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1章3節 欲まみれの浸食
1-3,4 (42・43話)
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学校が終わった午後3時。
終わってすぐに出た。なぜなのか。
それはあの女の子が追いかけてくるから。
すぐに行方をくらませばあきらめてくれる。
これは2代目のおかげでもある。
こんなときに役に立つときがくるなんて。
なんともしょうもないことなのだろうか。
ちゃんとした尾行術も変なことに使いたくない。
女の子が追いかけてこないことを確認してすぐさま自転車をこぐ。
遠い遠い道のりを超えて事務所に向かう。
その途中、見たことのある顔を見た。
「あっ、シン君。学校終わったんやね。これから事務所に寄るん?」
「こいつと会うとろくなことにならないな」
検問をしていた西崎と岩城を見つける。
この2人は昔シンに助けられたことがあった。
それは命がけの事件。
本当はこの2人は死んでいたはずだった。
しかし、シンとの契約でこの世に生きている。
あるものを繋ぎながら。
「またいつもの検問なんですね。まだまだパシリにされてるなんてバカな警官だ」
「相変わらず口が悪いな、お前は。その口をホチキスでとめたいぐらいに成長しやがって」
いつもの口喧嘩が始まる。
この2人に関しては今でも仲が悪い。
岩城はそれを見物する役。
なかなかいいコンビになりそうな予感がする。
「まあまあ、そこまでにしましょうや。検問しなあきませんから」
「お前はいつもなだめるだけだな。反撃ぐらいしろよ」
「嫌です」
即答で返答する岩城。
ちょっと弱いへっぴり腰の人間が4年でここまで成長したのは誰のおかげなのだろうか。
「ねぇ、何かいい事件ない?」
「最近このへんで強盗事件があったらしいですよ。なんでも大きな金庫の中にあったお金が一気になくなったとかて噂ですよ」
「たかだか噂だからって気にはすんなよ?未成年君」
この数日前、強盗事件が発生したとのこと。
犯人の特徴もわかっておらず、金庫を見た時にはもうなくなっていたとのこと。
警察は周辺の聞き込みをするも、怪しい人物は見ていないとのこと。
金は数千万円あったのだが、一瞬でもぬけのからになっていた。
そんな大金を持っていた人間がいるのに誰も見ておらず、そしてみつかってもいないというのは不自然だった。
警察もこのことに関しては手に負えないとのことから特殊魔道対策室に回されたのだ。
実際の資料は夜にくるとのことでそれからはその事件に集中しなければいけなくなった。
「そうか・・・まあ、いいや。わかったら電話して。それと西崎警部、検問サボんないでくださいね。サボったら上の人間に報告しますから」
そういって自転車をこいで行ってしまった。
肝心なことを言おうとしたところを言い逃してしまった。
「あいつ・・・いつもこんな感じなんだよな・・・しかも、脅し付きとは舐められてんな」
「いいんやないですか。いつも振り回されてるんですから」
そう言いながら検問の続きをしていた。
対策室の仕事はこの検問が始まってから始まっていたことをまだ知らない。
事務所に着いて事件の内容を整理していくシン。
魔探偵となった今暇を持て余す時間なんてない。
日々事件は繰り返される。
担当している事件は4つ。
まあまあの事件の数を持っているシンにとっては忙しさを増す。
でも、父親の数よりは少ない。
これでもまだ見習いに近いぐらいの事件の数だった。
見返すためにも日々努力していく。
「これの原因は口論・・・。これは近隣とのいざこざ・・・」
どんな資料にも目を通す。
1文1文をしっかりと確認していきながら頭の中で整理をしていく。
わかればすぐに現場に向かって魔道の退治。
それの繰り返しが毎日ある。
ゆっくりしているくらいの時間は少しだけしか与えられない。
それでも世の中がよくなるならシンは命を削りながらでも事件を解決していく。
「よしっ!ねぇ、武器用意しといて。すぐにこの事件の場所まで向かって犯人捕まえるから」
誰と話をしているのか。
中にいるのは女の姿のみ。
前にはいなかったが、正式な魔探偵になれば秘書がつくようになっている。
武器管理や事件の提供は全部秘書がしてくれる。
4年前の時よりだいぶマシにも思えてくる。
シンの使っているのは太刀。
名前は飛騨鳥・月風。
シンが初めて魔探偵になったときに父、清一郎にもらったものだ。
それ以来はこれを使って魔道を退治している。
魔道を倒して人を関心させる。
それが魔探偵の仕事。
でも、剣を持っていることは銃刀法違反にならないだろうか。
それはならない。
魔探偵には銃刀法違反にはならない。
そういう職務があるため銃刀法違反にはならないように魔探偵の法が決めたのだ。
これで存分に魔道を退治することができる。
もちろん人間にも向ければ普通の太刀と同じ切れ味を持っている。
でも、これは普通の太刀とは違う。
魔探偵ではない人間が触れば魔剣になる。
いわば魔道が憑りついた人間と同じ状態になる。
暴走状態になり、一時的の記憶障害を起こすこともある。
なので、これは一般人が触れないように学校や会社全体にも報告されているのだ。
しかし、この場合は違う。
魔探偵の側近の場合は触れてもいいことになっている。
側近でもそういった武器を所持してもいいことになっているから。
なので魔探偵に側近として雇うときは武器も与えるようになっているのだ。
いつ何があってもいいように。
そうやって魔探偵は成り立っている。
ブラック企業と言われていてもお構いない。
これが魔探偵の仕事なのだから。
シンが仕事をしているころ、部屋に置いてあったシンの携帯が鳴った。
電話先は西崎。
シンに頼んだ仕事の依頼をするところだろう。
しかし、出るわけもない。
