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即席メイク講座
しおりを挟む修斗(莉奈の体)は会社に向かう準備をしていたが、鏡を見て手が止まった。
「えっと、これでいいのか…?」
目の前に映る莉奈の顔は、スッピンだった。鏡の中の顔は整ってはいるが、なんとなく物足りない。
「女子って出かける前はメイクするもんだろ?でも、どこから手をつけていいのか全然わからん。」
そこに修斗の体になった莉奈がやって来た。
「ちょっと待って、修斗。私の顔でスッピンで出社とか絶対ダメ!」
莉奈(修斗の体)は真剣な顔で言うと、化粧道具を持ってきた。
「座って、私がやるから。」
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#### **メイク開始!**
修斗は素直に椅子に座り、莉奈の指示に従うことにした。
「最初に化粧水つけるから目閉じて。」
「化粧水?そんなのいるのか?」
「いるの!肌の準備が大事なんだから。」
冷たい化粧水が肌に触れ、次に乳液が塗られる。
「こんなに丁寧にするのか…女子ってすごいな。」
次に下地をつけられ、ファンデーションが塗られると、修斗はつい笑ってしまった。
「これ、なんか顔に絵を描かれてる気分だな。」
「絵じゃない!これはテクニックなの!」
---
#### **眉毛とアイメイク**
莉奈は次に眉ペンを取り出した。
「眉毛は顔の印象を決める大事な部分なの。」
「え、眉毛なんて剃ってあるのにさらに描くのか?」
「剃ってあるから描くんだよ!」
慎重に眉毛を描き足し、アイシャドウを塗る。
「目を閉じて。はい、今度はマスカラね。」
「うわっ、なんかまつ毛が重たい気がする!」
「慣れれば気にならないって。」
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#### **仕上げと反応**
最後にチークとリップを塗り、莉奈は満足そうに手を止めた。
「よし、完成!」
修斗は鏡を覗き込んだ。そこにはいつもより少し大人びた、しっかりメイクの莉奈の顔が映っていた。
「…これ、すごいな。本当に変わるもんだな。」
「でしょ?これで会社でも恥ずかしくないわ。」
「まあ、ありがとな。でもさ、これ毎日やるのは大変すぎないか?」
莉奈は微笑んだ。
「だから女子は早起きして準備してるのよ。感謝してほしいくらい。」
修斗は苦笑いしながら、改めて女性の大変さを実感したのだった。
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