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第一部 翔集編
第二回 賀鋼先の蘇生
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第二回 賀鋼先の蘇生
魔星を集めなければ、賀鋼先は生き返れない。
今は、仮に生きている状態である。
◇
話は流星の日に戻る。
道教の聖地、竜虎山は江南地方(長江の南)にあり、河と岩山の美しい景勝区である。
李秀は長い旅をして、ようやくここにたどり着いた。
昨日までは青空が広がっていたが、今日は朝から雪に降られてしまった。歩きづらくはあったが、大小の岩山が雪景色にかすんでそびえ立っているのを見て、李秀は顔をほころばせる。
「こんなすごい景色、長安にいたら観られなかったな。遠かったけど、来て良かった!」
旅装の帽子を脱ぎ、雪交じりの寒い風を顔いっぱいに浴びて、李秀は大きく息をついた。
「やあやあ、観光だね。ようこそ竜虎山へ。どちらから来られたのかな?」
不意に声をかけられて、李秀は振り向く。
一人乗りの荷馬車が近づいて来ていた。乗り手の若者は鉄冠をつけていて、馬を止めて歩み寄ってくる。李秀は、自分が男装しているのを思い出し、慌てて帽子をかぶり直した。
「俺は賀雷先、この土地の者だ。よければ案内しよう。あいにくの雪だから、乗って行きなよ」
李秀は、声色で女と覚られないよう、低くつぶやくように告げる。
「いえ、自分は公務の者。お心遣いは無用」
それを聞き、雷先は首を傾げる。
「公務? 見たところずいぶん若いけど、本当にお役人かい?」
そしてじろじろと李秀を見た後、目付きをきつくして言った。
「最近は盗賊が増えていて、役人になりすますのもいるそうだ。竜虎山にも、よく泥棒が入る。お前、どうも怪しいぞ。下調べに来たな?」
「はぁあ?」
見当違いのことを決めつけられて、李秀はびっくりした。しかし雷先は説明する暇も与えず、荷車から棒を取り出し、李秀に打ちかかる。
「出て行け! 二度と近づくな!」
真っ白な景色の中に、あざやかな黒檀の棒が舞った。李秀は、仕方なく腰の後ろに手を回し、双戟を抜いて棒を弾き返す。雷先は、驚きながら指を突きつけた。
「やっぱり盗賊か。たいそうな武器を持ってるじゃないか。よし、本気で行くぞ!」
李秀も頭に血が上り、半身になって構える。
「旅続きで、ちょうど腕が鈍っていたところよ。来なさい!」
二人は雪を蹴り散らしながら、それぞれの武器を振るって闘った。雷先は力強く、遠い距離から棒を突き、あるいは打ち下ろす。李秀はひらりとそれを躱しながら、雷先の首を狙い、即座に足下を斬り付け、高速に攻め続ける。
結局、幾度も武器を打ち合わせたが、勝敗は決まらず、互いに疲れて路傍の石に座り込んだ。
そのとき、李秀の懐から一通の手紙が落ちる。それを見て、李秀ははっとして言った。
「あっ、通行証。これを見せれば良かったんだ」
政府が発行した、関所を通るための公文書で、しっかりと印鑑も押されている。雷先もそれをのぞき込み、びっくりして言った。
「なんだ、本当に役人だったのか。危うく怪我をさせるところだったぞ!」
李秀が、むっとして言い返す。
「ふん、いきなり殴りかかってきたくせに。ああ、暑くなっちゃった」
李秀は帽子を脱いで汗をふいた。そのとき、強く風が吹き、髪が解けて流れた。
「あれ? お前、お、女の子か?」
「しまった」
李秀は慌てて帽子をかぶろうとしたが、あきらめて開き直った。
「そうよ。わけがあって、男装してたの。ねえ、勘違いのお詫びに、張天師さまのところに案内しなさいよ」
雷先は、おたおたしながら頷いた。
「ああ、案内しよう。俺は、上清宮の道士なんだ。待ってくれ、荷台を片付ける」
二人は馬車で道を行き、やがて大本堂の道観、上清宮に到着した。
◇
上清宮には代々続く教主がおり、その姓を取って張天師と呼ばれている。現天師の張暠は齢六十、法力と武術に優れた偉丈夫であった。
張天師は、都・長安の太史監から来た使いに接見した。太史監とは、天文や暦を扱う部署である。
李秀と名乗ったその令史(役職の名称)は、男装していたが、実際には少女だった。
張天師は彼女から、竜虎山に保管してある星観(星占い)の記録を見せてほしいと依頼された。張天師は答える。
「当山の記録は部外秘ゆえ、理由をお聞かせいただきたい、李秀どの」
李秀は頷くと、厳しい表情で言った。
「突然の訪問で申し訳ありません。実は最近、太史監で記録を整理したところ、天罡地煞の百八星が、もう五十年ほど前から天体から姿を消していると判明しました。ご存知ですか?」
張天師は、さっと顔色が曇る。
「まあ、一応は知っていたが。特に問題は起きていないし、こちらからは報告していなかったな」
「当方の記録と、照合させていただきたいと思いまして」
李秀は鋭く返す。張天師の眼が、宙に泳いだ。
「さて、その件まで記録していたかな。お待ちいただきたい、今、写しをとらせよう」
写し、という言葉に、李秀は不審を顔に出して言う。
「できれば原本を拝見したいのですが」
「……わ、わかった」
張天師はため息をついて承諾する。そして、雑務係の道士を倉庫に向かわせた。
◇
雪が、竜虎山の一帯を白く包んでいる。
雑務係の賀兄弟は、積雪で歩きにくい中、大きな記録帳を持って張天師の下へ急ぐ。
夕暮れも終わり、薄暗くなっていた。梅の花が香っているが、それを楽しむゆとりはない。
凍えながら丘を下り、林を抜けたところで、雷先が空を指さした。
「おい、流れ星だ。大きいぞ」
「本当だ。星観の記録に載りそうなくらいだな」
ほほ笑んで答えた鋼先だったが、表情を険しくした。
「空は雲でいっぱいだ。どうして星なんか見える?」
そう言ったとき、光をまとった何者かが、轟音と共に落ちてきた。
「危ない!」
鋼先は、咄嗟に兄を突き飛ばす。同時に、光が激突した。
