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番外編+α
番外編10 ヒカル
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「あー…今日もかったるいなぁ」
毎日のように俺は、流されるままに生活のために仕事をしていた。
仕事をしなければ、生活が出来ない。
それは、社会人として当たり前のことだ。
俺の名は、佐藤爽一郎。
今年で40になる四十路の男である。
「おいっ!ちゃんと仕事やれ!」
いつものように作業ペースを崩さないように仕事をこなしているにも関わらず、今日もまた、職場の中で一番五月蠅く注意するパート社員である横川華子は言って来たのだ。
ちゃんと仕事やれって?
はぁ?それはお前だろうが!って俺はアンタと違って準社員だと言いたくなる気持ちを抑えつつ、聞き流しながら作業を続けていた。
因みに準社員は、パートより1つランク上の役職だ。
まあ、少し俺の方が偉いんだが、あのパート社員は、オレより2ヶ月先に入った故に誰にでも口五月蠅く言って来るだけなんだよな。
ホント、迷惑だ。
何度も上には報告しているってのに、注意止まりで終わっているし。
とっととクビにしろよ!って思うが、なかなか動かないんだよなぁ。
まあ、無視するしかない。ひたすらに何を言われようとも俺は無視を続けていた。
が、それも長くは続かなかった。
ガタガタ…
ん…?地震…?
次の瞬間、ちょっとした揺れから強烈な揺れへと変わってしまい、俺の意識はここで途切れてしまったのである。
(そうか。俺………。クソ…あのババアと共々に死んだのか)
呆気ない人生だ。
かったるい人生を送って来たが、こんな嫌な人生は嫌だ。
かといって誰かのために役に立ちたい気持ちは、微塵も無いからな。
で、ここはどこだ?
俺以外に色んなヤツがいるんだが、ここって何?
(何なに…?第二の人生を抽選で行う?はぁ?)
抽選って何だよ?抽選で第二の人生が決まるってのか?
自由に選ばせろってヤツだろ。
オマケに色々な屋台があるし、別に今の俺、腹は減っていないんだよな。
それにしても、色んなヤツの心の声がダダ漏れだな。
まあ、いいけど。俺も人のことは言えないだろうし。
で、俺は長い順番を待ちながら、とうとう抽選することになった。
『転生名前はヒカル(男)、転生種族は人間、転生日は聖龍歴50000年1月1日、転生先はソルディア・カオスティック・マジフィニクッスにあるエアスト王国・ローヒの村、転生特典はエアスト王国の王子の血を引く者&天空龍の王女の血を引く者、プレゼントは伝説の勇者の武器&防具』
はぁ?勇者?
あんな厨二病に転生かよと俺は心の中で、呟きながら勇者として転生してしまったのである。
勇者として俺は、ありとあらゆる魔法を習得するために励んでいた。
別に俺、魔王を倒すためとかじゃない。
この世界で生き残るためだと言われたが、かったるい。
どうせならば、普通の人として人生をやり直したいんだ。
最初の10人みたいに普通の人として生まれたかった。
かったるい人生の中で、最も勇者として生まれ変わるなんて有り得なかったからだ。
今度こそ、普通に人生を過ごしながら、かったるい人生から離れたかったんだ。
いやいや。普通の人生に過ごす=かったるい人生だと矛盾だよな。
「大分と魔法が使えるようになったようじゃな…ヒカル」
俺に魔法の指導を施している、マーリスは様子を見ながら言った。
「は、はい」
「そろそろ旅立つ時じゃ。コレを持って各国にいる仲間を集め魔王を倒すのじゃ」
マーリスは、転生する際に特典のプレゼントである伝説の勇者の武器&防具を渡しながら言ったのである。
(何たってこんな厨二病みたいな装備を…)
とにかくと俺は受け取りながら、自然の流れの中で仲間が集まってしまった。
自分から声を掛けたつもりはないんだが、信者みたいな者らしい。
俺は別に魔王がどうしようが、別にいいんだがな。
何たって俺と同時期に転生した魔王って…?
何だか同情を買うというかさ?何か共感があるっていうか…。
って…俺。
何1つも魔王に伝えられないまま、呆気なく第二の人生を閉じたのである。
それから幾年の時が流れ、
俺は、今度こそ普通の人として第三の人生を送っている。
海藤優として新たに生を受けた俺は、今は勉強が楽しい!
