性転換が日常の社会

廣瀬純七

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性転換サプリ２

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**性転換サプリと私たちの大学生活**

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性転換サプリが世の中に広く普及してから、大学のキャンパスはかつてないほど多様な姿を見せていた。男性が女性になり、女性が男性になる。それはもはや珍しいことではなく、学生たちはそれぞれの理由でサプリを服用していた。

この物語は、そんなサプリを活用して大学生活を送る二人の学生、雄介（ゆうすけ）と理奈（りな）の物語だ。

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雄介は、自分の体に少し違和感を感じながら大学の門をくぐった。サプリを飲んでからまだ1時間も経っていないが、すでに体の変化が始まっていた。鏡を見れば、男だった自分の面影は消え、すっかり女性の姿に変わっている。

「今日は、『ユウカ』だな…」と、彼は自分を見つめながら思った。

大学に入学してから半年、雄介は性転換サプリを定期的に使ってきた。もともと興味本位で飲んでみたのがきっかけだったが、次第に自分を「ユウカ」として生活することに楽しさを見いだすようになっていた。男性としての自分と、女性としての自分、どちらもそれぞれに異なる体験や感覚があり、それを楽しんでいるのだ。

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一方、理奈はその逆だ。彼女も毎日、大学に来る前にサプリを飲んでいたが、彼女が飲むのは「女性から男性」へ変わるサプリだ。理奈は高校時代から自分が女性であることに違和感を感じていた。彼女はずっと男性として生活したいと考えていたが、性別の固定は社会の大きな壁だった。

「これを飲めば、理想の自分になれるんだ…」と初めてサプリを飲んだときの感動は、今でも鮮明に覚えている。

それ以来、理奈は大学では「リク」として生活している。男子の友達と一緒にサッカーをしたり、居酒屋で肩を組んで飲んだりすることも増えた。男性としての体や声に変わることは、彼女にとって解放感と共に、自分らしさを実感させるものだった。

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その日、キャンパス内のカフェで「ユウカ」と「リク」は偶然出会った。サプリの副作用なのか、二人ともその日は少し体調がすぐれず、カフェで一息つこうと思っていた。

「ん？…ユウカ？」
リクが声をかけると、ユウカは驚いたように顔を上げた。

「リク、こんなところで何してるの？」
ユウカもにっこりと笑って返した。二人は大学に入学してから何度か授業で顔を合わせていたが、ここまでプライベートで話すことは少なかった。

「ちょっと疲れてね。サプリ飲んでから、少し体に負担がかかる日もあるんだよ。」
リクはそう言いながら、コーヒーを一口飲んだ。

「わかる。私も今日はちょっと…ね。朝からずっと胸が重くて、歩くたびに違和感感じるんだ。」
ユウカは、自分の胸元に視線を落とし、ため息をついた。

性転換サプリは確かに便利だが、体が急激に変わるために、時折こうした違和感や副作用が現れることがある。特に、元々の体格が大きく異なる場合、その負担は大きくなるのだ。

「でも、サプリがあって本当に良かったよ。俺、大学でこうやって『リク』として生活できるの、今でも信じられないくらい嬉しいんだ。普通の男子と何も変わらないし。」
リクは感謝の気持ちを込めて話す。

「それ、わかる。私も『ユウカ』でいるとき、自分の知らなかった一面を見つけられるんだよね。男子としての生活ももちろん好きだけど、女子として過ごすのは本当に新鮮で楽しい。」
ユウカは笑顔で答えた。

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二人はその後も会話を続けた。リクは男性としての社会的な役割や友人関係に対する新たな発見を語り、ユウカは女性としての視点から見る世界の面白さについて話した。性別が異なることで経験することがこんなにも違うのか、と二人は互いの話に耳を傾けながら実感していった。

「でも、やっぱり悩みもあるよね。時々、どっちが本当の自分なのかわからなくなることがある。」
リクがふと真剣な表情でつぶやいた。

「うん、それはある。私も最近、どっちが『本当の私』なのか迷うことがあるんだよね。雄介として生きるのも、ユウカとして生きるのも、どちらも楽しいけど、どっちが本物なのか…って。」
ユウカも同じ思いを共有した。

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性転換サプリを使っていると、体だけでなく心の在り方にも影響を受ける。自分が男性である時と女性である時では、感じること、考えること、周囲との接し方が微妙に変わる。二人はその変化を楽しむ一方で、「本当の自分」という存在が曖昧になる感覚に悩むこともあった。

「でもさ、どっちも自分なんだよね。」
リクが微笑んで言った。

「確かに。雄介もユウカも、どっちも私だし、リクも理奈も、どっちもリクだ。」
ユウカもそう言いながら、肩の力を抜いて笑った。

二人はそれぞれ、自分の中にある多様な側面を認め合いながら、互いの存在を肯定し合った。性別がどう変わろうと、自分自身の核となる部分は変わらない。それが、二人がこのサプリを通じて得た大切な教訓だった。

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その後も、ユウカとリクは性転換サプリを使い続けながら、それぞれの大学生活を楽しんでいった。時にはユウカとして、時には雄介として。時にはリクとして、時には理奈として。彼らは、自分の中にある「複数の自分」を受け入れ、自由に生きていく道を選んだのだ。

この物語は、性別が変わることで新たな自分を見つけ、互いの違いを尊重し合う二人の友情の物語。サプリを飲むことで得られるのは、単なる外見の変化ではなく、内面の成長と自己発見だった。

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