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番外編+α
番外編18 魔石(その3)
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人として正しく生きて来た。
人として人々を正しく導くことが我の使命だった。
だが、時として人は我の言うことを聞かず、時として我は人を裏切ってしまった。
コレは、報いなのだろう。
だから、我は≪誰かのために役に立たない魔石≫という第二の人生として魔石という形で生まれ変わってしまったのだ。
ふむ。
誰かのために役に立たない魔石。
何ともいえない言葉だ。
そのままの意味として我は誰にも気付かれないのだ。
目の前に人がいるというのに、何一つと声は掛けられぬ。
何も役に立たず、終えてしまうのだろうか?
と思っていたら、とても愛くるしい少女が我を見詰めていた。
「しゅっごくきれーないしなの」
どうやら我のことを言っているようだ。
確かに我は魔石。
魔石といっても色はあるのだろう。
「ボクのたからものにしゅるの!あおくひかっててきれーなの」
ふむ。我は青い色をしているのか。
その子の瞳のように澄んだ色をしているのだろう。
前にも青系の魔石はいたらしいが…。
だが、長くは続かなかった。
「おーい!そろそろメシが出来るぞ。今日はお前の大好きなクリームシチューだぞ」
「うん!しゅぐいくのー!」
その子は我を拾うことを忘れてしまい、呼ばれた方へと走ってしまったのだ。
所詮は子どもか。
確かに子どもは食べて育つと言うし、仕方ないだろう。
それにしても、あの年齢にしては幼過ぎでは無かろうか。
何が遭ったのか知らぬが、我は石。
良からぬことを聞くべきではないなと思いながら、やはり、我は役に立たない魔石だったのである。
というよりも、この世界にクリームシチューという食べ物は、あるのだろうか?
ふと、草のスープばかり食べていた我は不思議に思ったのであった…。
人として人々を正しく導くことが我の使命だった。
だが、時として人は我の言うことを聞かず、時として我は人を裏切ってしまった。
コレは、報いなのだろう。
だから、我は≪誰かのために役に立たない魔石≫という第二の人生として魔石という形で生まれ変わってしまったのだ。
ふむ。
誰かのために役に立たない魔石。
何ともいえない言葉だ。
そのままの意味として我は誰にも気付かれないのだ。
目の前に人がいるというのに、何一つと声は掛けられぬ。
何も役に立たず、終えてしまうのだろうか?
と思っていたら、とても愛くるしい少女が我を見詰めていた。
「しゅっごくきれーないしなの」
どうやら我のことを言っているようだ。
確かに我は魔石。
魔石といっても色はあるのだろう。
「ボクのたからものにしゅるの!あおくひかっててきれーなの」
ふむ。我は青い色をしているのか。
その子の瞳のように澄んだ色をしているのだろう。
前にも青系の魔石はいたらしいが…。
だが、長くは続かなかった。
「おーい!そろそろメシが出来るぞ。今日はお前の大好きなクリームシチューだぞ」
「うん!しゅぐいくのー!」
その子は我を拾うことを忘れてしまい、呼ばれた方へと走ってしまったのだ。
所詮は子どもか。
確かに子どもは食べて育つと言うし、仕方ないだろう。
それにしても、あの年齢にしては幼過ぎでは無かろうか。
何が遭ったのか知らぬが、我は石。
良からぬことを聞くべきではないなと思いながら、やはり、我は役に立たない魔石だったのである。
というよりも、この世界にクリームシチューという食べ物は、あるのだろうか?
ふと、草のスープばかり食べていた我は不思議に思ったのであった…。
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食い違いや後付け設定が多々ありますので、ご了承お願い致します。
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