抽選結果は大魔王だったので、剣と魔法と平和と欲に溢れた異世界で、のんびりとスローライフしたいと思います。(休載中)

蒼樹 煉

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第73話

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「ネイサシュにーさま…?」
その日の昼近くに気が付いたフリックは、ネイサスにされるままに頭を撫でられていた。
「やっと起きたか。フリック…気分はどうだ?」
「にーさま…ボク…ボク…ボクのせいなの…?」
「フリック…。お前は悪くない。悪くないから」
「で、でも…ボクのせいで…とーさまとかーさまが…」
流行病だとルシウスから聞いていたものの、実際は自分の魔力が暴走したことが切っ掛けだと知ったことから、フリックはまた、泣き出しそうになっていた。
「お前は何も悪いことをしていないんだ。自分を責めるな…」
「うー………」
「そうだぞ。フリック…」
ルシウスは、シリウスから食べやすい物として召喚魔法で出したという、フルーツたっぷりのケーキを持った来たことから言ったのだ。
「ルシウシュにーさま…」
「それにお前は魔法を習いたいんだろう?」
「うん。にーさまたちみたいにまほーをちゅかいたいの」
まだ、簡単なレベルの召喚魔法しか出来ない故に各々の得意魔法を使いこなす兄たちに憧れていることから、フリックは返したのである。
「だったら…まずは召喚魔法からマスターしようか?ちょうどミレイ殿も召喚魔法をシリウス殿に用意して貰った本を元にやっているから」
「ボク…ミレイおねえちゃまのところにいく!」
「だったら、まずは朝飯というかブランチにしようか」
「うん!にーさま」
小さな手でフォークを握り拳のまま、フリックはフルーツケーキを兄二人に見守られながら食べ始めたのである。


「果物系の人面樹として…まずはこの『アープル・ツリー』を生成するかな」
シリウスは、魔物生成書を改めて開きながら、魔物の生成に励んでいた。
「ホント…材料から生成までどこをどう突っ込めば…って話だな。一応は材料は揃うけど」

何しろ今回のアープル・ツリーの生成材料は、以下の通りなのだ。
≪アープル・ツリー-生成材料-≫
・リンゴジュース(100cc)
・その辺に落ちている、木の枝
・赤色の風船(2個)
・ピンク色の風船(2個)
・緑色の風船(2個)
・赤系のカツラ
・化粧水
・瞬間接着剤
・赤の魔石
・マナ(適量)

「という材料なんだけど、なぜに風船?風船って…?」

ホント、この魔物生成書を考えた転生女神って…。
抽選の時に会ったんだろうけど、顔とかっていまいち分からず仕舞いだったんだよな。
まあ、別に人の容姿についてはどうこう気にしないけど。
後はついでに生成方法も以下の通りになっているんだが…。

≪アープル・ツリー-生成方法-≫
1)図の感じで、赤系のカツラと赤色の風船とピンク色の風船と緑色の風船を瞬間接着剤で、その辺に落ちている、木の枝にくっ付けます。
2)赤の魔石を粉末にし、1の上から全体に掛けます。
3)リンゴジュースと化粧水を混ぜ、1の上に全体に掛けます。
4)後はいつものようにマナを注入するだけです。

という何コレ?
もう丸投げというか、図は人のこともいえないが、子どもの落書き以下の下手さ加減全開だ。まあ、言い出したらキリが無いんだろうけど、俺は生成書通りに果物系の人面樹の生成を始めたのだった。

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食い違いや後付け設定が多々ありますので、ご了承お願い致します。
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