本人がいないのに他人が電話を取るのも迷惑になる。
その本人が気づいたのは仕事が終わって自宅に帰るころになった。
終わってすぐに出た。なぜなのか。
それはあの女の子が追いかけてくるから。
すぐに行方をくらませばあきらめてくれる。
これは2代目のおかげでもある。
こんなときに役に立つときがくるなんて。
なんともしょうもないことなのだろうか。
ちゃんとした尾行術も変なことに使いたくない。
女の子が追いかけてこないことを確認してすぐさま自転車をこぐ。
遠い遠い道のりを超えて事務所に向かう。
その途中、見たことのある顔を見た。
「あっ、シン君。学校終わったんやね。これから事務所に寄るん?」
「こいつと会うとろくなことにならないな」
検問をしていた西崎と岩城を見つける。
この2人は昔シンに助けられたことがあった。
それは命がけの事件。
本当はこの2人は死んでいたはずだった。
しかし、シンとの契約でこの世に生きている。
あるものを繋ぎながら。
「またいつもの検問なんですね。まだまだパシリにされてるなんてバカな警官だ」
「相変わらず口が悪いな、お前は。その口をホチキスでとめたいぐらいに成長しやがって」
いつもの口喧嘩が始まる。
この2人に関しては今でも仲が悪い。
岩城はそれを見物する役。
なかなかいいコンビになりそうな予感がする。
「まあまあ、そこまでにしましょうや。検問しなあきませんから」
「お前はいつもなだめるだけだな。反撃ぐらいしろよ」
「嫌です」
即答で返答する岩城。
ちょっと弱いへっぴり腰の人間が4年でここまで成長したのは誰のおかげなのだろうか。
「ねぇ、何かいい事件ない?」
「最近このへんで強盗事件があったらしいですよ。なんでも大きな金庫の中にあったお金が一気になくなったとかて噂ですよ」
「たかだか噂だからって気にはすんなよ?未成年君」
この数日前、強盗事件が発生したとのこと。
犯人の特徴もわかっておらず、金庫を見た時にはもうなくなっていたとのこと。
警察は周辺の聞き込みをするも、怪しい人物は見ていないとのこと。
金は数千万円あったのだが、一瞬でもぬけのからになっていた。
そんな大金を持っていた人間がいるのに誰も見ておらず、そしてみつかってもいないというのは不自然だった。
警察もこのことに関しては手に負えないとのことから特殊魔道対策室に回されたのだ。
実際の資料は夜にくるとのことでそれからはその事件に集中しなければいけなくなった。
「そうか・・・まあ、いいや。わかったら電話して。それと西崎警部、検問サボんないでくださいね。サボったら上の人間に報告しますから」
そういって自転車をこいで行ってしまった。
肝心なことを言おうとしたところを言い逃してしまった。
「あいつ・・・いつもこんな感じなんだよな・・・しかも、脅し付きとは舐められてんな」
「いいんやないですか。いつも振り回されてるんですから」
そう言いながら検問の続きをしていた。
対策室の仕事はこの検問が始まってから始まっていたことをまだ知らない。
事務所に着いて事件の内容を整理していくシン。
魔探偵となった今暇を持て余す時間なんてない。
日々事件は繰り返される。
担当している事件は4つ。
まあまあの事件の数を持っているシンにとっては忙しさを増す。
でも、父親の数よりは少ない。
これでもまだ見習いに近いぐらいの事件の数だった。
見返すためにも日々努力していく。
「これの原因は口論・・・。これは近隣とのいざこざ・・・」
どんな資料にも目を通す。
1文1文をしっかりと確認していきながら頭の中で整理をしていく。
わかればすぐに現場に向かって魔道の退治。
それの繰り返しが毎日ある。
ゆっくりしているくらいの時間は少しだけしか与えられない。
それでも世の中がよくなるならシンは命を削りながらでも事件を解決していく。
「よしっ!ねぇ、武器用意しといて。すぐにこの事件の場所まで向かって犯人捕まえるから」
誰と話をしているのか。
中にいるのは女の姿のみ。
前にはいなかったが、正式な魔探偵になれば秘書がつくようになっている。
武器管理や事件の提供は全部秘書がしてくれる。
4年前の時よりだいぶマシにも思えてくる。
シンの使っているのは太刀。
名前は飛騨鳥・月風。
シンが初めて魔探偵になったときに父、清一郎にもらったものだ。
それ以来はこれを使って魔道を退治している。
魔道を倒して人を関心させる。
それが魔探偵の仕事。
でも、剣を持っていることは銃刀法違反にならないだろうか。
それはならない。
魔探偵には銃刀法違反にはならない。
そういう職務があるため銃刀法違反にはならないように魔探偵の法が決めたのだ。
これで存分に魔道を退治することができる。
もちろん人間にも向ければ普通の太刀と同じ切れ味を持っている。
でも、これは普通の太刀とは違う。
魔探偵ではない人間が触れば魔剣になる。
いわば魔道が憑りついた人間と同じ状態になる。
暴走状態になり、一時的の記憶障害を起こすこともある。
なので、これは一般人が触れないように学校や会社全体にも報告されているのだ。
しかし、この場合は違う。
魔探偵の側近の場合は触れてもいいことになっている。
側近でもそういった武器を所持してもいいことになっているから。
なので魔探偵に側近として雇うときは武器も与えるようになっているのだ。
いつ何があってもいいように。
そうやって魔探偵は成り立っている。
ブラック企業と言われていてもお構いない。
これが魔探偵の仕事なのだから。
シンが仕事をしているころ、部屋に置いてあったシンの携帯が鳴った。
電話先は西崎。
シンに頼んだ仕事の依頼をするところだろう。
しかし、出るわけもない。
本人がいないのに他人が電話を取るのも迷惑になる。
その本人が気づいたのは仕事が終わって自宅に帰るころになった。
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