鋼先は全身が砕け散り、息絶えた。
◇
「何事だ。落雷でもあったか」
流星の落ちた音に、張天師も驚いた。
李秀を伴って外へ出てみると、道士や人足たちがぞろぞろ出てきている。
息子の姿を見かけて、張天師は声をかけた。
「応究どうした、事故か」
「わかりません。とりあえず、皆を落ち着かせます」
息子の張応究にその場を任せて、張天師は音のした方へ歩いた。
丘の麓から煙が立っている。小さい火事が起きていた。張天師と李秀が急ぎ足で近づくと、雪景色の中に人影が見える。
屈強な武将であった。腕に人を抱えている。
「あちらは、ここの方ですか?」
李秀に問われて、張天師は首を振った。
二人が駆け寄ると、武将が言った。
「この若者、命を落としました。私がかろうじて魂魄は拾っておきましたが」
張天師は、その若者を見て驚く。
「これは、倉庫へ使いに出した者だ」
そのとき張応究が、雷先と共に走ってきた。
「父上、大変です。賀雷先の弟が、流星と衝突したそうです」
張天師はそれに応えて
「うむ、ここにいるぞ。なにやら妙なことになったようだ」
そして、今一度武将を見た。
「で、貴殿は?」
張天師がいぶかしみながら訊ねる。応究、李秀、雷先も、武将に注目した。
武将は、鋼先を抱えたまま、ぐっと胸を張る。
「私は、天魁星。天罡地煞百八星を統べている者です」
そして、目礼で詫びを示した。
「なに。あの、天界にいた百八星か?」
張天師は、驚いて目を瞠る。しかし、鋼先が心配なので質問は後にし、手招きして本堂の上清宮へ誘った。
張天師は、鋼先を供物壇に寝かせる。
目を背けたくなるほど、遺体は激しく損傷していた。
「おい、天魁星と言ったな。こちらはちょうど、お前達の話をしていたところだ。なぜ、あの者にぶつかったりした」
張天師がにらみつけると、天魁星は恭しく礼をした。
「申し訳ござらぬ。いやな予感がした故、必死で飛んでおりました」
「それだけなのか」
「はあ、それだけでござる」
天魁星はまた礼をする。張天師はいらいらして、卓を叩いた。
李秀は、竜虎山の星観録を見ていた。といっても、天魁星との衝突でぼろぼろになり、解読は不可能な状態である。そして、自分で持ってきた太史監の星観録を指して言った。
「あなたたち百八星は、今は下界に降りてきているということね。だから星観の記録に載っていないんだ」
張天師は、息巻いて手を振る。
「さっさと天界へ帰れ! この件を西王母娘娘(天界を統べる女神。娘娘は尊称)に申し上げて、処罰を受けさせてやる」
そのとき、応究が外を見た。
「父上、誰か来ます。大勢です」
一同が表へ出てみると、豪華な紅い衣装をまとった女性を中心に、横一列に並んだ団体が歩いてくる。旗指物まで掲げ、かなりものものしい。
「何でしょう。どこかの貴婦人ですか」
雷先が言うと、張天師が眉をひそめていった。
「……まさか、今ここに来るとは」
「お知り合いですか」
「知り合いなどと恐れ多い。西王母娘々の使者、英貞童女様だ」
一行は全員女性だった。
二人の先導係が張天師に一礼して左右によけると、英貞童女が歩み寄ってきた。呼称は童女だが、顔つきは立派な管理職である。
「張天師どの、ご機嫌よう。こちらに、天魁星という星神が来てはおりませぬか」
張天師は畏まって拝礼し
「はい。天より飛来し、当山の者に衝突して死なせたので、恐れながら詰問しておりました」
英貞童女は目を丸くして
「そんなことを。いつ頃ですか」
「つい先ほどです。残念でなりません」
張天師は嘆息したが、英貞童女は鋼先の胸元に乗った淡い光を見て、首を振る。
「いえ、魂魄がまだ、そこにありますね。こちらで何とかいたします。九天玄女に六合慧女、術式の準備を」
英貞童女はそう言って、配下に指示を出した。
九天玄女が言う。
「畏まりました。では、私が進めます。六合、手伝ってください」
「はい、姉さん」
張天師たちが見守っていると、九天玄女は本堂に入り、瓢箪を取り出して鋼先の体に水をかけ、自分の着ていた衣をかぶせた。
次に六合慧女から護符を受け取り、鋼先の体に置いていく。
そして印を結んで呪文を唱えると、大きく息をついた。
「何をなされたのですか」
張天師が聞くと、九天玄女は襟を整えながら答えた。
「肉体を薬水で修復しました。とりあえず時間は稼げます」
「生き返る、ということですか」
しかし英貞童女は首を振る。
「完全には無理です。魂魄が一度出てしまったので、肉体に定着しません。反魂丹という秘薬があれば叶うそうですが、それを探すのに、日を要します。その間、誰かが彼の中に入り、魂魄を繋ぎ止めなければなりません」
「そんなことが可能なのですか」
張天師が疑わしく言うと、九天玄女は答えて
「かなり特殊な術式で、天界でも数名しか使えません。魂魄で魂魄を繋ぐのです。ただし、人間同士では片方が肉体を失うことになるので、天界の者が入るべきですね」
すると、急に天魁星が進み出て言う。
「鋼先どのの怪我は、それがしの過失。どうか、それがしをお使いいただきたい」
「なんと」
張天師たちは、不安げに顔を見合わせた。そして英貞童女を見ると、彼女は苦笑して言う。
「お気は進まぬと思いますが、今はこうするしかないでしょう。天魁星は、荒っぽいところはありますが、篤実で、責任感もあります。任せて大丈夫だと思います」
と礼をした。
張天師は慌てて手を振り、
「もったいないことを。承知しました。いずれ反魂丹とやらを用意していただけるのなら、それで結構でございます」
と同意する。
そのとき李秀が、困った顔で場を割った。
「あの、いいですか。百八星は、散ってはまた集まる性質がある、と太史監の記録にあります。天魁星がこの人に入ったら、ひょっとして……」
英貞童女が、頷いて言う。
「残りの百七星が、鋼先に引き寄せられることになるでしょう。彼らはこっそり天界を抜け出していました。粗暴なので、勝手に人界に下りてはならないと決められていましたのに」
