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ep4

飛びます

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「ギニー船長さん
約束どうり船に乗せてくれるんですよね」

「あっ えっ え~~~
やっぱ乗るの?」

「そりゃそうよ。、あの岩礁壊して町までのルート作ったときに約束したわよね。」

「んまぁ そうだな。
約束だからな。
但し、水着とか露出の多い服は禁止だ。」

「え~~~なんで~~」

「クルーたちの気が散るからな」

「本当は見たいのに?」

「そうだ。一瞬の気の緩みで事故が起こるんだ。」

「船長!大丈夫ですか?女なんか乗せて。
縁起悪いですよ」

この世界では、肌の露出以外にも、色々な場面で女性に対する差別があって、その殆どが、不吉なこと、事故とかが起こるなどと、いわれのない理由がもっともらしく信じられていた。

「客としてだ。クルーじゃないから、大丈夫だ。」





こうして二人は、2頭の馬と共に貨物船五郎丸に乗り込んだ。

ランが船首を見て指さして
「船長さん、なんでカンチョーしてる男性の彫刻が、先っちょにあるの?」

「あれはカンチョーじゃない!
距離・方向・速度・風向き
それらに集中する人の姿勢なんだ。
船にとって、全て重要なことなんだよ。」

「へぇー」




こうして始まった航海は、いたって順調に進んでいった。

「シ~~~ナ~~~
ランは、退屈で~~す」

海も沖に出ると、周りはどこまでも海、海、海
進んでいても海、海、海

二人で組手をしたり、魔法を海に向って撃ったりしたが、それもだんだんと飽きてきて、何もせずにボーッとする時間が増えた。


シーナはふと思いついた物をつくってみることにした。

「シーナ。それなあに?」

「これは、ハンググライダー。人が空を飛ぶ為の凧よ。」

シーナは船尾から、それを持って海に飛び出した。
身体強化と風魔法を使って、海の上を駆け出して、助走をつけると、ハンググライダーは、風を掴んでふわりと浮いた。そしてすぐに海に落ちそうになった。
シーナが風魔法を凧に当てると、機体は安定して再び舞い上がった。
シーナを乗せてハンググライダーは、どんどんと高度を上げて船の上空をぐるぐる回っている。

「いいなぁ~気持ち良さそう。
シーーーーナァーーーー
私も、飛びたーーーい!」


ー ラン、気持ちいいわよ
どう?あなたもやってみる? ー

ー 大声張り上げたのに~
聞こえなかったんですか?ー

ー 風の音で何も聞こえなかったわ ー

ー 私も飛びたいって叫んだんですよ ー

ー わかったわ。待ってて ー

シーナは、ゆっくりと旋回しながら降下して、やがて甲板に着艦した。

「ラン このハンググライダーで飛ぶには、風魔法が必要よ。
風魔法を使えるようにするから、来て」

ランがそばに来ると、シーナはいつものように、ランの胸を掴んで、ギフト『再構築』
で、風魔法適性をランに与えた。

「ああ~
やっぱり、これ
気持ちいい
う~~~ん」

ランは、空を飛びたい一心で、風魔法を次々とものにしていった。

「飛ぶ時に大切なのは、パワーの調整よ
強すぎる風を翼に当てると、キリモミ墜落するかも知れないし、弱すぎたら飛び上がれないわ。」

ランは、風魔法での魔力のパワー調節もどんどん上達していった。
やはり火魔法を使い慣れていたからだろう。




2日ほどで、ランの風魔法は、かなりのレベルになった。

「ラン、ソロソロ飛んで見る?」

「えっ いいんですか?」

「飛べないランは、ただのランよ!」

「ちょっとなに言いたいかわからないんだけど。」

「とにかく飛んでみなさい」

シーナはランの前にハンググライダーを出した。

「これを?」

「使っていいわよ。上手く飛べたらあなたにあげるわ。」

「えっ シーナ 本当?
嬉しい シーナ大好き」

「ラン ヤメて 抱きつかないでよ 恥ずかしいから」

シーナはハンググライダーでの飛びかたを、ランにレクチャーした数分後

ー シーナ、これ最高!気持ちいい ー


ランは空をぐるぐると回っている。
舞うようにひらひらしたり、急降下してみたりと、自由自在に大空を楽しそうに飛び回っている。

ー シーナ、わたしずーっとこうして飛んでいたい。
もうこれ私のですよね ー

ー いいわよ、好きなだけ飛べば。
日暮れには、降りてきてね ー

ー はーい ー






ランがハンググライダーで飛び始めてから1時間ほど経った頃

ー シーナ 船を見つけたわ。10時方向に船がいるわ ー

ー どんな船?ー

ー ちょっと見に行ってくるわね ー

ー 気を付けてね。あなたまだ飛びなれてないんだから。ー

ー は~~い ー





ランが飛び去ってから数分後


ー シーナ、たぶん戦艦よこれ。
ギニーさんの貨物船の倍位の大きさで、左右に砲門が8つずつあって、ガラの悪い感じの男たちが、働いてるわ。
海賊よ、きっと ー

ー まだ、あなたは見つかってない?ー

ー うん、でも五郎丸は見つかってるみたいよ ー


ー わかった。
あたしもすぐ飛んで行くから、何もしないで待ってて ー


シーナは船長の所に行き
「ギニー船長、10時方向に海賊船らしき船がいます。
私とランは、そちらに行きますから、馬たちをよろしく。
お世話になりました。」

「えっ なに そうなの?
シーナさん お気をつけて~~~」

船長は、慌ててクルーに指示をあれこれと出した、シーナはランに渡した、ハンググライダーより、翼を小さくした、スピード重視タイプを作り飛びあがった。





ー ラン、お待たせ ー

ー なにそれ カッコよくなってる ー

ー まだ試作品の、スピードタイプよ
これは風魔法使い続けないとならないの
とにかく、降りるわよ ー

ー えっ、海賊船にですか?ー

ー そう、船をもらうのよ ー


♤♡♧♢♤♡♧♢

新章スタートしました。
さてこの先どうなるかな
お楽しみに~
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