高校生とUFO

廣瀬純七

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実験への参加

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三日後の朝、カオルとリョウは再び見慣れない体で目を覚ました。奇妙なデジャヴを感じながら、二人とも心の中でこう思った。

「また…入れ替わってる?」

慌ててスマートフォンを手に取ったその瞬間、画面に見知らぬメッセージが表示されていた。差出人は不明で、メッセージにはこう書かれていた。

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**「我々の実験に参加していただきます。しばらくの間、あなた方の体は元に戻りません。」**

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そのメッセージを見た瞬間、カオルとリョウは凍りついた。昨夜のUFO体験と関係があるに違いないと思い、急いでお互いに連絡を取った。

「リョウ…これってどういうこと?」

「オレにも分からない。でも、あのUFOに何かされてるのは間違いないみたいだな。」

二人は学校へ向かい、早めに校舎の裏で会うことにした。そこで、もう一度メッセージを確認しながら話し合いを始めた。

「入れ替わったままでいろってこと?宇宙人の実験って一体何なんだろう…」カオルが不安げに言った。

「オレたちで何を試すつもりなんだろうな。けど、こうなった以上、冷静に考えて行動するしかない。」リョウはあえて冷静に言ったが、内心では戸惑っていた。

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その日から、二人はお互いの役割を果たす日々を送ることを余儀なくされた。カオルはリョウの体でスポーツや男子の会話に挑み、リョウはカオルの体で彼女の友人たちと話しながら、彼女の持ち前の礼儀正しさや思慮深さを理解しようとした。

数日が経ち、ある朝、カオルのスマホに再び謎のメッセージが届いた。

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**「我々の観察は順調に進んでいます。互いの心と体を理解することが実験の鍵です。理解が深まった時、戻れるかもしれません。」**

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そのメッセージを読んだカオルは、リョウと話し合うために彼を呼び出した。

「リョウ、宇宙人はお互いを理解することが実験の目的だって言ってる。…でも、どうやってそんなことを測るの?」

リョウは少し考え込んで、「たぶん、オレたちが本当に心の底から相手のことを理解できるようになるまで、戻さないってことかもな」と言った。

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それからさらに数週間が経ち、二人は日常生活の中で、お互いの持つ個性や強み、そして弱さを深く理解していった。カオルはリョウの意外と人を気遣う優しさに気づき、リョウはカオルが普段見せない不安や悩みを知るようになった。

ある日、カオルがリョウに向かってふと思いを打ち明けた。

「私、リョウの体で過ごしてみて、リョウが周りからどう見られているのかを実感した。あなたって、本当はみんなから信頼されてるんだね。気づかなかったけど。」

リョウもまた、カオルに素直に話した。

「オレも、カオルがどれだけ色んなことを気にして生きてるか、わかった気がする。いつも自分を抑えて、周りに気を使って…それがどれだけ大変なことか。」

二人は静かに頷き合った。その瞬間、スマホにまたメッセージが表示された。

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**「おめでとうございます。理解が深まりました。実験は完了です。」**

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それと同時に、青白い光が二人を包み込み、再び元の体に戻っていた。

元に戻った二人は顔を見合わせ、どこか照れ臭そうに笑った。

「結局、宇宙人には随分振り回されたけど、…悪い経験じゃなかったかもね。」

「だな。お互い、今までよりも理解できたし…もう入れ替わるのは勘弁だけどさ。」

二人はその後も、入れ替わりという不思議な体験を共有することで、誰よりも強い絆で結ばれていた。何があっても、お互いを支え合える、特別な関係を築いていくことになったのだった。
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