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本編_前編_
第100話
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「本当にありがとうございました!」
今は安らかに眠っている、リリアを見ながらホッとした様子を見せている、エレナは涙を流しながら言った。
「いえいえ。彼とこの子がいなかったら、どうなっていたかですから」
「そうですね。シリウス様もありがとうございます!」
「いえ。俺…じゃなかった。僕の力が役に立って何よりです」
フリックの蘇生魔法も無事に上手くいったことから、シリウスは返したのである。
手術は、ガチであっという間だった。
あんなに100冊近い医学書を昨日、淡々と読んでいませんでした?と思うのが嘘のように、移植手術は一瞬だったのだ。
彼女曰くとメスの扱い方と治療魔法が出来れば、この世界の医術は何とでもなるというモットーとのこと。
何から何までどう詳しく説明すればいいのか、俺には分からん。
フリックの蘇生魔法は、練習1回だけだったにも関わらず、一発で成功するとは。
実践で上手くいく自信は、余り無かったんだけどなぁ…。
だってさ?俺、前世で何度も練習とか勉強しても、なかなか良い成果は出なかったし。
「さて、今日の所は街に行って探索しましょうか。シリウスさん」
転生してから人間の街は初めてでしょう?とシェルファは、今日の所はここレフィーリアに泊まることから言った。因みにフリックは、結界魔法が施されたリリアの家で、安眠魔法が深く効いているが故にスゥスゥと小さな寝息を立てながら、良く眠っているのである。
「でも、俺…目立つでしょう」
仮にも魔族なのだ。シェルファに至ってはエルフ。
どう見ても、人間の街では浮くだろうとシリウスは返した。
「大丈夫よ。この街は色々な人がいるから」
「そ、そうですか…。それはそうと俺、この世界のお金はまだ持っていないんですけど?」
「あらそう?大丈夫。私が出してあげるわ」
「………いずれ、路銀を稼ぐ手段を考えないといけないし」
シルヴァンエルフであるルシウスたちは、何か金にならないか方法で魔導具を始めとする物を作っているものの、肝心の大魔王である俺は、魔物の生成しかしていないのだ。しかも、まだまだ、魔物の種類も非常に少ない故にコレからは金になりそうな魔物も生成していかなければとシリウスは思ったのである。
「だったら、食べ物屋さんを作ってみてはいかが?」
折角と広大な領土を持つのだから、この世界は常に食に飢えているということをシェルファが言ったのだ。
「食べ物屋…か。つまり屋台だな」
「ええ。スライスさんたちは…あの姿になれる訳ですし、レシピを教えたら出来るのでは?」
「それもそうですね。城も改造したいですし…」
端から見たら、どこぞの高級ホテルしか転生者の俺たちには見えないからこそ、ドワーフの手を借り、アレコレと改造しようとシリウスは思いながら返したのだった。
「ドワーフなら知り合いがいるから、今度改めて紹介しますね」
「あ、ありがとう」
「いえ。同じ者同士ですもの…」
街の中であることから、シェルファはしおらしい口調を続けながら返したのである。
今は安らかに眠っている、リリアを見ながらホッとした様子を見せている、エレナは涙を流しながら言った。
「いえいえ。彼とこの子がいなかったら、どうなっていたかですから」
「そうですね。シリウス様もありがとうございます!」
「いえ。俺…じゃなかった。僕の力が役に立って何よりです」
フリックの蘇生魔法も無事に上手くいったことから、シリウスは返したのである。
手術は、ガチであっという間だった。
あんなに100冊近い医学書を昨日、淡々と読んでいませんでした?と思うのが嘘のように、移植手術は一瞬だったのだ。
彼女曰くとメスの扱い方と治療魔法が出来れば、この世界の医術は何とでもなるというモットーとのこと。
何から何までどう詳しく説明すればいいのか、俺には分からん。
フリックの蘇生魔法は、練習1回だけだったにも関わらず、一発で成功するとは。
実践で上手くいく自信は、余り無かったんだけどなぁ…。
だってさ?俺、前世で何度も練習とか勉強しても、なかなか良い成果は出なかったし。
「さて、今日の所は街に行って探索しましょうか。シリウスさん」
転生してから人間の街は初めてでしょう?とシェルファは、今日の所はここレフィーリアに泊まることから言った。因みにフリックは、結界魔法が施されたリリアの家で、安眠魔法が深く効いているが故にスゥスゥと小さな寝息を立てながら、良く眠っているのである。
「でも、俺…目立つでしょう」
仮にも魔族なのだ。シェルファに至ってはエルフ。
どう見ても、人間の街では浮くだろうとシリウスは返した。
「大丈夫よ。この街は色々な人がいるから」
「そ、そうですか…。それはそうと俺、この世界のお金はまだ持っていないんですけど?」
「あらそう?大丈夫。私が出してあげるわ」
「………いずれ、路銀を稼ぐ手段を考えないといけないし」
シルヴァンエルフであるルシウスたちは、何か金にならないか方法で魔導具を始めとする物を作っているものの、肝心の大魔王である俺は、魔物の生成しかしていないのだ。しかも、まだまだ、魔物の種類も非常に少ない故にコレからは金になりそうな魔物も生成していかなければとシリウスは思ったのである。
「だったら、食べ物屋さんを作ってみてはいかが?」
折角と広大な領土を持つのだから、この世界は常に食に飢えているということをシェルファが言ったのだ。
「食べ物屋…か。つまり屋台だな」
「ええ。スライスさんたちは…あの姿になれる訳ですし、レシピを教えたら出来るのでは?」
「それもそうですね。城も改造したいですし…」
端から見たら、どこぞの高級ホテルしか転生者の俺たちには見えないからこそ、ドワーフの手を借り、アレコレと改造しようとシリウスは思いながら返したのだった。
「ドワーフなら知り合いがいるから、今度改めて紹介しますね」
「あ、ありがとう」
「いえ。同じ者同士ですもの…」
街の中であることから、シェルファはしおらしい口調を続けながら返したのである。
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食い違いや後付け設定が多々ありますので、ご了承お願い致します。
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