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北山財閥
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英国で現地除隊した北山は直ちに起業。
武官時代の伝を使い人手不足になり操業停止となった英仏の工場を手に入れ日本や中国から労働者を入国させ生産を再開。
原料が不足するとアジアに工場の機材を移転して製造を行った。
大戦による物資不足もあり連合国から大量注文が入り、参戦国の融資もあって北山の会社は規模を拡大する。
大戦の中盤には既に巨大な財閥となり、終結時点で北山財閥は三菱、三井の次に位置するくらいの規模に拡大していた。
同時期に機関大尉の中島知久平も航空戦を見て、日本には航空機が必要と考え除隊し軍用機専門の民間航空機製造会社中島飛行機を作っており北山と並び賞される。
いや中島以上の器とされている。
川西からの資金繰りに困っていた中島に資金提供を行い中島飛行機を作らせたのは北山だった。そして、連合国の航空機のライセンス生産と納入の仕事を仲介し中島飛行機が躍進するきっかけを与えたのは北山だった。
戦後、その利益で借金を中島が返済し北山の元を離れても、北山は喜んだ。むしろ生産規模の拡大に悩む中島に援助、仕事の紹介をしたほどだ。
世界でも稀な軍用機専門の民間メーカーだった中島――日本で民間航空が発達していないため、北山が民間航空会社を作り、東京を中心に半島と南洋、中国本土への航空路を開設、満州事変後は満州への航空路を開発。
当初こそ海外からの輸入期だったが航空路が発達するにつれ使用機材を中島に開発発注し中島飛行機に民間機開発力を与え収入源をもたらした事は、北山の功績と人柄を現し特筆すべき事だろう。
その器と才能の大きさで北山と会社は戦後不況も海外投資で活路を見いだし、どこから手を回したのかソ連成立後、オハの原油、マガダンの金を取り扱いソ連に機会の輸出を行う。
世界恐慌が起きたときには、アメリカの倒産した企業から工作機械を買いあさり、日本や後には満州に作った工場へ輸出し現地で生産に活用した。
満州国建国後は、工業化に尽力し、満州国を一大工業国に仕立て上げた。
その手腕は見事であり、閣僚に推薦され入閣。
日中戦争後開始後は企画院に入り軍備増産に尽力、日本のラテナウと呼ばれた。
また広大な中国大陸を支配するには兵力が生産力が足りないと見抜き政府に早期和平を進言。
だが近衛が却下すると、生産力が足りないことを見越して早期の戦時体制に入るよう提案。
これも国民生活の困窮、同時に支持率低下をうれいた近衛によって一度は黙殺される。
だが、戦争の長期化で戦場での物資不足に悩んだ陸軍が強固に軍需品増産を要求したため、近衛は認めざるを得なくなり国家総動員法を制定し施行。
北山は内閣における実質的な生産調達の責任者となり、日本の総動員態勢を作り出し、兵站事情を物資供給を改善させた。
だが、歯に衣着せない発言が多く、度々、時の総理と衝突、内閣を放逐される事があった。
それでも再度入閣されたのは実務能力が優れていたからだ。
各企業の足りない生産力を北山の会社がライセンス生産することで補った。
徹底した省力化と納期短縮で値段を抑え、短期間で納入し戦争に必要な武器弾薬食料消耗品、船舶、航空機、自動車を与え続けた。
唯一独自に開発、生産したのが電探などの電波装備だった。
日露戦争で信濃丸などが装備した通信機器の成果と、生産における発注、生産状況、輸送において通信技術の重要性、通信態勢の必要性を北山は痛感した。
日本でこの分野が貧弱で注目されていないため自社開発を進め出来る限り通信網の充実に務めた。
八木、宇田両技師の発明した八木宇田アンテナにいち早く注目し採用。
無線機や航空航路誘導用電波標識、船舶用電波探知機などを開発し電波産業を育成した。
