49 / 194
本編_前編_
第48話
しおりを挟む
「えっ!?いない…?」
ネイサスは、シェルファの世話役をしている、ハイエルフの女性ミリアムからシェルファがいないことから言った。
「はい。一週間程前に北東大陸にあるノイント都市国家に行ったばかりでして…」
「…そうか。いつ頃に戻って来る予定だろうか?」
「そうですね。今回はちょっと長いかも知れないと仰っていたので、私もそればかりは分かりません」
「…無駄になってしまったか」
「いえいえ。何かシェルファ大長老に言伝でも残しておきましょうか?」
「いや、いい。俺たち兄妹の問題だから」
ネイサスはそう返すと、シリウスたちの所へと戻って来たのである。
「あっ!ネイサス兄貴。どうだった?」
「シェルファ殿は、一週間位前にノイント都市国家に行ったばかりで留守らしい」
「ノイント都市国家…?」
何とか誘惑に勝ち取りながら、シリウスは気になって返した。
「北東大陸にある人間の国の一つですよ」
「そうだ。シェルファ殿に協力を仰ぐのは無理そうだ…」
「だったら、俺がそのラグーン王国に覆われているという霧を晴らすというのは…」
「…霧を晴らす方法に何か考えはあるのか?」
「まあな…」
まずは行ってみないと分からないけどとシリウスは返したのだった。
何しろ、瞬間移動魔法は、一度も行ったことのない場所には行けないのだ。
「俺、この人数で浮遊するのはさすがに無理だぞ」
只でさえ、自分を含めて浮遊は限界に限界だったことから、レイオスは言った。
「…そうだな。俺の浮遊魔法で良ければ行こうか?道を教えてくれれば行けると思うし」
「いいのか?」
「ああ。それに急いだ方がいいだろ?」
もういなくなってから日は経っている筈だからとシリウスは返したのである。
「それもそうだな…」
ネイサスもそれに同意すると、シリウスは浮遊魔法を3人に施しながら、西の大陸へと向かうことにしたのだった。
「ほーら…今日は新しい玩具だぞ」
今日も朝からずっとぐずぐずと泣き濡れている、フリックにデイルスは地下へと来るなり言った。
「ヒック……ヒック……ううぅ…もういらないの」
「そう言うなよ。せっかくとお前のために用意したんだぞ」
そうデイルスは言うと、また、足が閉じ掛けていたことから、カーツとコーツの二人掛かりで、フリックの足を目一杯と開かせたのである。
「い、いや…!はなしてなの!」
「そうそう…良い話を聞かせてやろう」
泣き濡れながら、無駄な抵抗をしているフリックにデイルスは、冷たい口調で言い放つと、フリックは更に泣き崩れてしまい、その間に真新しい魔吸具を填め込んだのだった。
ネイサスは、シェルファの世話役をしている、ハイエルフの女性ミリアムからシェルファがいないことから言った。
「はい。一週間程前に北東大陸にあるノイント都市国家に行ったばかりでして…」
「…そうか。いつ頃に戻って来る予定だろうか?」
「そうですね。今回はちょっと長いかも知れないと仰っていたので、私もそればかりは分かりません」
「…無駄になってしまったか」
「いえいえ。何かシェルファ大長老に言伝でも残しておきましょうか?」
「いや、いい。俺たち兄妹の問題だから」
ネイサスはそう返すと、シリウスたちの所へと戻って来たのである。
「あっ!ネイサス兄貴。どうだった?」
「シェルファ殿は、一週間位前にノイント都市国家に行ったばかりで留守らしい」
「ノイント都市国家…?」
何とか誘惑に勝ち取りながら、シリウスは気になって返した。
「北東大陸にある人間の国の一つですよ」
「そうだ。シェルファ殿に協力を仰ぐのは無理そうだ…」
「だったら、俺がそのラグーン王国に覆われているという霧を晴らすというのは…」
「…霧を晴らす方法に何か考えはあるのか?」
「まあな…」
まずは行ってみないと分からないけどとシリウスは返したのだった。
何しろ、瞬間移動魔法は、一度も行ったことのない場所には行けないのだ。
「俺、この人数で浮遊するのはさすがに無理だぞ」
只でさえ、自分を含めて浮遊は限界に限界だったことから、レイオスは言った。
「…そうだな。俺の浮遊魔法で良ければ行こうか?道を教えてくれれば行けると思うし」
「いいのか?」
「ああ。それに急いだ方がいいだろ?」
もういなくなってから日は経っている筈だからとシリウスは返したのである。
「それもそうだな…」
ネイサスもそれに同意すると、シリウスは浮遊魔法を3人に施しながら、西の大陸へと向かうことにしたのだった。
「ほーら…今日は新しい玩具だぞ」
今日も朝からずっとぐずぐずと泣き濡れている、フリックにデイルスは地下へと来るなり言った。
「ヒック……ヒック……ううぅ…もういらないの」
「そう言うなよ。せっかくとお前のために用意したんだぞ」
そうデイルスは言うと、また、足が閉じ掛けていたことから、カーツとコーツの二人掛かりで、フリックの足を目一杯と開かせたのである。
「い、いや…!はなしてなの!」
「そうそう…良い話を聞かせてやろう」
泣き濡れながら、無駄な抵抗をしているフリックにデイルスは、冷たい口調で言い放つと、フリックは更に泣き崩れてしまい、その間に真新しい魔吸具を填め込んだのだった。
1
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
チート転生~チートって本当にあるものですね~
水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!!
そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。
亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる