謎の生物

廣瀬純一

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翌朝の悲劇

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翌朝、翔太は悪夢から目を覚ました。昨夜の恐怖がまだ鮮明に心に残り、全身に冷たい汗をかいていた。姉の咲良が謎の生物に襲われ助けようと必死になったが、どうにもならなかった光景が何度も頭をよぎる。

「まさか、夢じゃないよな……」

翔太は自分にそう言い聞かせながら、ふと咲良の部屋の方に目をやった。もしかしたら、あの出来事はただの悪夢だったのかもしれない。しかし、胸の奥に不安が渦巻く。

意を決して、翔太は静かに咲良の部屋の扉を開けた。部屋は静まり返っていて、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる。咲良は布団に包まれて眠っているように見えたが、何かが違う。

「姉ちゃん……?」

そっと近づくと、咲良の肌が異様に青白く、体がわずかに震えているのに気づいた。翔太は急いで布団をめくる。すると、昨夜の光景が再び現れた。

「うそだろ……」

咲良の股間には謎の生物が張り付いていた。

「姉ちゃん! 起きて!」

翔太は必死に咲良を揺り起こしたが、彼女は目を開けることなく、弱々しい声で「翔太……また……取れない……」と呟くのみだった。顔は汗で濡れ、唇は青ざめていた。

「どうしてこんなことに……」翔太は混乱と恐怖に押しつぶされそうだった。昨夜、確かに謎の生物は消えたはずだ。しかし今、再び咲良の股間に張り付いて、彼女を弱らせている。

翔太は再度謎の生物を引き剥がそうと試みたが、昨夜と同様に全く取れない。むしろ、触れるたびにぬるりと動き、さらに体にしがみつくようだった。

「くそっ、どうすればいいんだ……!」


翔太は謎の生物がどこから来たのかを考えた。昨夜のバスルームもそうだが、どこかからわいて出てきたかのように現れ、咲良を襲っている。

「姉ちゃんをこんな目に遭わせるなんて……絶対に何とかする!」

翔太は決意を固め、まずは家の中に謎の生物が入り込む原因を突き止めようと、家の隅々を調べることにした。
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