英貞童女の視線を受けて、天魁星が恐縮の礼をする。
そして英貞童女は、口調を事務的に改めて言った。
「鋼先には気の毒なのですが、彼に、百七星を集めてもらうことになります。おそらく、百七星は人界の何かに憑依して生活しているので、それを探す旅に出ることに」
唐突な話になり、張天師は愕然として言った。
「それは……。何の罪もないのに、ご無体なことを」
張天師が憂色を示していると、雷先が進み出て言った。
「天師様。弟も、自分の命が助かるなら、何でもやると思います。危険はあるでしょうが、旅には私も付き添いますので」
「そうか。そう言うなら……」
と、張天師は申し出を受け入れる。
話がまとまったのを見て、英貞童女が言った。
「では皆さん、外に出ていてください。天魁星を鋼先と融合させますが、強い光が起こるそうです。目を痛めるといけません」
張天師たちが本堂の外に出て扉を閉めると、隙間から青白い光が何度も点滅した。それは雪面に反射して、目を刺すような明るさが散る。
しばらくして扉が開き、英貞童女と六合慧女が出てきた。
「難しい術なので朝までかかるそうです。皆様は、もうお休みください」
そう言われて、一同はそれぞれ帰って行く。
◇
しかし、少し経ってから、張応究が本堂へ戻り、拱手して声をかけた。
「天師張暠が長男、張応究と申します。英貞童女様に、お願いがあって参りました」
少しして、英貞童女と六合慧女が現れる。
「何でしょう。まだ、術式は終わっていないのですけど」
「申し訳ございません。……例の百七星探しのことで、お願いがあるのです」
「伺いましょう」
「ありがとうございます。では」
そして応究は、いくつか話をした後、再び礼をして本堂を離れていった。
第二回 賀鋼先的復甦
如果不找回魔星,賀鋼先就無法徹底復活。
此刻的他,僅是暫時保有一絲生機而已。
◇
時間回到流星隕落之日。
龍虎山乃道教聖地,位於江南地區,以秀麗山河聞名。
李秀跋山涉水,終於來到此處。
昨日還是艷陽高照,今早卻飄起雪花。儘管路途崎嶇難行,但看著皚皚白雪覆蓋的奇岩怪石,李秀不禁展顏歡笑。
「長安哪見得到這番壯闊美景啊。路遠辛苦,但能到此一遊,心滿意足了!」
李秀脫下斗笠,任憑夾雜霜雪的寒風吹拂,舒暢地深吸一口氣。
「這位客官,歡迎來到龍虎山,不知您從何方而來?」
一聲招呼突然響起,李秀轉身一看,只見一輛載貨馬車漸漸靠近。車夫是位戴著鐵冠的年輕男子,他勒馬下車走來。李秀連忙重新戴上帽子,深怕被認出女兒身來。
「在下賀雷先,是本地人。要不要我給你帶路?外頭還在下雪呢,不如上車避避寒吧。」
為免聲音洩露身分,李秀壓低嗓音說:「不必了,我奉朝廷之命前來公幹。」
聽聞此言,雷先狐疑地打量李秀一番,瞪大眼睛說:
「公幹?你看著年紀輕輕的,真是朝廷命官?近來盜賊猖獗,還常有人冒充官員呢。該不會是什麼奸細吧,是不是來打探虛實的?」
「你在妄言什麼!」李秀震驚地喊道。
雷先不等她分辯,徑直從車上抽出一根棍子。
「給我滾遠點!別再靠近龍虎山!」
烏黑的棍影在銀裝素裹的世界中翩翩起舞。情急之下,李秀伸手到腰後,拔出雙戟架開了棍子,把個雷先嚇了一跳。
「果然是個賊人!你倒有兩下子,那我就認真起來了!」
眼見對方勢在必得,李秀也來了鬥志,擺出戰鬥姿態。
「我四海為家,全身筋骨都僵了。來吧,讓我好好活動活動!」
兩人踢起滿地落雪,揮舞兵器互相攻擊。雷先力大無窮,無論遠近都能靈活運用手中棍棒。但李秀也不遑多讓,身手矯捷,在千鈞一髮之際躲過攻擊,瞄準雷先的頭顱和下盤猛烈進攻。
激戰三十回合,兩敗俱傷,不分勝負,都精疲力盡地癱坐在路邊石頭上。這時,一封神秘的信函從李秀懷中滑落,看到信函,李秀恍然大悟。
「啊,通關文牒!我早該拿出來的。」
那是一紙由朝廷頒發的過關許可,上面蓋著鮮紅的大印。雷先定睛一看,驚訝地說:
「什麼,你真是朝廷官員?剛才差點傷了你!」
李秀氣鼓鼓地回道:「哼,下回再隨便動私刑,小心我不饒你!唉,舞刀弄棒的,渾身都熱了。」
她摘下帽子抹汗,卻沒留意到一陣狂風吹亂了柔順的青絲。
看到她的臉龐,雷先大吃一驚。
「咦?原、原來你是個女娘子!」
「糟糕!」
慌亂之中,李秀想重新戴回帽子,最後還是放棄了。
「沒錯,我因故喬裝男裝。算了,剛才你冒犯了我,就請你帶路去見張天師吧。」
雷先遲疑地點點頭,「就這麼辦吧。我正好是上清宮的道士,咱們走吧。」
二人一同乘馬車,很快就抵達了大本堂——上清宮。
◇
上清宮歷代都有一位教主,尊稱「張天師」 ,取其姓氏。現任天師名喚張曉,年屆花甲,法力高強且武藝非凡。此時,他正接見一位太史監派來的使者。
太史監專司天文曆法,眼前這位自稱李秀的使臣雖然男裝打扮,卻原是一名秀麗的少女。
她懇求張天師開放龍虎山所藏的觀星紀錄供她查閱。張天師回答說:
「此乃本山機密,非同小可,除非李秀姑娘有正當理由。」
李秀點頭,嚴肅地說:「不好意思唐突來訪。實不相瞞,太史監在整理記錄時,發現天罡地煞一百零八星在50年前就消失於天象,不知張天師可有所悉?」
聽到這話,張天師的臉色瞬間沉了下來,「這個嘛,我是聽說過,但看似對世道人心影響不大,所以也就沒特意上報了。」
「那麼,還請張天師准許在下覆核貴山記錄。」
李秀語氣犀利地提出要求。
「……我知道了。」張天師嘆了口氣,吩咐雜役道士前往倉庫取檔案。
當日,龍虎山大雪紛飛,道路泥濘難行。負責雜役的賀氏兄弟抱著厚重的星象志,在風雪中趕往張天師處。
日暮時分,天色漸暗,梅花怒放,但他們無暇欣賞。
兄弟倆帶著冰冷的身軀走下山坡,穿過樹林。突然,雷先指著高空大喊:「你看,是顆流星!」
鋼先抬頭望天。
「真的耶,這夠資格記進觀星志裡了。」
然而,鋼先隨即覺得不對勁,「大哥,天上烏雲密布,怎麼看得見流星?」
話音未落,一團巨大的光球伴隨震耳欲聾的巨響,直撲兩人而來。
「不好,快閃開!」
鋼先猛力將雷先推開,自己卻被流星撞個正著,頃刻間血肉模糊、氣絕身亡。