日中戦争が始まってからは軍向けの装備、部品の生産に尽力したが、占領地向けの商品屋事業も行った。
特に占領地の産業育成、不安定な雇用状況を改善し、製品が作られることによって物質的に豊かになり、匪賊へ身を寄せる民衆が少なくなり、汪兆銘政権が安定したのは北山の功績だった。
太平洋戦争開戦後、北山は更に活躍。
南方の占領地で中国同じ事を行い生産力と民心安定を実現。
軍事占領を望む軍部に抵抗し、東條総理から幾度もクビを宣告された。
だが、北山を追い出した軍部の幹部もしくは大陸浪人――中国大陸周辺であらゆる政治活動を行う日本人の一群が現地企業に乗り込むと大和魂を振りかざし経営を混乱させ、途端に生産力が激減。
現地軍が物資不足で困窮し、大本営に抗議する事態が多発した。
彼らが怒鳴っても現地会社の生産力が回復することは無く、物資の供給が滞り、雇用している現地住民の不満が増大する羽目になる。
こうなると困るのは北山の生産力をあてにしていた軍部で、作戦準備に支障を来すことになる。
さらに大東亜共栄圏、欧米からのアジア解放を提唱した手前、参加国の不満が増大するのは避けなければならなかった。
本来ならお題目であったはずが、北山の強力な実行力により、現地に会社と工場を立ち上げ事業を行い、現地の雇用と生産力を増大させたため、内実を伴った政策になった事も、皮肉なことに、北山の立場を強化し、東條内閣さえ無視出来なくなった。。
結果、陸軍内から北山復帰論が力強く望まれる事態となり、やむなく東條は北山を内閣に連れ戻し、より強い権限を与えて生産力を回復させる。
生産力を向上させても権限を拡大した北山を目障りに思う勢力が再び現れ、辞任要求を求める運動が起きる。
そして追放して、生産が下がり、再び北山が強い権限を持って戻ってくる。
その繰り返しだった。
結局、北山がいなければ日本がここまで戦えはしなかった。
絶望的と言えた日米戦をここまで戦い抜けるように物資を供給してきた人物、北山が、佐久田の目の前に現れた。
武官時代の伝を使い人手不足になり操業停止となった英仏の工場を手に入れ日本や中国から労働者を入国させ生産を再開。
原料が不足するとアジアに工場の機材を移転して製造を行った。
大戦による物資不足もあり連合国から大量注文が入り、参戦国の融資もあって北山の会社は規模を拡大する。
大戦の中盤には既に巨大な財閥となり、終結時点で北山財閥は三菱、三井の次に位置するくらいの規模に拡大していた。
同時期に機関大尉の中島知久平も航空戦を見て、日本には航空機が必要と考え除隊し軍用機専門の民間航空機製造会社中島飛行機を作っており北山と並び賞される。
いや中島以上の器とされている。
川西からの資金繰りに困っていた中島に資金提供を行い中島飛行機を作らせたのは北山だった。そして、連合国の航空機のライセンス生産と納入の仕事を仲介し中島飛行機が躍進するきっかけを与えたのは北山だった。
戦後、その利益で借金を中島が返済し北山の元を離れても、北山は喜んだ。むしろ生産規模の拡大に悩む中島に援助、仕事の紹介をしたほどだ。
世界でも稀な軍用機専門の民間メーカーだった中島――日本で民間航空が発達していないため、北山が民間航空会社を作り、東京を中心に半島と南洋、中国本土への航空路を開設、満州事変後は満州への航空路を開発。
当初こそ海外からの輸入期だったが航空路が発達するにつれ使用機材を中島に開発発注し中島飛行機に民間機開発力を与え収入源をもたらした事は、北山の功績と人柄を現し特筆すべき事だろう。
その器と才能の大きさで北山と会社は戦後不況も海外投資で活路を見いだし、どこから手を回したのかソ連成立後、オハの原油、マガダンの金を取り扱いソ連に機会の輸出を行う。
世界恐慌が起きたときには、アメリカの倒産した企業から工作機械を買いあさり、日本や後には満州に作った工場へ輸出し現地で生産に活用した。
