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彼の決意
しおりを挟む雄大は、姉の体のままで彼女・咲と過ごす日々が増えるにつれ、彼の中で複雑な思いが募っていった。彼女が寂しさを隠しながらも「春菜さん」としての自分に少しずつ心を開いてくれているのがわかるが、そのたびに「自分は彼女に嘘をついているのではないか」という罪悪感に襲われるのだった。
ある日、雄大は春菜の体で福岡の街を歩きながら、ふと心の中で決意した。
「元の体に戻る方法を見つけ出すまで、どれだけ時間がかかっても諦めない。そして、必ず本当の俺として咲に会いに行くんだ」
この決意が固まると同時に、雄大は自身の技術不足を痛感し、専門家に助けを求めることを真剣に考え始めた。彼は姉の友人でITや機械工学に詳しい知り合いに相談することにしたのだ。
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**8章:姉の助け**
東京にいる春菜もまた、弟の生活に慣れつつありながら、彼の恋愛の悩みや彼女への思いを真剣に受け止めるようになっていた。そして、元の体に戻るための装置の修理に全力を尽くしながらも、彼女も少しずつ弟の決意に感化されていく。
「私も、もっとこの子の気持ちに応えてあげなきゃ。雄大が一生懸命なら、私だって本気でやってあげたい」
そう心に決めた春菜は、東京の大学の研究室にいる弟の友人たちと協力し、意識転送装置のバグを突き止めようと奮闘するのだった。
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**9章:咲への告白**
ある日、雄大はとうとう咲に真実を打ち明けようと決心した。彼女に本当の自分として接することができないもどかしさと、彼女の目の前で正体を隠し続ける罪悪感に耐えられなくなっていたからだ。
「咲、実は…話したいことがあるの」
彼女は驚きながらも真剣に耳を傾けてくれたが、雄大は言葉が出てこなかった。彼女の不安げな表情を見ると、どうしても「姉」としての役割から外れることができなかったのだ。
「…ごめんね。大したことじゃないの」と結局は言い訳してしまったが、雄大は心の中で強く決意した。
「次に会うときは、必ず本当の俺として…」
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**エピローグ:見え始めた光**
姉の協力、友人たちの知恵、そして雄大自身の努力が実を結び、ついに意識転送装置のバグを解決する糸口が見えてきた。まだ道のりは長いかもしれないが、雄大はもう諦めなかった。
そして、咲と再会するその日まで、彼は福岡での日々を大切に過ごし続けた。姉の体でしかできない経験を積み、彼女との関係も深めながら、彼は少しずつ「本当の自分」に自信を持てるようになっていったのだった。
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