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朝の初体験
しおりを挟む美咲は、ゆっくりと目を開けた。部屋に差し込む朝の光がまぶしい。なんとなく体が重く感じ、いつもと違う感覚に戸惑った。
「ん……?」
彼女は寝ぼけた頭で布団をどけた瞬間、驚愕した。そこには、自分の体ではないものがはっきりと存在していた。慌てて顔を覆う。
「え、え、なにこれ!?」
心臓がバクバクと脈打ち、パニックに陥る美咲。手で触れる感覚は明らかにいつもと違う。さらに、何かが下腹部で存在感を示していた。彼女はおそるおそる布団の中を確認する。
「これ……朝立ち?」
一瞬、時間が止まったかのようだった。これは男性特有の現象だと聞いてはいたが、まさか自分が体験することになるなんて思いもしなかった。美咲は体が入れ替わったことを思い出し、昨日の出来事がフラッシュバックする。
「まさか、本当に……男の体になってる?」
彼女は恐る恐る手を伸ばし、自分の体を確かめた。今まさに、体験している感覚はすべて新しいものだった。胸がなく、筋肉質な腕。下腹部には、どう対処すればいいか分からない状態のまま、異物が存在している。気持ち悪いわけではないが、どうしていいのか全くわからない。
「どうしよう、これって普通なの? 男の人って毎朝こんな感じなの?」
思考がまとまらないまま、美咲は少し動いてみたが、その動きが逆に刺激となり、さらに困惑した。
「や、やめて、落ち着いて……」
心の中で自分に言い聞かせるものの、これは自分の意思とは無関係に起きている現象だということがすぐに分かった。いつも冷静な美咲だが、この状況では完全にどうしていいのかわからなくなっていた。
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