「發、發生什麼事了?打雷了嗎?」
遠處的張天師聽到巨響,心生疑竇。他帶著李秀來到外頭察看,眾多道士和百姓也紛紛跑出來。
看到長子應究,張天師問道:「應究,剛才的巨響是怎麼回事?莫非出事了?」
應究答道:「還不清楚。總之我先去安撫大家的情緒。」
將此事交代給兒子,張天師朝聲音傳來的方向走去。只見山腳下濃煙滾滾,竟引發了小火災。張天師和李秀加快腳步前往查看,卻在茫茫白雪中發現一個神秘人影。
定睛一看,是個身材魁梧的武將,懷中還抱著一個人。
「那人……是山上的弟子嗎?」
李秀問道。張天師搖了搖頭。
兩人跑近一瞧,那武將開口說:「這少年剛才不幸身亡。我好不容易才把他的魂魄給攔下。」
張天師定睛一看,簡直不敢相信眼前所見,「這、這不就是我派去倉庫的小夥子嗎!」
此時,應究和雷先也趕到了。應究大聲說:「爹,不好了!聽說雷先的弟弟被流星砸中啦!」
張天師說:「嗯,人就在這裡……看來是出了大事啊。」
他再次打量那位武將。
「敢問閣下尊姓大名?」
應究、李秀、雷先也紛紛將目光投向對方。武將抱緊鋼先的遺體,挺起胸膛回答:
「我乃天魁星,統領天罡地煞一百零八星之首。」
說著,他以真摯的眼神向眾人致歉。
「什麼?你、你就是天上那一百零八星?」
張天師聽了,目瞪口呆。心中疑問叢生,但眼下最要緊的是鋼先的情況,於是連忙邀請武將來到上清宮正殿。
張天師讓人把鋼先平放在供桌上。只見遺體遍體鱗傷,慘不忍睹。
「喂,你說你是天魁星是吧?我們剛才還聊到你們呢。話說回來,你怎麼會撞到他?」
張天師瞪著天魁星。對方恭恭敬敬地行了個禮,說:
「實在抱歉。因為有種不祥之感,所以才拼命往前飛。」
「就這樣?」
「是的,就這樣。」
天魁星又行了個大禮。張天師則氣沖沖地锤著桌子。
這時,李秀想借由龍虎山的星象志查個明白。但觀星記錄在剛才的劇烈碰撞下破爛不堪,已無法辨認。她指著自己帶來的太史監記錄說:
「你們一百零八位星君如今都下凡了,所以才不見蹤影。」
張天師揮手趕人,憤怒地說:「還不快滾回天庭!把這事稟告西王母,讓你們統統受罰!」
就在這時,應究望向窗外,像是發現了什麼,「爹,有一群陌生人朝我們這兒走來了。」
眾人趕緊來到外頭,只見一支隊伍排成一列,為首的是位身著華服的女子,架勢不小。
「這是什麼情況?該不會是哪家貴婦吧?」
雷先剛說完,張天師便皺起眉頭,「不、不會吧,沒想到連她也來了。」
「誒?天師認識他們?」
「豈止認識啊,她可是西王母的使者—— 英貞童女。只是不知她此來何意……」
沒錯,來者全是女眷。
兩名侍女向張天師行禮,退到隊伍兩側。英貞童女款款而來,雖稱「童女」 ,卻是位美貌絕倫的仙姑。
她說:「別來無恙,張天師。聽聞貴處來了一位天魁星?」
張天師趕忙還禮,說道:「正是。那星君從天而降,不慎撞死了本山一名弟子。」
英貞童女睜大眼睛,「竟、竟有此等荒唐事!這是何時發生的?」
「就在剛才。唉,不勝唏噓啊。」
張天師嘆了口氣。英貞童女瞥見鋼先胸前微弱的光芒,搖頭道:
「天師寬心,此人魂魄尚在。容我設法。九天玄女、六合慧女,速速準備法器。」
她朝身旁兩名下屬吩咐。
九天玄女答道:「遵命。就由我施法吧。六合,妳來幫我的忙。」
「好的,姊姊。」
眾目睽睽之下,九天玄女走進正殿,取出葫蘆往鋼先身上灑水,又脫下外袍蓋在他身上。接著,她從六合慧女手中接過護符,置於鋼先身上,隨即結印念咒。法事完畢,她長吁一口氣。
「這是在做什麼?」
張天師問道。九天玄女整了整衣襟,答道:
「我用靈水修復他的肉身,這樣可以多爭取一些時日。」
「妳、妳的意思是,能讓他起死回生?」
英貞童女搖了搖頭。
「目前還不行。靈魂一旦出竅,就難以長久附體。據說人間有一種靈藥名叫『返魂丹』,服了就能重塑魂魄。但尋找此藥需時頗久,在這期間,必須有人進入他的身體,暫時維繫魂魄。」
「這、這怎麼可能?」
張天師滿臉狐疑。九天玄女解釋道:
「這是極其罕見的秘法,就連天界也只有屈指可數的仙人能施展。利用旁人的魂魄牽引目標靈魂。但若是凡人,其中一方就會失去肉身。所以這任務非得由天界眾完成不可。」
天魁星忽然站了出來,自告奮勇道:
「鋼先之傷,乃我一時失手所致。這項任務就交給在下了。」
「什、什麼?」
張天師等人面面相覷,一臉不安。英貞童女卻苦笑著說:
「張天師雖有所顧慮,但眼下也只能如此了。天魁星為人魯莽,但忠厚老實,責任心強,此事就交給他比較穩妥。」
張天師趕緊說:「哪、哪裡的話。我明白了。只要童女及時備妥返魂丹,就沒問題。」
然而李秀卻一臉疑惑地打岔道:「可是這樣不要緊嗎?太史監的記載顯示,一百零八星有聚合的趨勢。若讓天魁星附身,恐怕會……」
英貞童女心領神會,點頭接話:「餘下一百零七星會被鋼先吸引過來,是吧。他們居然偷溜下凡,明明早有禁令不許擅闖人間。」
天魁星在英貞童女的注視下,趕忙躬身賠罪。
英貞童女嚴肅地說:「對鋼先而言雖然不太公平,但還是要麻煩他協助尋回一百零七星。恐怕那些星宿已經附在凡人身上逍遙法外了。為了阻止這一切,鋼先必須踏上星宿尋訪之旅。」
聽到這唐突的要求,張天師驚愕地說:「這、這……鋼先又沒犯什麼滔天大罪,怎能受此奇冤。」
見張天師為難,雷先站出來說:「天師,只要弟弟還有一線生機,不管多危險,我都會陪他走下去的!」
「這樣啊。既然如此……」
張天師終於點頭同意。正當眾人鬆了口氣,英貞童女卻要大家迴避。
「接下來天魁星要與鋼先合體,屆時會迸發強光,恐傷了在座各位的眼睛,還請迴避。」
張天師等人退出正殿,關上大門。藍白色光芒透過門縫激射而出,在雪地上反射出炫目光暈。
過了好一會兒,大門終於打開。英貞童女和六合慧女走出,對眾人說:
「法術十分高深,或許要持續到明早。諸位無需在此久候,請先行歇息吧。」
眾人聽罷,便各自散去。
◇
然而不久,張應究折返正殿,恭恭敬敬地施了一禮。
「天師張曉之長子張應究,有要事求見英貞童女。」
英貞童女和六合慧女應聲而出。
「何事?法術尚未完成呢。」
「非常抱歉……關於方才尋找一百零七星之事,晚輩有一事相求。」
