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第3章
事情
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「カゲはいつからいたんだ?」
「もともとここにいたさ」
いつも知らぬ間に現れるカゲ。しかも、タイミングがいつもいい気がする…。
「海袮のことだけどさ」
「うん」
「僕もよく知らないけど、噂によるとね、この世界の亡霊みたいなものらしいよ」
「亡霊……?」
おかしなことを言うカゲ。いつものことだが。
「噂だから。でも確かに彼女は昔から存在していた人物なんだ。十輝も知っているはず」
「なんだかよくわからないよ。亡霊だとか何だとか。じゃぁ、僕が見ている海袮は幻なのか?もしもこの話が本当なら、海袮が見えている人たちは幻を見ているにすぎないじゃないか」
「確かに。でも、この世界に亡霊なんて存在しない。生身の人間しかいない。だから、幻とも言えないんだ。さっきも言ったけど、亡霊みたいな存在だから、もしかしたら何回もこの世界で生まれ変わって、前世の記憶が残っていたりするかもしれないだろ?」
「………?」
「まぁ、不思議な存在って思っとけばいいさ」
「最初っからそれを言ってほしかった」
「ん?だって彼女のこと気になってたから説明してあげたのに。ただでさえ説明しないと納得しないんだから」
僕は、しばらくの間何も言わなかった。
「もともとここにいたさ」
いつも知らぬ間に現れるカゲ。しかも、タイミングがいつもいい気がする…。
「海袮のことだけどさ」
「うん」
「僕もよく知らないけど、噂によるとね、この世界の亡霊みたいなものらしいよ」
「亡霊……?」
おかしなことを言うカゲ。いつものことだが。
「噂だから。でも確かに彼女は昔から存在していた人物なんだ。十輝も知っているはず」
「なんだかよくわからないよ。亡霊だとか何だとか。じゃぁ、僕が見ている海袮は幻なのか?もしもこの話が本当なら、海袮が見えている人たちは幻を見ているにすぎないじゃないか」
「確かに。でも、この世界に亡霊なんて存在しない。生身の人間しかいない。だから、幻とも言えないんだ。さっきも言ったけど、亡霊みたいな存在だから、もしかしたら何回もこの世界で生まれ変わって、前世の記憶が残っていたりするかもしれないだろ?」
「………?」
「まぁ、不思議な存在って思っとけばいいさ」
「最初っからそれを言ってほしかった」
「ん?だって彼女のこと気になってたから説明してあげたのに。ただでさえ説明しないと納得しないんだから」
僕は、しばらくの間何も言わなかった。
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