選びは大事なんだから!」
「で、でも……デートっていうか、その……ただの外出というか……。」
「何言ってるの! これは **デート** でしょ!」
玲奈先輩はバシッと結衣の肩を叩いた。
「だって、男の子から『週末、一緒に出かけない?』って誘われたんでしょ? それってもう、デート確定じゃない!」
「……うぅ、そういうものなんですか?」
結衣は戸惑いながらも、確かにそうかもしれないと思い始めていた。
**——でも、デートに着ていく服なんて、考えたこともなかった。**
普段の研修では会社指定のオフィスカジュアルを着ているし、寮では楽な部屋着ばかり。
「うーん……私、デートに着ていくような服、持ってないかも……。」
「やっぱりね! なら、私の服を貸してあげるわよ!」
玲奈先輩は自分の部屋へと勢いよく戻ると、クローゼットをガサゴソと漁り始めた。
「えっとねー、結衣ちゃんの雰囲気に合う服は……これかな?」
そう言って取り出したのは、**淡いピンクのワンピース**だった。
「……わ、可愛い……!」
思わず口に出てしまった。
「でしょ? これ、結衣ちゃんの清楚な感じにぴったりだと思うの!」
「でも……ちょっと女の子っぽすぎません?」
「何言ってるの! デートなんだから、ちょっとくらい可愛くしないと!」
玲奈先輩はワンピースを結衣の体に当てながら満足げに頷く。
「ほら、試着してみなさい!」
「えぇっ!? い、今ここで?」
「当たり前でしょ! どんな感じになるか見てあげるから!」
結衣は押し切られる形でワンピースを受け取り、しぶしぶ部屋の奥へ。
**——鏡の前で、そっと服を身につける。**
淡いピンクの生地がふんわりと体に馴染み、鏡に映る姿は……
**完全に「中村結衣」という一人の女性だった。**
「……なんか、本当に女の子みたい。」
自分のつぶやきにハッとする。
いや、今はもう「みたい」じゃなくて、本当に「中村結衣」なのだ。
**——バーチャルの世界に来てから、もうすっかり「女の子としての自分」に慣れてしまっている。**
「結衣ちゃーん、どう? 似合ってる?」
玲奈先輩の声に、結衣はゆっくりと扉を開けた。
「……ど、どうでしょうか?」
「……っ!!」
玲奈先輩の目がキラキラと輝く。
「めっちゃ可愛いじゃないの!! うんうん、それで決まりね!」
「そ、そうですか?」
「うん! これで木村君もイチコロよ!」
「ちょっ、そんなつもりじゃ……!」
結衣は慌てて否定するが、玲奈先輩はニヤニヤが止まらない。
「とにかく、この服で行きなさい! せっかくのデート、思いっきり楽しむのよ!」
玲奈先輩に背中を押され、結衣は思わず小さく頷いた。
**——こうして、バーチャルの世界での「初デート」の準備が整った。**
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