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本編_前編_
第76話
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「…人面樹?」
俺は、生成したばかりのアープル・ツリーという名の人面樹を見ながら言った。
どこからどう見ても、長髪の赤系の髪をした女性しか見えないんですけど?
そっか。黄緑の風船は目の色なんだな。
ただ、女性特有のアレ…個人的にミレイ位のサイズの方がいいんだけどなぁ。
俺としたことが大きく膨らませ過ぎたか。
絶世の美女ってのは、このことを言うんだろうけど、俺は毒女ばかり見て来たせいか、美女って余り興味が無いんだよなぁ…。
「人面樹ですわ。シリウス様」
「…だよな。すまない…」
同じ人面樹のシャガルと段違いで、声も女性らしさ溢れる声だったのである。
コレならば、あの子の世話係も任すことが出来そうだと俺は思ったのだ。
元からフリックの世話係は、兄たち以外にラビアンというハイエルフはいるそうだが、彼女は今、他のハイエルフ同様に服作りをしているのである。
「そう思うのも無理はありませんわ。シャガルたちは野菜を作る脳しかありませんもの」
それはそれで悪くないのですけれど…とアープル・ツリーは、付け加えながら言った。
「まあな。野菜は自給自足で必要不可欠な素材の一つだからな」
今では、もう召喚魔法で野菜を出さずにシャガルたちが育てている野菜の方が断然と美味いし、こちらの世界の人間さんたちには迷惑を掛けずに済んでいるのだ。
後はもう、果物と肉類を生成するだけだ。
魚は、海に行って釣ってくればいいしね。
「それで…わたくしは何をすれば宜しいのでしょうか?」
「うーん。そうだな…アープル・ツリーって名前からしてリンゴって出せるかい?」
「はい…」
そうアープル・ツリーは返事すると、リンゴを指で宙に描くとリンゴを意図も簡単に生み出したのである。
「へぇー…こうやって出すんだ」
「はい。他にわたくしたち果物系の人面樹は、料理が得意なんですよ」
「そうなのか。俺は余り果物を使ったおかず系は好きじゃないんだが…」
「大丈夫ですわ。料理に果実はアクセント代わりかちょっとしたソース代わりに使うだけですから」
「そ、そうか。それなら何とか食べられそうだな」
「で、シリウス様…」
「何だ?」
「その言っていいことなのか分かりませんが、わたくしのことはアープルとお呼び下さい。ツリーは付けなくても宜しいので」
「あ、ああ。分かった。こちらこそ気が利かなくてすまなかったな」
「いえいえ。では、わたくし…シリウス様の今後の生活に役立てるように何かしますね」
そうアープルは言うと、使用しても良い階と部屋を確認すると共にリンゴを使ったジャムやワインを作り始めたのである。
「ジャムやワインか…。確かにこの領土というか何ていうか生活が安定して国になったら、色々と儲かりそうだな」
シリウスは、今はただ発展途上国のような物だと思いながら、アープル以外の果物系の人面樹の生成を始めたのだった。
俺は、生成したばかりのアープル・ツリーという名の人面樹を見ながら言った。
どこからどう見ても、長髪の赤系の髪をした女性しか見えないんですけど?
そっか。黄緑の風船は目の色なんだな。
ただ、女性特有のアレ…個人的にミレイ位のサイズの方がいいんだけどなぁ。
俺としたことが大きく膨らませ過ぎたか。
絶世の美女ってのは、このことを言うんだろうけど、俺は毒女ばかり見て来たせいか、美女って余り興味が無いんだよなぁ…。
「人面樹ですわ。シリウス様」
「…だよな。すまない…」
同じ人面樹のシャガルと段違いで、声も女性らしさ溢れる声だったのである。
コレならば、あの子の世話係も任すことが出来そうだと俺は思ったのだ。
元からフリックの世話係は、兄たち以外にラビアンというハイエルフはいるそうだが、彼女は今、他のハイエルフ同様に服作りをしているのである。
「そう思うのも無理はありませんわ。シャガルたちは野菜を作る脳しかありませんもの」
それはそれで悪くないのですけれど…とアープル・ツリーは、付け加えながら言った。
「まあな。野菜は自給自足で必要不可欠な素材の一つだからな」
今では、もう召喚魔法で野菜を出さずにシャガルたちが育てている野菜の方が断然と美味いし、こちらの世界の人間さんたちには迷惑を掛けずに済んでいるのだ。
後はもう、果物と肉類を生成するだけだ。
魚は、海に行って釣ってくればいいしね。
「それで…わたくしは何をすれば宜しいのでしょうか?」
「うーん。そうだな…アープル・ツリーって名前からしてリンゴって出せるかい?」
「はい…」
そうアープル・ツリーは返事すると、リンゴを指で宙に描くとリンゴを意図も簡単に生み出したのである。
「へぇー…こうやって出すんだ」
「はい。他にわたくしたち果物系の人面樹は、料理が得意なんですよ」
「そうなのか。俺は余り果物を使ったおかず系は好きじゃないんだが…」
「大丈夫ですわ。料理に果実はアクセント代わりかちょっとしたソース代わりに使うだけですから」
「そ、そうか。それなら何とか食べられそうだな」
「で、シリウス様…」
「何だ?」
「その言っていいことなのか分かりませんが、わたくしのことはアープルとお呼び下さい。ツリーは付けなくても宜しいので」
「あ、ああ。分かった。こちらこそ気が利かなくてすまなかったな」
「いえいえ。では、わたくし…シリウス様の今後の生活に役立てるように何かしますね」
そうアープルは言うと、使用しても良い階と部屋を確認すると共にリンゴを使ったジャムやワインを作り始めたのである。
「ジャムやワインか…。確かにこの領土というか何ていうか生活が安定して国になったら、色々と儲かりそうだな」
シリウスは、今はただ発展途上国のような物だと思いながら、アープル以外の果物系の人面樹の生成を始めたのだった。
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