「但說無妨。」
「是。那麼……」
應究壓低聲音說了幾句,再次一揖,離開了正殿。
魔星を集めなければ、賀鋼先は生き返れない。
今は、仮に生きている状態である。
◇
話は流星の日に戻る。
道教の聖地、竜虎山は江南地方(長江の南)にあり、河と岩山の美しい景勝区である。
李秀は長い旅をして、ようやくここにたどり着いた。
昨日までは青空が広がっていたが、今日は朝から雪に降られてしまった。歩きづらくはあったが、大小の岩山が雪景色にかすんでそびえ立っているのを見て、李秀は顔をほころばせる。
「こんなすごい景色、長安にいたら観られなかったな。遠かったけど、来て良かった!」
旅装の帽子を脱ぎ、雪交じりの寒い風を顔いっぱいに浴びて、李秀は大きく息をついた。
「やあやあ、観光だね。ようこそ竜虎山へ。どちらから来られたのかな?」
不意に声をかけられて、李秀は振り向く。
一人乗りの荷馬車が近づいて来ていた。乗り手の若者は鉄冠をつけていて、馬を止めて歩み寄ってくる。李秀は、自分が男装しているのを思い出し、慌てて帽子をかぶり直した。
「俺は賀雷先、この土地の者だ。よければ案内しよう。あいにくの雪だから、乗って行きなよ」
李秀は、声色で女と覚られないよう、低くつぶやくように告げる。
「いえ、自分は公務の者。お心遣いは無用」
それを聞き、雷先は首を傾げる。
「公務? 見たところずいぶん若いけど、本当にお役人かい?」
そしてじろじろと李秀を見た後、目付きをきつくして言った。
「最近は盗賊が増えていて、役人になりすますのもいるそうだ。竜虎山にも、よく泥棒が入る。お前、どうも怪しいぞ。下調べに来たな?」
「はぁあ?」
見当違いのことを決めつけられて、李秀はびっくりした。しかし雷先は説明する暇も与えず、荷車から棒を取り出し、李秀に打ちかかる。
「出て行け! 二度と近づくな!」
真っ白な景色の中に、あざやかな黒檀の棒が舞った。李秀は、仕方なく腰の後ろに手を回し、双戟を抜いて棒を弾き返す。雷先は、驚きながら指を突きつけた。
「やっぱり盗賊か。たいそうな武器を持ってるじゃないか。よし、本気で行くぞ!」
李秀も頭に血が上り、半身になって構える。
「旅続きで、ちょうど腕が鈍っていたところよ。来なさい!」
二人は雪を蹴り散らしながら、それぞれの武器を振るって闘った。雷先は力強く、遠い距離から棒を突き、あるいは打ち下ろす。李秀はひらりとそれを躱しながら、雷先の首を狙い、即座に足下を斬り付け、高速に攻め続ける。
結局、幾度も武器を打ち合わせたが、勝敗は決まらず、互いに疲れて路傍の石に座り込んだ。
そのとき、李秀の懐から一通の手紙が落ちる。それを見て、李秀ははっとして言った。
「あっ、通行証。これを見せれば良かったんだ」
政府が発行した、関所を通るための公文書で、しっかりと印鑑も押されている。雷先もそれをのぞき込み、びっくりして言った。
「なんだ、本当に役人だったのか。危うく怪我をさせるところだったぞ!」
李秀が、むっとして言い返す。
「ふん、いきなり殴りかかってきたくせに。ああ、暑くなっちゃった」
李秀は帽子を脱いで汗をふいた。そのとき、強く風が吹き、髪が解けて流れた。
「あれ? お前、お、女の子か?」
「しまった」
李秀は慌てて帽子をかぶろうとしたが、あきらめて開き直った。
「そうよ。わけがあって、男装してたの。ねえ、勘違いのお詫びに、張天師さまのところに案内しなさいよ」
雷先は、おたおたしながら頷いた。
「ああ、案内しよう。俺は、上清宮の道士なんだ。待ってくれ、荷台を片付ける」
二人は馬車で道を行き、やがて大本堂の道観、上清宮に到着した。
◇
上清宮には代々続く教主がおり、その姓を取って張天師と呼ばれている。現天師の張暠は齢六十、法力と武術に優れた偉丈夫であった。
張天師は、都・長安の太史監から来た使いに接見した。太史監とは、天文や暦を扱う部署である。
李秀と名乗ったその令史(役職の名称)は、男装していたが、実際には少女だった。
張天師は彼女から、竜虎山に保管してある星観(星占い)の記録を見せてほしいと依頼された。張天師は答える。
「当山の記録は部外秘ゆえ、理由をお聞かせいただきたい、李秀どの」
李秀は頷くと、厳しい表情で言った。
「突然の訪問で申し訳ありません。実は最近、太史監で記録を整理したところ、天罡地煞の百八星が、もう五十年ほど前から天体から姿を消していると判明しました。ご存知ですか?」
張天師は、さっと顔色が曇る。
「まあ、一応は知っていたが。特に問題は起きていないし、こちらからは報告していなかったな」
「当方の記録と、照合させていただきたいと思いまして」
李秀は鋭く返す。張天師の眼が、宙に泳いだ。
「さて、その件まで記録していたかな。お待ちいただきたい、今、写しをとらせよう」
写し、という言葉に、李秀は不審を顔に出して言う。
「できれば原本を拝見したいのですが」
「……わ、わかった」
張天師はため息をついて承諾する。そして、雑務係の道士を倉庫に向かわせた。
◇
雪が、竜虎山の一帯を白く包んでいる。
雑務係の賀兄弟は、積雪で歩きにくい中、大きな記録帳を持って張天師の下へ急ぐ。
夕暮れも終わり、薄暗くなっていた。梅の花が香っているが、それを楽しむゆとりはない。
凍えながら丘を下り、林を抜けたところで、雷先が空を指さした。
「おい、流れ星だ。大きいぞ」
「本当だ。星観の記録に載りそうなくらいだな」
ほほ笑んで答えた鋼先だったが、表情を険しくした。
「空は雲でいっぱいだ。どうして星なんか見える?」
そう言ったとき、光をまとった何者かが、轟音と共に落ちてきた。
「危ない!」
鋼先は、咄嗟に兄を突き飛ばす。同時に、光が激突した。
鋼先は全身が砕け散り、息絶えた。
◇
「何事だ。落雷でもあったか」
流星の落ちた音に、張天師も驚いた。
李秀を伴って外へ出てみると、道士や人足たちがぞろぞろ出てきている。