満州国建国後は、工業化に尽力し、満州国を一大工業国に仕立て上げた。
その手腕は見事であり、閣僚に推薦され入閣。
日中戦争後開始後は企画院に入り軍備増産に尽力、日本のラテナウと呼ばれた。
また広大な中国大陸を支配するには兵力が生産力が足りないと見抜き政府に早期和平を進言。
だが近衛が却下すると、生産力が足りないことを見越して早期の戦時体制に入るよう提案。
これも国民生活の困窮、同時に支持率低下をうれいた近衛によって一度は黙殺される。
だが、戦争の長期化で戦場での物資不足に悩んだ陸軍が強固に軍需品増産を要求したため、近衛は認めざるを得なくなり国家総動員法を制定し施行。
北山は内閣における実質的な生産調達の責任者となり、日本の総動員態勢を作り出し、兵站事情を物資供給を改善させた。
だが、歯に衣着せない発言が多く、度々、時の総理と衝突、内閣を放逐される事があった。
それでも再度入閣されたのは実務能力が優れていたからだ。
各企業の足りない生産力を北山の会社がライセンス生産することで補った。
徹底した省力化と納期短縮で値段を抑え、短期間で納入し戦争に必要な武器弾薬食料消耗品、船舶、航空機、自動車を与え続けた。
唯一独自に開発、生産したのが電探などの電波装備だった。
日露戦争で信濃丸などが装備した通信機器の成果と、生産における発注、生産状況、輸送において通信技術の重要性、通信態勢の必要性を北山は痛感した。
日本でこの分野が貧弱で注目されていないため自社開発を進め出来る限り通信網の充実に務めた。
八木、宇田両技師の発明した八木宇田アンテナにいち早く注目し採用。
無線機や航空航路誘導用電波標識、船舶用電波探知機などを開発し電波産業を育成した。
日中戦争が始まってからは軍向けの装備、部品の生産に尽力したが、占領地向けの商品屋事業も行った。
特に占領地の産業育成、不安定な雇用状況を改善し、製品が作られることによって物質的に豊かになり、匪賊へ身を寄せる民衆が少なくなり、汪兆銘政権が安定したのは北山の功績だった。
太平洋戦争開戦後、北山は更に活躍。
南方の占領地で中国同じ事を行い生産力と民心安定を実現。
軍事占領を望む軍部に抵抗し、東條総理から幾度もクビを宣告された。
だが、北山を追い出した軍部の幹部もしくは大陸浪人――中国大陸周辺であらゆる政治活動を行う日本人の一群が現地企業に乗り込むと大和魂を振りかざし経営を混乱させ、途端に生産力が激減。
現地軍が物資不足で困窮し、大本営に抗議する事態が多発した。
彼らが怒鳴っても現地会社の生産力が回復することは無く、物資の供給が滞り、雇用している現地住民の不満が増大する羽目になる。
こうなると困るのは北山の生産力をあてにしていた軍部で、作戦準備に支障を来すことになる。
さらに大東亜共栄圏、欧米からのアジア解放を提唱した手前、参加国の不満が増大するのは避けなければならなかった。
本来ならお題目であったはずが、北山の強力な実行力により、現地に会社と工場を立ち上げ事業を行い、現地の雇用と生産力を増大させたため、内実を伴った政策になった事も、皮肉なことに、北山の立場を強化し、東條内閣さえ無視出来なくなった。。
結果、陸軍内から北山復帰論が力強く望まれる事態となり、やむなく東條は北山を内閣に連れ戻し、より強い権限を与えて生産力を回復させる。
生産力を向上させても権限を拡大した北山を目障りに思う勢力が再び現れ、辞任要求を求める運動が起きる。
そして追放して、生産が下がり、再び北山が強い権限を持って戻ってくる。
その繰り返しだった。
結局、北山がいなければ日本がここまで戦えはしなかった。
絶望的と言えた日米戦をここまで戦い抜けるように物資を供給してきた人物、北山が、佐久田の目の前に現れた。
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