前々世の俺は、勉強することが大嫌いだった。
それなのに、第三の人生を送るようになった俺は、勉強が何よりも楽しいのだ。
あー…今度こそ俺。
ゲーム・プランナーとして新しい道として拓けそうだと思いながら、今は夢に向かって生きることにしたのである。
毎日のように俺は、流されるままに生活のために仕事をしていた。
仕事をしなければ、生活が出来ない。
それは、社会人として当たり前のことだ。
俺の名は、佐藤爽一郎。
今年で40になる四十路の男である。
「おいっ!ちゃんと仕事やれ!」
いつものように作業ペースを崩さないように仕事をこなしているにも関わらず、今日もまた、職場の中で一番五月蠅く注意するパート社員である横川華子は言って来たのだ。
ちゃんと仕事やれって?
はぁ?それはお前だろうが!って俺はアンタと違って準社員だと言いたくなる気持ちを抑えつつ、聞き流しながら作業を続けていた。
因みに準社員は、パートより1つランク上の役職だ。
まあ、少し俺の方が偉いんだが、あのパート社員は、オレより2ヶ月先に入った故に誰にでも口五月蠅く言って来るだけなんだよな。
ホント、迷惑だ。
何度も上には報告しているってのに、注意止まりで終わっているし。
とっととクビにしろよ!って思うが、なかなか動かないんだよなぁ。
まあ、無視するしかない。ひたすらに何を言われようとも俺は無視を続けていた。
が、それも長くは続かなかった。
ガタガタ…
ん…?地震…?
次の瞬間、ちょっとした揺れから強烈な揺れへと変わってしまい、俺の意識はここで途切れてしまったのである。
(そうか。俺………。クソ…あのババアと共々に死んだのか)
呆気ない人生だ。
かったるい人生を送って来たが、こんな嫌な人生は嫌だ。
かといって誰かのために役に立ちたい気持ちは、微塵も無いからな。
で、ここはどこだ?
俺以外に色んなヤツがいるんだが、ここって何?
(何なに…?第二の人生を抽選で行う?はぁ?)
抽選って何だよ?抽選で第二の人生が決まるってのか?
自由に選ばせろってヤツだろ。
オマケに色々な屋台があるし、別に今の俺、腹は減っていないんだよな。
それにしても、色んなヤツの心の声がダダ漏れだな。
まあ、いいけど。俺も人のことは言えないだろうし。
で、俺は長い順番を待ちながら、とうとう抽選することになった。
『転生名前はヒカル(男)、転生種族は人間、転生日は聖龍歴50000年1月1日、転生先はソルディア・カオスティック・マジフィニクッスにあるエアスト王国・ローヒの村、転生特典はエアスト王国の王子の血を引く者&天空龍の王女の血を引く者、プレゼントは伝説の勇者の武器&防具』
はぁ?勇者?
あんな厨二病に転生かよと俺は心の中で、呟きながら勇者として転生してしまったのである。
勇者として俺は、ありとあらゆる魔法を習得するために励んでいた。
別に俺、魔王を倒すためとかじゃない。
この世界で生き残るためだと言われたが、かったるい。
どうせならば、普通の人として人生をやり直したいんだ。
最初の10人みたいに普通の人として生まれたかった。
かったるい人生の中で、最も勇者として生まれ変わるなんて有り得なかったからだ。
今度こそ、普通に人生を過ごしながら、かったるい人生から離れたかったんだ。
いやいや。普通の人生に過ごす=かったるい人生だと矛盾だよな。
「大分と魔法が使えるようになったようじゃな…ヒカル」
俺に魔法の指導を施している、マーリスは様子を見ながら言った。
「は、はい」
「そろそろ旅立つ時じゃ。コレを持って各国にいる仲間を集め魔王を倒すのじゃ」
マーリスは、転生する際に特典のプレゼントである伝説の勇者の武器&防具を渡しながら言ったのである。
(何たってこんな厨二病みたいな装備を…)
とにかくと俺は受け取りながら、自然の流れの中で仲間が集まってしまった。
自分から声を掛けたつもりはないんだが、信者みたいな者らしい。
俺は別に魔王がどうしようが、別にいいんだがな。
何たって俺と同時期に転生した魔王って…?
何だか同情を買うというかさ?何か共感があるっていうか…。
って…俺。
何1つも魔王に伝えられないまま、呆気なく第二の人生を閉じたのである。
それから幾年の時が流れ、
俺は、今度こそ普通の人として第三の人生を送っている。
海藤優として新たに生を受けた俺は、今は勉強が楽しい!
前々世の俺は、勉強することが大嫌いだった。
それなのに、第三の人生を送るようになった俺は、勉強が何よりも楽しいのだ。
あー…今度こそ俺。
ゲーム・プランナーとして新しい道として拓けそうだと思いながら、今は夢に向かって生きることにしたのである。
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