息子の姿を見かけて、張天師は声をかけた。
「応究どうした、事故か」
「わかりません。とりあえず、皆を落ち着かせます」
息子の張応究にその場を任せて、張天師は音のした方へ歩いた。
丘の麓から煙が立っている。小さい火事が起きていた。張天師と李秀が急ぎ足で近づくと、雪景色の中に人影が見える。
屈強な武将であった。腕に人を抱えている。
「あちらは、ここの方ですか?」
李秀に問われて、張天師は首を振った。
二人が駆け寄ると、武将が言った。
「この若者、命を落としました。私がかろうじて魂魄は拾っておきましたが」
張天師は、その若者を見て驚く。
「これは、倉庫へ使いに出した者だ」
そのとき張応究が、雷先と共に走ってきた。
「父上、大変です。賀雷先の弟が、流星と衝突したそうです」
張天師はそれに応えて
「うむ、ここにいるぞ。なにやら妙なことになったようだ」
そして、今一度武将を見た。
「で、貴殿は?」
張天師がいぶかしみながら訊ねる。応究、李秀、雷先も、武将に注目した。
武将は、鋼先を抱えたまま、ぐっと胸を張る。
「私は、天魁星。天罡地煞百八星を統べている者です」
そして、目礼で詫びを示した。
「なに。あの、天界にいた百八星か?」
張天師は、驚いて目を瞠る。しかし、鋼先が心配なので質問は後にし、手招きして本堂の上清宮へ誘った。
張天師は、鋼先を供物壇に寝かせる。
目を背けたくなるほど、遺体は激しく損傷していた。
「おい、天魁星と言ったな。こちらはちょうど、お前達の話をしていたところだ。なぜ、あの者にぶつかったりした」
張天師がにらみつけると、天魁星は恭しく礼をした。
「申し訳ござらぬ。いやな予感がした故、必死で飛んでおりました」
「それだけなのか」
「はあ、それだけでござる」
天魁星はまた礼をする。張天師はいらいらして、卓を叩いた。
李秀は、竜虎山の星観録を見ていた。といっても、天魁星との衝突でぼろぼろになり、解読は不可能な状態である。そして、自分で持ってきた太史監の星観録を指して言った。
「あなたたち百八星は、今は下界に降りてきているということね。だから星観の記録に載っていないんだ」
張天師は、息巻いて手を振る。
「さっさと天界へ帰れ! この件を西王母娘娘(天界を統べる女神。娘娘は尊称)に申し上げて、処罰を受けさせてやる」
そのとき、応究が外を見た。
「父上、誰か来ます。大勢です」
一同が表へ出てみると、豪華な紅い衣装をまとった女性を中心に、横一列に並んだ団体が歩いてくる。旗指物まで掲げ、かなりものものしい。
「何でしょう。どこかの貴婦人ですか」
雷先が言うと、張天師が眉をひそめていった。
「……まさか、今ここに来るとは」
「お知り合いですか」
「知り合いなどと恐れ多い。西王母娘々の使者、英貞童女様だ」
一行は全員女性だった。
二人の先導係が張天師に一礼して左右によけると、英貞童女が歩み寄ってきた。呼称は童女だが、顔つきは立派な管理職である。
「張天師どの、ご機嫌よう。こちらに、天魁星という星神が来てはおりませぬか」
張天師は畏まって拝礼し
「はい。天より飛来し、当山の者に衝突して死なせたので、恐れながら詰問しておりました」
英貞童女は目を丸くして
「そんなことを。いつ頃ですか」
「つい先ほどです。残念でなりません」
張天師は嘆息したが、英貞童女は鋼先の胸元に乗った淡い光を見て、首を振る。
「いえ、魂魄がまだ、そこにありますね。こちらで何とかいたします。九天玄女に六合慧女、術式の準備を」
英貞童女はそう言って、配下に指示を出した。
九天玄女が言う。
「畏まりました。では、私が進めます。六合、手伝ってください」
「はい、姉さん」
張天師たちが見守っていると、九天玄女は本堂に入り、瓢箪を取り出して鋼先の体に水をかけ、自分の着ていた衣をかぶせた。
次に六合慧女から護符を受け取り、鋼先の体に置いていく。
そして印を結んで呪文を唱えると、大きく息をついた。
「何をなされたのですか」
張天師が聞くと、九天玄女は襟を整えながら答えた。
「肉体を薬水で修復しました。とりあえず時間は稼げます」
「生き返る、ということですか」
しかし英貞童女は首を振る。
「完全には無理です。魂魄が一度出てしまったので、肉体に定着しません。反魂丹という秘薬があれば叶うそうですが、それを探すのに、日を要します。その間、誰かが彼の中に入り、魂魄を繋ぎ止めなければなりません」
「そんなことが可能なのですか」
張天師が疑わしく言うと、九天玄女は答えて
「かなり特殊な術式で、天界でも数名しか使えません。魂魄で魂魄を繋ぐのです。ただし、人間同士では片方が肉体を失うことになるので、天界の者が入るべきですね」
すると、急に天魁星が進み出て言う。
「鋼先どのの怪我は、それがしの過失。どうか、それがしをお使いいただきたい」
「なんと」
張天師たちは、不安げに顔を見合わせた。そして英貞童女を見ると、彼女は苦笑して言う。
「お気は進まぬと思いますが、今はこうするしかないでしょう。天魁星は、荒っぽいところはありますが、篤実で、責任感もあります。任せて大丈夫だと思います」
と礼をした。
張天師は慌てて手を振り、
「もったいないことを。承知しました。いずれ反魂丹とやらを用意していただけるのなら、それで結構でございます」
と同意する。
そのとき李秀が、困った顔で場を割った。
「あの、いいですか。百八星は、散ってはまた集まる性質がある、と太史監の記録にあります。天魁星がこの人に入ったら、ひょっとして……」
英貞童女が、頷いて言う。
「残りの百七星が、鋼先に引き寄せられることになるでしょう。彼らはこっそり天界を抜け出していました。粗暴なので、勝手に人界に下りてはならないと決められていましたのに」
英貞童女の視線を受けて、天魁星が恐縮の礼をする。
そして英貞童女は、口調を事務的に改めて言った。
