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ep4

キャンディー海賊団

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ー シーナ、作戦は?ー

ー ペテン師を騙す。
あっちの船長は、ペテン師だって言うから、騙されたフリをするのよ ー

ー どうやって?ー

ー ランは、私の指示どうりにしてくれるだけで、いいわ ー

ー 教えてくれないんですか?ー

ー この作戦は、ランにかかっているのよ。ー

ー 馬語をバージョンアップするから、来て ー

ー 飛びながらなんて無理ですよ。ー

ー そうかしら?ー

シーナは背面飛行をして、ランの真下に来た。

ー これでどう?ー

ー アクロバティックですね ー

ー 多少落下しても危なく無いように高く上がるわよ ー

ー はあ~~い ー





ー シーナー まだぁ~?
もうオルカ号がおもちゃみたいに小さくなってますよ ー

ー そろそろいいわね ー

シーナは、背面飛行でランの下に入り、ランの胸を掴もうとしたが、なかなかタイミングが合わない。

〈抱きついたほうが良さそうね〉

ー ラン 今度は、あなたが背面飛行して、私が上から狙うから ー

ー はあ~~い ー

シーナは、背面飛行に入ったランを、鷹が獲物を狙うように急接近して、接触間近で自分のカイトを消して、身一つでランに抱きついた。

ランは驚いてコントロールを失ってしまい、二人はキリモミ落下した。


シーナは、ランのカイトを収納して、自分のカイトを出して、コントロールを回復した。


ー これでもう大丈夫よ ー

ー シーナ、驚かせすぎですよ、もう~ ー

ー それじゃあ、渡すよ ー

シーナは、ランを抱き締めた状態で魔力を送り馬語(念話)をバージョンアップした。

ー あ~ん シーナ これ感じちゃう ー

ー ラン!しっかり!
のけ反るな、落としそう!ー

ー ハー フー ヒー
えーっと もうちょっと待って~
はい。 落ち着きました ー

ー あなたのカイトを出すから、自分で飛んで。いい?できるわね ー

ー もう少しこうして抱き合っていたいけど………
いいです。一人で飛びます ー

ー ラン、このバージョンアップで何ができるか見せるわよ ー

その瞬間、ランの視界は2画面テレビのようになった。
片方には、ランの見てる物が、そしてもう一方には、シーナの見てるであろう物が映っている。

ー わっ、なにこれ。飛んでる私が見える ー

ー 私も、あなたの見てる物が見えるわよ。あなたの聴いてる音もね ー

ー シーナ それでこれからどうするの?ー

ー ランには、キャンディー海賊団の船に交渉役として乗り込んでもらうわ ー

ー それって、凄く危ない役ですね ー

ー そうよ、そしてとっても重要な役よ。さっき馬語のバージョンアップと同時にギフト『反射』も渡したから、魔法攻撃も物理攻撃も通じないはずよ。
でもそれは隠しておいて、戦闘になったら、できるだけ『反射』以外で防いでね ー

ー なんで、そんな面倒くさいことをするの?ー

ー 奥の手は、敵に見せないものよ ー

ー ふーん それじゃあ、行ってきま~す ー

ー ラン 勝手に喋らないこと。全て私の言う通り喋ること!
アレンジもアドリブも無しよ。
わかった。ー

ー はあ~~い でもなんかつまらないなぁ ー

ー やってみれば、楽しくなるかもね ー



ー シーナ、もう着くわよ ー

ー 見えてるから、わかってるわ ー

ー あっ そうか ー

ランが近づくと、船上は騒がしくなった。

「何だあれ?」

「人が飛んでるみたいだぞ」

「こっちに来た~」

「戦闘態勢だ!」

「敵襲!敵襲!」

ランが甲板に降り立つと、武器を持った敵に囲まれた。

ー ラン、周りの敵の武器を収納 服は脱がさないでね ー

ランを囲む敵の武器が全て無くなり、敵に動揺が走った。

「私は、大魔道士ラン、今よりこの船をもらい受ける!」

「ふざけるな!」

数人が殴りかかってくるが、ファイアーボールで弾き飛ばす。

「大したことないわね。
もう少し、強い人はいないの?
船長は?」


「私が相手になってあげるわ。」

身の丈2メートルはありそうな大きな女性があらわれた。


「しずちゃん。あなたはねーまだ早いの。しゃべくりはゆっくりなのになぁ。
ちょっと待ってて。
その前に、レッツ ショータイム!」

オカッパ頭の男が出てきて、何やら仕切ってる。

「キモイ!」

ー ラン!勝手に喋らないこと!ー

ー だってぇー ー

キャビンから飛び出すように
ミニスカートの女性が三人出てきた。

「♪春一番が~」

ー ラン 彼女たちの歌声が聞こえないように、風で防音と視界をボヤかせて ー

「イヤン」
「ダメー」
「エッチな風」

歌い出した彼女たちのスカートが風でまくれあがり、チラチラ下着が見えた。
歌どころでは無くなった彼女たちは、必死にスカートを押さえている。

「あなた達、キャビンに戻りなさい、この人みたいに成りたく無かったら」

次の瞬間、ランは手近な所に居た男を素っ裸にした。

アイドルの三人は、悲鳴をあげて、キャビンに逃げ込んだ。

ランは、腰を低く落したカンフーポーズで、クイッとしずちゃんに手招きした。

ー ラン、そうよ。体術で誘っておいて魔法で仕留めるのよ ー

しずちゃんが闘気を膨らませファイティングポーズをとると、やまちゃんが

「しずちゃん!ストップ!
戦っちゃ駄目だ!この人に従おう。」

やまちゃんは、しずちゃんの前に飛び出して、両手を広げ、『彼女はぼくが守ります』的な姿勢からの、正座してペコペコ頭を上げ下げする土下座風のポーズをとった。

〈何かあるわね〉

シーナは、やまちゃんの背後の上空で『緋の眼』となった。そこで見たやまちゃんのギフトは『魅了』だった。

ランは、つかつかとやまちゃんのそばに行き仁王立ちになった。

ー ラン! そのポーズ、パンツ見られてるわよ ー

ー 視線をソコに感じて、ゾクゾクしてます ー

「大魔道士ラン様 服従のあかしに靴底でも、足の裏でも舐めさせて下さい。お願いします。」

〈やっぱヤバい人だ。いや『魅了』にはめるのね〉

シーナは、急降下して、ランの靴底を舐めるやまちゃんにタッチして、ギフト『魅了』を奪った。

やまちゃんは、ギフトを奪われたのにも気づかずに、ランのパンツを覗き込みながら、まだ靴底を舐めている。

ー ランもう好きにしていいわよ。そいつのギフト奪ったから ー

「鬱陶しいわ!」
ランはやまちゃんを蹴り飛ばした。

「キモいやつ」

『魅了』が解けたしずちゃんがつぶやいた。
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