「鋼先には気の毒なのですが、彼に、百七星を集めてもらうことになります。おそらく、百七星は人界の何かに憑依して生活しているので、それを探す旅に出ることに」
唐突な話になり、張天師は愕然として言った。
「それは……。何の罪もないのに、ご無体なことを」
張天師が憂色を示していると、雷先が進み出て言った。
「天師様。弟も、自分の命が助かるなら、何でもやると思います。危険はあるでしょうが、旅には私も付き添いますので」
「そうか。そう言うなら……」
と、張天師は申し出を受け入れる。
話がまとまったのを見て、英貞童女が言った。
「では皆さん、外に出ていてください。天魁星を鋼先と融合させますが、強い光が起こるそうです。目を痛めるといけません」
張天師たちが本堂の外に出て扉を閉めると、隙間から青白い光が何度も点滅した。それは雪面に反射して、目を刺すような明るさが散る。
しばらくして扉が開き、英貞童女と六合慧女が出てきた。
「難しい術なので朝までかかるそうです。皆様は、もうお休みください」
そう言われて、一同はそれぞれ帰って行く。
◇
しかし、少し経ってから、張応究が本堂へ戻り、拱手して声をかけた。
「天師張暠が長男、張応究と申します。英貞童女様に、お願いがあって参りました」
少しして、英貞童女と六合慧女が現れる。
「何でしょう。まだ、術式は終わっていないのですけど」
「申し訳ございません。……例の百七星探しのことで、お願いがあるのです」
「伺いましょう」
「ありがとうございます。では」
そして応究は、いくつか話をした後、再び礼をして本堂を離れていった。
第二回 賀鋼先的復甦
如果不找回魔星,賀鋼先就無法徹底復活。
此刻的他,僅是暫時保有一絲生機而已。
◇
時間回到流星隕落之日。
龍虎山乃道教聖地,位於江南地區,以秀麗山河聞名。
李秀跋山涉水,終於來到此處。
昨日還是艷陽高照,今早卻飄起雪花。儘管路途崎嶇難行,但看著皚皚白雪覆蓋的奇岩怪石,李秀不禁展顏歡笑。
「長安哪見得到這番壯闊美景啊。路遠辛苦,但能到此一遊,心滿意足了!」
李秀脫下斗笠,任憑夾雜霜雪的寒風吹拂,舒暢地深吸一口氣。
「這位客官,歡迎來到龍虎山,不知您從何方而來?」
一聲招呼突然響起,李秀轉身一看,只見一輛載貨馬車漸漸靠近。車夫是位戴著鐵冠的年輕男子,他勒馬下車走來。李秀連忙重新戴上帽子,深怕被認出女兒身來。
「在下賀雷先,是本地人。要不要我給你帶路?外頭還在下雪呢,不如上車避避寒吧。」
為免聲音洩露身分,李秀壓低嗓音說:「不必了,我奉朝廷之命前來公幹。」
聽聞此言,雷先狐疑地打量李秀一番,瞪大眼睛說:
「公幹?你看著年紀輕輕的,真是朝廷命官?近來盜賊猖獗,還常有人冒充官員呢。該不會是什麼奸細吧,是不是來打探虛實的?」
「你在妄言什麼!」李秀震驚地喊道。
雷先不等她分辯,徑直從車上抽出一根棍子。
「給我滾遠點!別再靠近龍虎山!」
烏黑的棍影在銀裝素裹的世界中翩翩起舞。情急之下,李秀伸手到腰後,拔出雙戟架開了棍子,把個雷先嚇了一跳。
「果然是個賊人!你倒有兩下子,那我就認真起來了!」
眼見對方勢在必得,李秀也來了鬥志,擺出戰鬥姿態。
「我四海為家,全身筋骨都僵了。來吧,讓我好好活動活動!」
兩人踢起滿地落雪,揮舞兵器互相攻擊。雷先力大無窮,無論遠近都能靈活運用手中棍棒。但李秀也不遑多讓,身手矯捷,在千鈞一髮之際躲過攻擊,瞄準雷先的頭顱和下盤猛烈進攻。
激戰三十回合,兩敗俱傷,不分勝負,都精疲力盡地癱坐在路邊石頭上。這時,一封神秘的信函從李秀懷中滑落,看到信函,李秀恍然大悟。
「啊,通關文牒!我早該拿出來的。」
那是一紙由朝廷頒發的過關許可,上面蓋著鮮紅的大印。雷先定睛一看,驚訝地說:
「什麼,你真是朝廷官員?剛才差點傷了你!」
李秀氣鼓鼓地回道:「哼,下回再隨便動私刑,小心我不饒你!唉,舞刀弄棒的,渾身都熱了。」
她摘下帽子抹汗,卻沒留意到一陣狂風吹亂了柔順的青絲。
看到她的臉龐,雷先大吃一驚。
「咦?原、原來你是個女娘子!」
「糟糕!」
慌亂之中,李秀想重新戴回帽子,最後還是放棄了。
「沒錯,我因故喬裝男裝。算了,剛才你冒犯了我,就請你帶路去見張天師吧。」
雷先遲疑地點點頭,「就這麼辦吧。我正好是上清宮的道士,咱們走吧。」
二人一同乘馬車,很快就抵達了大本堂——上清宮。
◇
上清宮歷代都有一位教主,尊稱「張天師」 ,取其姓氏。現任天師名喚張曉,年屆花甲,法力高強且武藝非凡。此時,他正接見一位太史監派來的使者。
太史監專司天文曆法,眼前這位自稱李秀的使臣雖然男裝打扮,卻原是一名秀麗的少女。
她懇求張天師開放龍虎山所藏的觀星紀錄供她查閱。張天師回答說:
「此乃本山機密,非同小可,除非李秀姑娘有正當理由。」
李秀點頭,嚴肅地說:「不好意思唐突來訪。實不相瞞,太史監在整理記錄時,發現天罡地煞一百零八星在50年前就消失於天象,不知張天師可有所悉?」
聽到這話,張天師的臉色瞬間沉了下來,「這個嘛,我是聽說過,但看似對世道人心影響不大,所以也就沒特意上報了。」
「那麼,還請張天師准許在下覆核貴山記錄。」
李秀語氣犀利地提出要求。
「……我知道了。」張天師嘆了口氣,吩咐雜役道士前往倉庫取檔案。
當日,龍虎山大雪紛飛,道路泥濘難行。負責雜役的賀氏兄弟抱著厚重的星象志,在風雪中趕往張天師處。
日暮時分,天色漸暗,梅花怒放,但他們無暇欣賞。
兄弟倆帶著冰冷的身軀走下山坡,穿過樹林。突然,雷先指著高空大喊:「你看,是顆流星!」
鋼先抬頭望天。
「真的耶,這夠資格記進觀星志裡了。」
然而,鋼先隨即覺得不對勁,「大哥,天上烏雲密布,怎麼看得見流星?」
話音未落,一團巨大的光球伴隨震耳欲聾的巨響,直撲兩人而來。
「不好,快閃開!」
鋼先猛力將雷先推開,自己卻被流星撞個正著,頃刻間血肉模糊、氣絕身亡。
「發、發生什麼事了?打雷了嗎?」
遠處的張天師聽到巨響,心生疑竇。他帶著李秀來到外頭察看,眾多道士和百姓也紛紛跑出來。
看到長子應究,張天師問道:「應究,剛才的巨響是怎麼回事?莫非出事了?」
應究答道:「還不清楚。總之我先去安撫大家的情緒。」
將此事交代給兒子,張天師朝聲音傳來的方向走去。只見山腳下濃煙滾滾,竟引發了小火災。張天師和李秀加快腳步前往查看,卻在茫茫白雪中發現一個神秘人影。
定睛一看,是個身材魁梧的武將,懷中還抱著一個人。
「那人……是山上的弟子嗎?」
李秀問道。張天師搖了搖頭。
兩人跑近一瞧,那武將開口說:「這少年剛才不幸身亡。我好不容易才把他的魂魄給攔下。」
張天師定睛一看,簡直不敢相信眼前所見,「這、這不就是我派去倉庫的小夥子嗎!」
此時,應究和雷先也趕到了。應究大聲說:「爹,不好了!聽說雷先的弟弟被流星砸中啦!」
張天師說:「嗯,人就在這裡……看來是出了大事啊。」
他再次打量那位武將。
「敢問閣下尊姓大名?」
應究、李秀、雷先也紛紛將目光投向對方。武將抱緊鋼先的遺體,挺起胸膛回答:
「我乃天魁星,統領天罡地煞一百零八星之首。」
說著,他以真摯的眼神向眾人致歉。
「什麼?你、你就是天上那一百零八星?」
張天師聽了,目瞪口呆。心中疑問叢生,但眼下最要緊的是鋼先的情況,於是連忙邀請武將來到上清宮正殿。
張天師讓人把鋼先平放在供桌上。只見遺體遍體鱗傷,慘不忍睹。
「喂,你說你是天魁星是吧?我們剛才還聊到你們呢。話說回來,你怎麼會撞到他?」
張天師瞪著天魁星。對方恭恭敬敬地行了個禮,說:
「實在抱歉。因為有種不祥之感,所以才拼命往前飛。」
「就這樣?」
「是的,就這樣。」
天魁星又行了個大禮。張天師則氣沖沖地锤著桌子。
這時,李秀想借由龍虎山的星象志查個明白。但觀星記錄在剛才的劇烈碰撞下破爛不堪,已無法辨認。她指著自己帶來的太史監記錄說:
「你們一百零八位星君如今都下凡了,所以才不見蹤影。」
張天師揮手趕人,憤怒地說:「還不快滾回天庭!把這事稟告西王母,讓你們統統受罰!」
就在這時,應究望向窗外,像是發現了什麼,「爹,有一群陌生人朝我們這兒走來了。」
眾人趕緊來到外頭,只見一支隊伍排成一列,為首的是位身著華服的女子,架勢不小。
「這是什麼情況?該不會是哪家貴婦吧?」
雷先剛說完,張天師便皺起眉頭,「不、不會吧,沒想到連她也來了。」
「誒?天師認識他們?」
「豈止認識啊,她可是西王母的使者—— 英貞童女。只是不知她此來何意……」
沒錯,來者全是女眷。
兩名侍女向張天師行禮,退到隊伍兩側。英貞童女款款而來,雖稱「童女」 ,卻是位美貌絕倫的仙姑。
她說:「別來無恙,張天師。聽聞貴處來了一位天魁星?」
張天師趕忙還禮,說道:「正是。那星君從天而降,不慎撞死了本山一名弟子。」
英貞童女睜大眼睛,「竟、竟有此等荒唐事!這是何時發生的?」
「就在剛才。唉,不勝唏噓啊。」
張天師嘆了口氣。英貞童女瞥見鋼先胸前微弱的光芒,搖頭道:
「天師寬心,此人魂魄尚在。容我設法。九天玄女、六合慧女,速速準備法器。」
她朝身旁兩名下屬吩咐。
九天玄女答道:「遵命。就由我施法吧。六合,妳來幫我的忙。」
「好的,姊姊。」
眾目睽睽之下,九天玄女走進正殿,取出葫蘆往鋼先身上灑水,又脫下外袍蓋在他身上。接著,她從六合慧女手中接過護符,置於鋼先身上,隨即結印念咒。法事完畢,她長吁一口氣。
「這是在做什麼?」
張天師問道。九天玄女整了整衣襟,答道:
「我用靈水修復他的肉身,這樣可以多爭取一些時日。」
「妳、妳的意思是,能讓他起死回生?」
英貞童女搖了搖頭。
「目前還不行。靈魂一旦出竅,就難以長久附體。據說人間有一種靈藥名叫『返魂丹』,服了就能重塑魂魄。但尋找此藥需時頗久,在這期間,必須有人進入他的身體,暫時維繫魂魄。」
「這、這怎麼可能?」
張天師滿臉狐疑。九天玄女解釋道:
「這是極其罕見的秘法,就連天界也只有屈指可數的仙人能施展。利用旁人的魂魄牽引目標靈魂。但若是凡人,其中一方就會失去肉身。所以這任務非得由天界眾完成不可。」
天魁星忽然站了出來,自告奮勇道:
「鋼先之傷,乃我一時失手所致。這項任務就交給在下了。」
「什、什麼?」
張天師等人面面相覷,一臉不安。英貞童女卻苦笑著說:
「張天師雖有所顧慮,但眼下也只能如此了。天魁星為人魯莽,但忠厚老實,責任心強,此事就交給他比較穩妥。」
張天師趕緊說:「哪、哪裡的話。我明白了。只要童女及時備妥返魂丹,就沒問題。」
然而李秀卻一臉疑惑地打岔道:「可是這樣不要緊嗎?太史監的記載顯示,一百零八星有聚合的趨勢。若讓天魁星附身,恐怕會……」
英貞童女心領神會,點頭接話:「餘下一百零七星會被鋼先吸引過來,是吧。他們居然偷溜下凡,明明早有禁令不許擅闖人間。」
天魁星在英貞童女的注視下,趕忙躬身賠罪。
英貞童女嚴肅地說:「對鋼先而言雖然不太公平,但還是要麻煩他協助尋回一百零七星。恐怕那些星宿已經附在凡人身上逍遙法外了。為了阻止這一切,鋼先必須踏上星宿尋訪之旅。」
聽到這唐突的要求,張天師驚愕地說:「這、這……鋼先又沒犯什麼滔天大罪,怎能受此奇冤。」
見張天師為難,雷先站出來說:「天師,只要弟弟還有一線生機,不管多危險,我都會陪他走下去的!」
「這樣啊。既然如此……」
張天師終於點頭同意。正當眾人鬆了口氣,英貞童女卻要大家迴避。
「接下來天魁星要與鋼先合體,屆時會迸發強光,恐傷了在座各位的眼睛,還請迴避。」
張天師等人退出正殿,關上大門。藍白色光芒透過門縫激射而出,在雪地上反射出炫目光暈。
過了好一會兒,大門終於打開。英貞童女和六合慧女走出,對眾人說:
「法術十分高深,或許要持續到明早。諸位無需在此久候,請先行歇息吧。」
眾人聽罷,便各自散去。
◇
然而不久,張應究折返正殿,恭恭敬敬地施了一禮。
「天師張曉之長子張應究,有要事求見英貞童女。」
英貞童女和六合慧女應聲而出。
「何事?法術尚未完成呢。」
「非常抱歉……關於方才尋找一百零七星之事,晚輩有一事相求。」
「但說無妨。」
「是。那麼……」
應究壓低聲音說了幾句,再次一揖,離開了正殿。
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